2012年12月24日月曜日

第四百三十二夜 X'MAS と ヨーロッパコマドリ

 イギリスの小鳥達は、どうしてここまで人を恐れないのだろうと思う。写真のヨーロッパコマドリ(学名:Erithacus rubecula、英名:European Robin, Robin)は、レンズの先端からわずか30cmほどの至近距離。別に餌付けをされている個体でもなく、写真を撮るために餌で釣っている訳でもいない。枝に止まっている個体に静かに近づいただけである(もちろんいくらかのコツはあるが)。イギリスはバードウォッチャーの国で、誰もが野鳥が大好きなので度々餌を与えることはあるだろうが、それほど頻繁にと言う訳でもなさそうだ。日本との大きな違いは、鳥がいるからと言って人が集まらないこと(基本的にはほっておく)、イヌも大変な躾がされているので鳥も追わない(時々、遊びたいのだろうリスは追っかけているが)。長いレンズをずらりと並べることもないようだ。これらが逃げない訳とは思わないが、お国柄と言えば、それが鳥のお国柄なのだろうか。日本は農耕民族だから絶えず作物を鳥から守る(鳥を追う)行為をしてきた、そのことが鳥の遺伝子に入っていると何かで読んだ。なんとなくうなずいてしまうのである。
  ちなみにこのヨーロッパコマドリは、イギリス人が大好きな野鳥の一つである、ロンドン・タイムズが1960年代初めに行った人気投票でも一位、政府などから正式に制定されてはいないが一般に国鳥とされている。ちょうど今の季節、クリスマスには西洋ヒイラギ(ホーリー)の赤い実にコマドリの絵柄がなからず現れる。Photo:2012/12/16 @エディンバラ、イギリス

2012年11月27日火曜日

第四百三十一夜/アオサギの獲物は?

 池の中でアオサギ(Ardea cinerea が獲った獲物は・・・ウシガエルだった。アオサギの体から判断すると、それはかなり大きめのカエルである。獲物はサギにとってやはり大きいらしく、なんどもなんども半分まで飲み込むが、あと一息のところでカエルの後ろ足が飲み込めない。再び吐き出す、カエルをくわえているのもさ重たいのだろう、くわえている時はクチバシまで水中につけて休んでいるほどだった。同じことを何度か繰り返しやっとカエルの全身を飲み込んだ時は胸の当りがカエルの形に膨らんだようにさえ見えた。この十数分かかった格闘のあとも胸をふくらせたアオサギは水の中に立ちすくんでいた。おそらく飛び立つにも体が重いのか? 以前、鴨川で一羽のアオサギが同様に大きなウシガエルを捕らえる場面に出くわした、その時は捕らえたものの暴れるウシガエルを飲み込めず放棄したことがあった。アオサギの食事メニュの中に大きなウシガエルは特別なものでは無いようである。Photo:2012/11/17  @京都府立植物園

2012年11月18日日曜日

第四百三十夜/ゴミムシダマシの越冬

 昨年来、ナラガレ被害で枯れた大きなコナラ(目通り径75cm 樹高20mオーバー)を伐採した。地面に大きな音と共に倒れた木の幹をみていくと、幹に開いた孔(地上から6mほどにあったカミキリムシの脱出孔)が裂け、中にできた空洞には数種類のゴミムシダマシが集団越冬していた。ニジゴミムシダマシの仲間、キマワリ、ユミアシゴミムシダマシなど4種類以上がびっしりと寄り添う様に詰まっていた。伐採した木の近くにその部位のみ運び立てかけておいた。Photo:2012/11/18 @栗東市、滋賀県

2012年10月30日火曜日

第四百二十九夜/これは何ものか?

 写真の虫を見て何ものか判ればあなたは相当な虫好き。体長は約2.0cm、群青色に輝く体、大きな腹部が特徴です。 翅がとれた蜂?それとも女王アリ? さて答えは後日。大変に興味深い生態をしています。Photo:2012/10/29 @栗東市、滋賀県

 
-->その正体とは:キュウシュウツチハンミョウ(Meloe auriculatus
近畿以西から九州に生息し、晩秋に発生するツチハンミョウの仲間。これでも甲虫の仲間ツチハンミョウの仲間の体液には、カンタリジンという致死量30mgの毒物(蛋白質脱リン酸化酵素阻害剤)が含まれ、ツチハンミョウ類の分泌液が皮膚につくと、水疱性皮膚炎を形成し直るのに2週間くらいかかるので要注意。その生態は興味深く、ツチハンミョウの♀は土の中に4千個以上の卵をうみます。 ふ化した幼虫は、地上に現れアザミなどの花にのぼり、蜜を吸いにやってきたハナバチの体にしがみつく。やがてハナバチにつれられて巣に戻った幼虫はハナバチの卵や食料を食べて育つという性質があります。登る草を間違えたり、しがみ付く相手を間違えると生存はできない。その生存率の低さから、4千個以上の卵を生むと言われている。

2012年10月28日日曜日

第四百二十八夜/陰の主は?

 陰の主は、セスジツユムシ(Ducetia japonica(写真は♀)でした。ほっそりとした姿は陰からは想像できない。Photo:2012/10/25 @京都府立植物園

2012年10月25日木曜日

第四百二十七夜/陰の主は?

 アカメガシワの葉裏に映る不思議な陰。葉表の主はだれか? しなやかに伸びる2本の触覚、長く細い後脚・・・・。答えは明日。Photo:2012/10/25  @京都府立植物園

2012年10月22日月曜日

第四百二十六夜/ナイスなキャラのイラガ

 小さく、きれいな蛾を見つける。これは幼虫に刺されると痛いイラガの仲間、ヒロヘリアオイラガ( Parasa lepida lepidaの成虫(♀)。翅の色と紋様、脚につくふさふさの毛(すね毛?)、毛むくじゃらの体・・・なんだかぬいぐるみみたいで、ディズニーのキャラクターにでもなりそうな雰囲気を持、成虫は毒を持たないので触っても大丈夫。Photo:2012/10/22 @近江八幡市、滋賀県

2012年10月20日土曜日

第四百二十五夜/初対面のカメムシ

 今日見たカメムシは初めて見る。普段よく目にするクサギカメムシ(Halyomorpha halysの特徴を備えているが、体の白点がやけに多い、これは個体差と見ていいだろうが、一点だけ気になる部位がある。顔が普段見るクサギカメムシに比べ鈍く尖る様に長いのだった。体の斑紋は個体差としても、体形は個体差として現れにくい。 ゆっくり調べることにしよう。Photo:2012/10/20  @平野神社、京都市

2012年10月17日水曜日

第四百二十四夜/木漏れ日にオオアオイトトンボ

 オオアオイトトンボ(Lestes temporalisの♂が水辺に張り出した小枝で縄張りを占有していた。このイトトンボは羽化した後、いったん水辺を離れ薄暗い林内で未成熟期を過ごす。十分に成熟した後、秋に水辺に戻ってくる。だから初夏に見られた成虫は夏にはまったく水辺では見れない。水辺に戻った♂は縄張り持ち、♀を探す。興味深い習性があり、産卵は水辺に直接行わず、水面に張り出した樹木の枝(樹皮に埋め込むように)に集団で行う。寒さにはめっぽう強く、12月に入っても見られる。Photo:2012/10/13 @栗東、滋賀県

2012年10月16日火曜日

第四百二十三夜/竹林に浮かぶ緑の島

 林床に浮かぶ小さな緑の島を見つけた。ここは竹林の中である。これぐらいの緑ならどこでもありそうだが竹林の林床の植物生態は意外に貧相である。竹林に浮かんだようなわずか直径50cmほどの切り株島には、数種類のシダ類とそれ以上の樹木の実生や草が育っている。なんと10種類以上の植物が寄り添っているようだ。なぜだろうかと考えると、竹林の枯葉が堆積した場所に樹木や草の種が落ちても発根→発芽→成長まで至らない、地面から少しでも盛り上がっていると光が得易いのだろう・・・と想像した。人にとってどうってことない一つの切り株が作る新しい環境、ここに新しい命の可能性が生まれる。Photo:2012/10/13 @栗東市、滋賀県

2012年10月15日月曜日

第四百二十二夜/里山の神・ミドリセンチコガネ

 栗東の里山で森遊びワークショップ。誰かが拾い置いたミドリセンチコガネ(オオセンチコガネの緑色型 Phelotrupes auratusの亡がら。まだ生きているようにきれいに輝いている。ミドリセンチコガネは鹿、イノシシや他の獣糞などを食べるフンコロガシの仲間(糞食性のコガネムシ)。この仲間でもある「スカラベ」は古代エジプトでは、その習性が太陽神ケプリと近似したものであることから同一視され、再生や復活の象徴である聖なる甲虫として崇拝され、スカラベをかたどった石や印章などが作られた。ここ栗東の里山では、ミドリセンチコガネの亡がらになった後も輝く力を観ると、こいつを地面に埋めておくとやがて新しい命となって現れる気がしないまでもない。森を見ていると餌を探して地面すれすれに飛ぶミドリセンチコガネがいた。丸い体で頭でっかちだけど意外に飛ぶのが上手い。Photo:2012/10/13 @栗東、滋賀県

2012年10月14日日曜日

第四百二十一夜/虫採りは一人に限る

 虫を観るなら・採るなら一人に限る。大勢で歩くと肝心の見えるものが見えてこない。今日は仰木の棚田を多くの人と歩いた。歩く端々から沢山の生きものが顔を出してくれるが、ほとんどの人は気付かない。歩いていると棚田の畦に植えられていた目の前のイチジクの実にはキボシカミキリ(Psacothea hilarisがしっかりと汁を吸っている。やはりだれも気付かない、でもこれが普通なんだろうな。農家にとって許しがたい害虫のカミキリムシだが、シーズンを過ぎ、熟れ損じた実につく今は多めに見てもらえるのだろうか。Photo:2012/10/14 @仰木、滋賀県

2012年10月13日土曜日

第四百二十夜/赤とんぼの季節と言うけれど

 稲刈り後の田んぼには、かつて赤とんぼと言われるトンボが無数にいた記憶があるが、近年はどうも様子がおかしい。かつて秋の田んぼに掃いて捨てるほどいた赤とんぼがいない、しかもその代表種のアキアカネが全くいない。
今日も目にしたのは写真のナツアカネ(Sympetrum frequensばかりである。昆虫の変化の原因は、環境の変化である、つまり田んぼの変化。今の田んぼは稲穂が実る頃にはすっかり水が落される乾田ばかりで、稲刈りの後は歩ける程に地面が乾燥し、昔よくあった「ぐじゃぐじゃ」した場所なんてない。水面でも地面でもない「ぐじゃぐじゃ」した場所に直接卵を産むアキアカネにとって、今の田んぼは産卵環境ではなくなっている。おいしいお米で有名な魚沼の山間地は、稲刈りの直前まで水が入っていて(稲刈りの時に足元が不安定なので水を抜く)、稲刈り後は田んぼ湿地になる。こんな場所でなければアキアカネは棲むことが出来ない。乾田化されていない場所で採れる最高のお米とトンボ・・・赤とんぼの種類を見れば、環境の変化もわかる。Photo:2012/10/13 @栗東、滋賀県

2012年10月11日木曜日

第四百十九夜/オオスカシバ

 今日は郵便局からの帰り道、クチナシの葉を食べるオオスカシバ(Cephonodes hylasの終齢幼虫を見つける。食痕と糞の量からして相当数の幼虫がいるはずだが、目につくのは数頭のみ。体のサイズからして、もうしばらくして地面に降り、土中で蛹になりそのまま越冬するはずである。クチナシはビルの周辺や公園によく植えられる灌木なので、これを食樹とするオオスカシバ(蛾の仲間)は街中でもよく見る事の出来るきれいな蛾である。クチナシの食害はけっこうひどいが、その割にはさほど駆除されないのは幼虫が目につきにくいからか、それとも毛虫でないからか。Photo:2012/10/11 @京都市
オオスカシバの成虫はこちら→第百六十夜(2009/10/16)をご覧下さい。

2012年10月10日水曜日

第四百十八夜/ミヤマアカネ

 出張先の小諸・停車場ガーデンのせせらぎにきたミヤマアカネ(Sympetrum pedemontanum 写真は♂)。北海道・本州・四国・九州に分布し、丘陵地や低山地のゆるやかな流れや田んぼに生息するが、ものすごく普通と言う訳ではなさそうだ。特徴は、雄雌とも翅の縁紋から内側にかけて褐色斑があるので多種と見間違う事はない。なかなか敏感で他のアカネ(赤とんぼの仲間)よりも注意深く近づかないとすぐに逃げられてしまう。Photo:2012/10/09 @小諸市、長野県

2012年10月2日火曜日

第四百十七夜/モリアオガエル

 モリアオガエル(Rhacophorus arboreusの今年夏生まれの個体(体長3cmほど)がシュロの葉上で休む。アマガエル程ではないがこのカエルも体色を周囲の色に合わせる事が出来る。写真のモリアオガエルもずいぶんと青みをおびた体色になっている。驚く事に体色だけでなく体にワックスを塗ったようなツヤが出ている。色ばかりでなく質感も似せることが出来るのか?近くには数匹の若カエルを見たがどれもこれほどツヤがない、とまっているのは光沢のないクサギの葉など。これは興味深い。水辺から離れた樹林に生活の場を移し始めているようだ。Photo:2012/10/02 @京都御苑、京都市

2012年9月30日日曜日

第四百十六夜/ヤマクダマキモドキ

 初めて見たヤマクダマキモドキ(Holochlora longifissa、全身がきれいな緑色のキリギリスの仲間。近似種のサトクダマキモドキは良く目にするが、「ヤマ」は初めてである。全身の特徴はほとんど同じだが、サトクダマキモドキの前脚は緑色、本種は前脚が赤紫色で区別する。「クダマキ」とはクツワムシの事らしいが、そのクツワムシに似ているので「モドキ」が名についた。訳せば「ヤマにいるクツワムシに似たキリギリス」と言う意味になる。写真は柿の葉上に休む♀で、左側の後脚をなくしています。Photo:2012/09/29  @栗東市、滋賀県
*サトクダマキモドキは2009年8月18日第百三十三夜をご覧下さい。

2012年9月29日土曜日

第四百十五夜/里山のトンボ


  里山のトンボと言えば・・・イトトンボやシオカラトンボ、アカネ(赤とんぼ)、ギンヤンマ、オニヤンマ、ハグロトンボなどを思い浮かべる。むしろトンボと言えば里山と言うぐらい里山の多様な環境に中で様々な種が暮らしている。今日のトンボは、オオルリボシヤンマ(Aeshna nigroflava(写真は休息中の♂)。谷戸の一番奥の樹木に囲まれた池で♂♀5頭以上が飛び回っていた。テリトリーをまわる♂(写真下)、交尾をする個体、産卵する♀も観察できた。♂同士がテリトリーを巡る戦いで両者水面に落ちる光景もあった。気長に観察していると時折近くで休息することが判る。この池周辺には、本種以外にオニヤンマ、クロスジギンヤンマ、ヤブヤンマ、マルタンヤンマなど大型のトンボも多い。池には季節になるとモリアオガエル、カスミサンショウウオも見られる。一見、特徴の無い、樹木に覆われ、泥が溜まった池は人間の興味を「汚い、危険」以外に引く事はないだろうが、里山の生きものの生活にとって無くてはならない環境である。Photo:2012/09/29 @栗東市、滋賀県

2012年9月28日金曜日

第四百十四夜/ウラナミシジミ

 秋になると数を増すウラナミシジミ(Lampides boeticus、暖地を除いては越冬することができず、冬の訪れとともに死に絶えてしまう。 幼虫は、ソラマメ、エンドウ、ハギ類など、マメ科植物の花や若い果実を食べるので、秋の収穫時にちょうど食草が豊富な季節となるのでこの季節、豆の畑に行けばいくらでも飛んでいる。Photo:2012/09/27 @京都府立植物園、京都市

2012年9月27日木曜日

第四百十三夜/キジバトの日光浴

 「ああったまらないこの気持ちよさ! 羽の裏側も右左、羽の表も・・・尾羽もシッカリ広げて根元まで・・・陽光をあてよう。間近で人間が見ていても大丈夫、奴らさえこなければね。」と聞こえてくるようなキジバト(Streptopelia orientalisの日光浴にであう。右左と近くで見るこちらを気にする事無く体の向きを変え丹念にしている。尾羽はきっちり180°広げて見事、尾羽の模様も良く判る。最高の秋晴れの下、至福の日光浴もついにはカラスがやってきて終わってしまった。Photo:2012/09/27 @京都府立植物園、京都市

2012年9月26日水曜日

第四百十二夜/マツモムシ

 小さな池で見つけたマツモムシ(Notonecta triguttata。写真を撮るためにすくい捕り地面の置いてみる。普段は水面下に腹面を上に向けて、つまりひっくり返った状態で生活している。後ろ足が長く、ボートのオールのような動きで水中を泳ぐ。体にはビロードのような細かな毛(?)が密生して一滴の水さえもはじき返している。背中はベッコウ(ウミガメ)の様な模様で、その姿もウミガメのような感じである。けっこう飛ぶのが上手く、以外に移動するようだ。カメムシの仲間で、小さな水面に落ちた小動物などの体に鋭い口吻を刺し、体液を吸う。だからこいつをうっかり握りしめるとその口吻を皮膚に一差しされ、これが大変な激痛なのである。これは昆虫少年はだれもが経験するものである。Photo:2012/09/25  @京都御苑、京都市

2012年9月25日火曜日

第四百十一夜/ホシミスジの幼虫

 ホシミスジ(Neptis pryeriの産卵行動9月4日/第四百四夜)を観察した場所を訪れた。9月11日にはすでにふ化していたので、もう2週間以上になるがまだ1齢幼虫のままだった。もうしばらくは活動し2齢になって冬を迎えるはずである。この小さな幼虫は葉を食べ終わると、葉の先端にある枯葉の巣の中に戻って行く。Photo:2012/09/25 @京都御苑、京都市

2012年9月17日月曜日

第四百十夜/ツバメシジミ

 暑さが残る京都御苑を散歩。小さなシジミチョウが1頭草地を飛んでいた。ようやく止まったところを写す。ツバメシジミ(Everes argiadesの♂だった、小さな翅は1点の汚れも傷もない、尾状突起も揃っている。羽化したての個体だろう。しきりに草地を飛び♀を探している様子。数日後には♀も辺りの草地に姿を現すだろう。Photo:2012/09/17 @京都御苑、京都市

むしの気持ち:もう少しピントをきりりっと合わせて欲しいですね。さて私の頭はどちらでしょう。


2012年9月12日水曜日

第四百九夜/じっとしている事も大切

 葉の上に止まる小さな蛾は、シロオビノメイガ (Spoladea recurvalis。止まったまままったく動く事無くじっとしている。指先で触れるとさすがに飛び去るが、再び葉に止まるとまたじっとしている。葉の上についた鳥の糞か落ち葉の断片にも見える。僕たち人間は、色彩や形で生きものが外敵から身を守っていると思いがちだが、じっとする事も大切な身の守り方である。この小さな蛾の捕食者はクモやトカゲ、カエルであればなおさらである。この蛾がカエルの前に止まっていようともおそらくカエルは食べ物として反応しないだろう、しかし一度この蛾が身を動かせばすぐさま飛びついて食べてしまうはずである。身の守り方は形や色彩も大切だが、無駄に動かない事である。Photo:2012/09/11 @京都御苑、京都市

むしの気持ち:無駄な動きはお腹も減ります。

2012年9月11日火曜日

第四百八夜/カノコガ

 カノコガ(Amata fortunei fortuneiは、6月〜9月の雑木林の林辺や草地でよく見る昼間に活動する蛾の仲間。体の紋様は、「フタオビドロバチ」に擬態していると言われるが果たしてどうか。止まり方も飛び方も弱々しく全然似ていない。もちろん蛾なのでハチの様に針もない。Photo:2012/09/11 @京都御苑、京都市

2012年9月10日月曜日

第四百七夜/シャチホコという名の蛾

 探せばムシは必ず見つかる、でも探そうと思ってムシは見つかるモノでもない。視界の端っこにちょっことだけ写り込んだものに気付くこともある、本命のムシを撮ろうと思って、カメラのファインダー越しに別のモノを見つける事もある。写真の蛾も同じ状況でその存在に気付いた。遠くから見た時は葉の上に落ちている小枝と思った、でも少し不自然でもある、「さて?」的な直感で見ると初めて「蛾」である事が判った。これはおそらくクロツマキシャチホコ (Phalera minor、「おそらく」としたのは、この仲間(属)は数種類いるのだが、その差はどれも翅の斑紋のビミョーな違いでしかないから。殺して標本にすれば同定もし易くなるがそうもいかず、数枚の写真を行ったり来たりして探るほかない。後ろから撮った写真(下)は写りが悪いが、翅を体につけると筒状になる体形がよくわかる。Photo:2012/09/04 @京都御苑、京都市

むしの気持ち:普通は気付かれないんですよ・・・多分。

2012年9月7日金曜日

第四百六夜/ワキグロサツマノミダマシ

 ワキグロサツマノミダマシ(Neoscona mellotteeiという変わった名前のクモ。日中は網を畳んで葉上で休み、夜間になると円形の網を張り虫を捕食する。写真はアラカシの虫食いの葉上に休んでいる個体だが、上手い具合に虫に食われた葉のエッジが茶色に変色し、クモの体色と良く似ている。クモは葉の状態と自分の体色が似ている事を知っているんだろうか。変わった名前だが調べてみると「サツマノミ」とは「ハゼの実」の事、「ダマシ」とは「似ている」の意味とある。つまり「ハゼの実に似ているもの」となる。一度、未熟なハゼの種子を見てみよう。「ワキグロ」とは、体の側面が黒いと言う意味。近似種で「サツマノミダマシ」という種がいて、こちらは脇も緑色なのだ。Photo:2012/09/04 @京都御苑。京都市

2012年9月6日木曜日

第四百五夜/キマダラセセリ

  茶褐色と黄色の粗いまだら模様のセセリチョウの仲間・キマダラセセリ(Potanthus flavumがハスの葉の上で休んでいた。見れば見る程、セセリチョウの仲間はチャーミングである。このキマダラセセリは、身近な場所の原っぱや河原、林の周辺などでよく見られる。弾丸のように敏速に飛ぶので近くを通過する時は「ブンッ」と羽音がするほど。 幼虫は、メヒシバ、ノビエ、エノコログサなどのイネ科、ミヤコザサなどのタケ科の植物の葉を食べる。 Photo:2012/09/04 @京都御苑、京都市

むしの気持ち:人間は私を見てたびたび「蛾だ!」と言いますが・・・どうしてだろう。

2012年9月4日火曜日

第四百四夜/ホシミスジの産卵

 タテハチョウの仲間・ホシミスジ(Neptis pryeriの産卵に出会う。近縁種のコミスジに似るが、1本目の帯が白色紋列になっていることで区別できる。この蝶の幼虫は、公園などに植えられるシモツケ、ユキヤナギ、コデマリの葉を食べるので個体数も多く、どこにでも生息すると思いがちだが、なぜか個体数は少なく目にする機会は少ない。
  今日は、このホシミスジ(♀)がずいぶんとユキヤナギにこだわった飛び方をしていた、どうも卵を生む新芽を探しているようだ。しばらく様子を見ると予想通り、新葉の裏に腹部を曲げて青白い卵を産みつけた(写真下)。翅の裏側の紋様がきれいなので写真に収めたかったが裏は見せてくれなかった。この蝶は止まる時はたいてい翅を開く習性があるのでたいてい上のような写真になる。Photo:2012/09/04 @京都御苑、京都市

むしの気持ち:卵を見てください、すごくきれいだから。

2012年9月3日月曜日

第四百三夜/森のソーセージ?

 フィールドにしている里山で見つけたツチアケビ(Galeola septentrinalis。大きさも色もまるでウインナーソーセージがなっているようだ。このツチアケビは、アケビの仲間ではなくラン科植物(腐生ラン類)、ただしこのランは光合成を行う葉を持たず、養分のすべてを共生菌に依存している。一年を通して地上部に葉はなく、初夏に花茎を地上に伸ばす。花茎は高さが50 - 100cmに達し、あちこちに枝を出して複総状花序となり、枝の先端に花を咲かせる。花は3cm近くになりかなり大型。花の頃に同じ場所を通ったのに全く気付かなかった。来年の夏に期待しよう。Photo:2012/09/02 @栗東市、滋賀県

2012年9月2日日曜日

第四百二夜/秋の谷戸の風景とオオカマキリ

 稲穂も実り、谷戸は確実に秋の風景だった。まわりの草地や畦では、オオカマキリ(Tenodera aridifoliaがイナゴやトンボをねらう様子も見る事が出来た。以前と変わらない谷戸の風景がまだまだ残っている。特に谷戸の田んぼでは、最近の減農薬栽培などにより昆虫類も多く戻ってきたことを実感する。言わば望ましい自然環境に戻りつつある。しかし大きく一つだけ昔の風景には無かったものがある・・・田んぼのまわりに張り巡らされたネットである。ネットの目的はただ一つ、イノシシや鹿が稲穂を食べない様にである。周辺の地面にはシカの足跡や糞、イノシシが地面を掘った後がところかまわずあった。農家にとって虫が多くなった事は許容できるが、作物をすっかり台無しにしてしまう獣害は直接収益に関わる事態。ネットの購入や設置・管理などただならぬ負担が必要である。なにか良い防御があればいいのだが・・・。
これは農家だけの問題ではなく、谷戸の風景にブルーネットはぜんぜん似合わない、僕にとっては容易に水辺に近づく事が出来なくなり、あぜ道を歩く事もはばかられる。ちょっとコマッタ事態である。Photo:2012/09/02 @栗東市、滋賀県

むしの気持ち: ・・・・今日はへんな人間がネット越しに写真を撮っていました。なにもしなかったので、まあいいでしょう。

2012年9月1日土曜日

第四百一夜/優美なコヤマトンボのヤゴ

 鴨川で水辺の生きもの調査に参加(主催:NPO法人ビオトープネットワーク京都)。普段接している鴨川でも今日はずっと下流の十条あたり。水は一見きれいだが、川に入ってすぐに水の匂いが気になった、どことなくどぶ臭い。時折、泡が消えずに流れて行く。さて何が採れるのだろうか。早速、対岸の水際の草根元をガサガサと狙ってみる、オイカワ、ナマズ、フナ、ヨシノボリ、ヘビトンボ(幼)、コオニヤンマ、オナガサナエ、コヤマトンボなどトンボ類のヤゴなど一通りの収穫があった。中でも写真のコヤマトンボ(Macromia amphigenaのヤゴは優美(?)な体形だった・・・さてこれはどこかで見た事のあるもの。体に不釣り合いなほどの細く長い手足、頭部前額の小さな突起、もちろん顔は一面だけだが、国宝「阿修羅像」に似ていると思うのは僕だけだろうか。Photo:2012/09/01 @勧進橋、鴨川、京都市

むしの気持ち:阿修羅像が私に似ているだけです。早くもと居た場所に帰してください。

2012年8月31日金曜日

第四百夜/夕焼けのイトトンボ

 滋賀県近江八幡市の西の湖に流れ込む蛇砂川の河川敷に沢山のアジアイトトンボ(Ischnura asiaticaを見る。イネ科の草地を見ると葉間が10cmにも満たない空間もミリ単位で上下左右前後にホバリングをしつつ移動している。飛んでいる時は翅が見えないのでまるで緑色の極細の爪楊枝が宙に浮かんでいる様に見える。葉先で休むもの、餌を捕らえるもの、雌を見つけて求婚するもの、その姿は見ていて飽きない。雄が雌を見つけると求婚するが雌に気がない時、雌は尾先(腹部先端)を曲げて拒否する行動も見れた。ふられた雄はけっしてくじけたりせず、すぐさま別の雌を探しに行くのだった。写真のアジアイトトンボは雄で、夕日に翅が赤く染まる。Photo:2012/08/31 @蛇砂川、近江八幡市、滋賀県

むしの気持ち:私達の仲間は体の紋様が微妙に違ったり、同じ種類でも成長するごとに色が変化したり、雄と雌とで違ったり、なかなかどれが○○トンボだとか決めるのは難しいようなんですが、そんなこと知ったことではありません。なんせ私達は私たちなんですから。飛ぶのが上手いって・・・人間が造った落ちる飛行機とは訳が違います、こんなに小さくって高性能のヘリコプターって人間は造れないでしょ? 当たり前でしょうね。ここまでなるのにどれだけ・・・何千年かかっただれも知りません。それと私たちだって夕日ぐらい愛でますよ、ああ今日一日終わったんだなって、ぐらい思いますね。

2012年8月29日水曜日

第三百九十九夜/黒いヒカゲチョウ

 ヒカゲチョウの仲間って、セセリチョウと同様に蝶と言うよりも蛾的な扱いを一般的に受けているかもしれない。確かに色彩的は、けっして華やかな感じではない。また人目につく花なんかにはあまりこない。むしろ日陰者と言った風情である。でも見れば見る程味わい深い紋様を持っている魅力的な蝶である。写真のクロヒカゲ(Lethe dianaも同様で、翅の表なんか黒褐色で、紋様も光沢もない黒っぽい地味なチョウ、またチョウには珍しく暗いところが好きで、日陰の地面にとまっていることや暗い林内を飛んでいることが多い。そんな地味なクロヒカゲの裏翅(後翅)にある目玉紋様の縁取りは見る角度によって深いブルーから紫色の不思議な光を放つ。クロヒカゲに近い種のヒカゲチョウ(Lethe sicelis)は、第三百七十二夜(2012年7月22日)をご覧下さい。Photo:2012/08/24 @神戸市立森林植物園、神戸市

2012年8月28日火曜日

第三百九十八夜/クマゼミ

 お盆が過ぎてすっかりセミの主役は、ツクツクボウシに変わっていしまった。 地面には、アブラゼミ、クマゼミの死骸が目立つ。1ケ月近く鳴き続けてきたこのクマゼミ(Cryptotympana facialisも後わずかで命を閉じることになるのだろう。今年の猛暑はいかがでしたか? きっと「最高の夏だった」と答えるだろうな。Photo:2012/08/28 @京都御苑、京都市

2012年8月27日月曜日

第三百九十七夜/キボシカミキリ

 子どもの頃は、カミキリムシと言えば写真のキボシカミキリ(Psacothea hilarisかゴマダラカミキリ(濃いブルーに白い斑紋)、どちらも家の近くで見ることが出来た。キボシは、ゴマダラより小振りだがスマートで触覚が長いので好きだった。最近、両種とも街中で見なくなったのは幼虫の食樹であるイチジクやクワが身の回りから減っているからだろう。今年も店頭にイチジクが並び始めた、これを見ると木や葉の独特の香りを、そしてカミキリムシも思いだすという訳だ。Photo:2012/08/26 @京都府立植物園、京都市

2012年8月26日日曜日

第三百九十六夜/多くの目玉を持つ蝶

 植物園に行くが、意外に昆虫は少ない。キボシカミキリ、ギンヤンマ、ウスバキトンボ、ナミアゲハ、クロアゲハ、キチョウ、ムラサキツバメ、ヤマトシジミ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ、そしてこのヒメウラナミジャノメ(Ypthima argusこのジャノメチョウは日本全国、春から秋の中ごろまで、いつでもどこでも出会える。幼虫が人の生活域にあるイネ科のススキ、チヂミザサなどを食草とするためだろう。そんあこともあって多くの写真を撮っていない。今日も満足な写真でない。この蛇の目紋は後翅裏に5つあるが、まれに6つから8つほど持つ個体もおり、そのため「argus」という学名を付された。argusとはギリシャ神話の神で、100の目を持つ巨人アルゴスに由来する。つまりいっぱい目玉紋様を持つと言う意味である。Photo:2012/08/26 @京都府立植物園、京都市

2012年8月25日土曜日

第三百九十五夜/翅が退化したフキバッタ

 面白いバッタを見つける、立派に成虫なのだが背中の翅は無いも同然、退化してしまっている。翅がないからもちろん飛ぶ事は出来ない。このバッタはフキバッタと呼ばれる仲間で、飛べないために地域移動が限られ個体差が激しくなったという。フキバッタは日本に26種、バッタの事は右も左も判らない、地域や体の特徴から数種に絞り込むと写真のフキバッタはヤマトフキバッタ(Parapodisma setouchiensisだろうか。名前は、フキを好んで食べることからついたが、もちろん他に植物全般の葉を食べる。Photo:2012/08/23 @六甲高山植物園、神戸市

2012年8月24日金曜日

第三百九十四夜/獲物を狩るのも命がけ?

 植物園の園路で見つけたオオモンクロベッコウ(Anoplius samariensis。このハチはベッコウバチの仲間で大きなクモに麻酔をかけ捕獲し、地面にあけた孔に運び入れ、卵を産む習性を持つ狩蜂の仲間。大きなクモ(写真のクモはアシダカグモの仲間)を狩るので、蜂も飛んで獲物を巣孔まで運ぶ事は出来ない。獲物のクモは、草むらなんかにいる。たとえ獲物を捕らえたからいっても巣孔までは草や枯れ枝、小石等の障害物を乗り越えていかねばならない。今日は獲物を捕らえ巣孔に運び入れようと園路を歩いていたところをタイミング悪く管理車にひかれてしまったようだ。それを見つけたのがアリ達。獲物を狩るのも命がけなのである。この蜂は、真っ黒の体に大きな2対のオレンジ色を腹背面にもつ。Photo:2012/08/24  @神戸市立森林植物園、神戸市

2012年8月23日木曜日

第三百九十三夜/オナガアゲハとオニユリ

 クロアゲハに似るが体も、翅も細いオナガアゲハ(Papilio macilentusオニユリを訪れた。後翅の長さがそう思わせるのか、花を訪れ飛ぶ姿はクロアゲハよりもずっと緩やかに流れるようで美しい。斜面地に咲くオニユリの間を縫う様にして飛ぶ姿は本当にきれいだ。山地では珍しくないが平地ではあまり見る事の出来ない黒い色のアゲハチョウ。インターネットのウィキペディア・フリー百科事典に掲載されている「オナガアゲハ」の写真はまぎれもない「ジャコウアゲハ」、この手の基本的な間違いが多くて困る。写真のオナガアゲハは♂。Photo:2012/08/23 @六甲高山植物園 神戸市

2012年8月22日水曜日

第三百九十二夜/キジの若鳥

 川沿いの路で足元の草むらから飛び出たのはキジ(Phasianus versicolorの若鳥だった。メス2羽、オス1羽の3羽。すっかり親程の大きさと紋様になっているが、その表情はまだあどけない。すぐに草むらに飛び込むもの、こちらの様子をずっと見るもの、これも個性だろうか。この辺りは今春からキジのペアをいつも見た場所。無事子育てを果たしたようだ。Photo:2012/08/22 @蛇砂川、浅小井、近江八幡市、滋賀県

2012年8月21日火曜日

第三百九十一夜/ハチに見えますか?

 今日は興味深い昆虫に出会う。一見、アシナガバチかスズメバチにみえるのだが触覚や翅の感じが微妙に違う。よく見るとやはり違う。この昆虫はスカシバガの仲間のコシアカスカシバ(Scasiba scribai、ガの仲間だからけっして刺したりはしない。・・・といっても普通の人はいくら見てもやっぱり蜂に見えて怖いのだと思う。「ぎゃっ!」と一言、後ずさりして近づこうとも、ましてやじっくり見ようとも思わないだろう。このような他者に自分を似せる事で身を守ることを擬態の一つ「標識的擬態=警告色をもった生物にまねて捕食者・外敵をだます」という。はたして彼ら自身はどうなんだろうかと思う。それは他者、特に人間が勝手に言っている事できっと彼ら自身は、ハチのことはどうでも良く、「どうですかかっこいいでしょう?」自分が一番と思っているに違いない。「そうです君はすてきな紋様だよ」と僕も思うのだ。Photo:2012/08/21  @京都御苑、京都市

2012年8月19日日曜日

第三百九十夜/ゴキブリとムカデ

 夜の京都御苑を歩く・・・と言うのも、近くを歩いていると御苑の森からアオバズクの鳴き声が聞こえ、それに誘われたからだ。もうしばらくすると渡りの季節なので鳴き声も聞けなくなるので今年の聞き納めになるかもしれない。御苑から周囲の歩道に戻る、この歩道には、夜間ずいぶんたくさんのゴキブリがぞろぞろと歩いている。ゴキブリにもお目当てのものがあるのだろうが、このゴキブリを狙う生きものもいた。トビズムカデ(Scolopendra subspinipes mutilans)がゴキブリを捕らえて食べていた。ムカデは顎肢に毒腺を持ち、この毒を用いて昆虫などの動物を捕食する。このトビズムカデは、体長が普通8~15cmで希に20cm近くにもなる、日本産ムカデの中では最大級。写真で体節を数えると全部で23節あった、その各節からそれぞれ1対の突起が出ている。一番先の節(頭)には「触覚」、2番目には「顎肢」(=がっちり獲物をくわえているのが写真で判る、ここに毒腺がある)、3〜22番目は「歩肢」、一番最後の23番目は「尾脚」があった。ムカデを感じで書くと「百足」となるが実際は46足である。このムカデ、目つきも鋭く、大きな顎を持っている、見るからに危なさそうである。ちょっかいを出すのは止めよう。Photo:2012/08/19  @京都御苑、京都市