ラベル キノコの仲間 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル キノコの仲間 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年9月5日金曜日

第六百五十七夜/セミに生えるキノコ

 なんかすごいものを見てしまったな〜と思う。歩いているセミの全身に白い突起物が無数に出ている。セミは死んでいるのだが、その姿は生きているようでもある。
調べるとすぐに判った、これはセミノハリセンボンというセミに発生する不完全型の冬虫夏草(キノコの一種)である。林内の地表あるいは樹幹上のセミ成虫に生じると言う、つまり死んだセミに出るのではなく、キノコが生きているセミを殺し、その結果この突起が発生するらしい。いやなかなか恐ろしい。Photo:2014/09/02 @京都御苑、京都市

2013年11月3日日曜日

第五百五十五夜/唐笠茸(からかさたけ)

いかにもキノコと言う形のカラカサタケ(Macrolepipta procera)が草地にいくつも生えていた。カラカサタケは高さが30cm以上、カサの直径が20cmにも達する大型の種で、表面の色は淡い褐色、その上に表皮が破れてできた濃褐色の鱗片が散らばる。笠の下の柄には白いツバがつき、指輪のように上下に動かすことができる。だからツバと言うよりもまるで「腹巻き」である。
 カラカサタケの肉は白色で味や匂いは殆どなく、変色も見られず、汁物、焼き物、揚げ物などで食べることが出来るが、生で食べると中毒を起こす危険性があるという。キノコは上から見るよりも見上げる方が面白い。Photo:2013/11/03 @京都御苑、京都市

2013年9月22日日曜日

第五百四十夜/童話の中のキノコ

 いかにもキノコと言うキノコ。童話の中で見た記憶があるのか、いやあれは赤かった、でも形は瓜二つ。童話に出て来る赤いのは「ベニテングダケ」、こちらは同じテングタケの仲間だが針葉樹の林に生えていたのでイボテングダケ(Amanita ibotengutake)のようだ。食べる事が出来そうな色と形だが、ベニテングタケよりもこちらの方が毒性が強いらしい。けっこう大きなキノコなので遠くからでも見つけられる。誰かがいたずらに蹴飛ばしたのか時折、いくつもがヒックリ返っていた。Photo:2013/09/16 @京都御苑、京都市

2013年9月20日金曜日

第五百三十九夜/公園で採れる秋の食材

 台風の大雨以降、秋のキノコにとって本格的なシーズンを向かえたようである。あちこちにキノコを見ることが出来る。モミジの幹から株で生えるこのキノコは、ヤナギマツタケ(Agrocybe cylindracea)、少し食べ頃を過ぎているがこれかもどんどん根元からでてきそう。この株は、両手からたっぷりとはみ出る程の大きさ。 このキノコは、公園樹や街路樹に植えられているトウカエデや、ポプラ、ヤナギ類の枯れた部位に発生する腐朽菌。街中で採取できる食用キノコ。マツタケとは名に付くものの類縁でもないし、香りも違うが、こっちりとした食感が持ち味で和洋に限らず食材として優れている。でも御苑のものは採取できません。秋のキノコは元気だが、ツクツクボウシの鳴き声は少し頼りなげだ。Photo:2013/09/19  @京都御苑、京都市

2013年9月13日金曜日

第五百三十四夜/その名もエゴノキタケ

 なんだかエゴノキの元気が無いなと、見上げると枝に不思議なモノを見つける。熱帯の海にあるノウサンゴの様にも、大きなカイガラムシにも見えるが、キノコである事は間違いない。早速、キノコの先生に名前を教えて頂く。エゴノキの枯れ木に好んで生える、エゴノキタケ(Daedaleopsis styracina)だった、日本固有のキノコ(カイガラタケの仲間)と言う。なんとも判りやすい名前である。このエゴノキの樹勢のなさは、このキノコが付くことが原因ではなく、エゴノキの上部には大きな木が枝葉を茂らせている。この日照条件がエゴノキには適さず、枯死にいたる。そこにやって来たのがエゴノキタケである。キノコの少し右には、ハチだろうか、カミキリムシだろうか、すでに穴を開けてしまっている。この木が完全に枯れるのは時間の問題である。枯れた木を早く土に戻し、他の植物が吸収できる養分とするためにキノコの役割がある。それまでの少しの間もさまざまな生きものの食べ物や巣として利用される。自然の生き物はすべてつながっている。僕が観たいのはその繋がりなのである。Photo:2013/09/10  @京都御苑、京都市

2013年7月13日土曜日

第四百九十八夜/不思議な色のキノコ

 乾いた樹林の地面に直径3~5mのキノコの菌輪が出来ていた、姿をすっかり地面に表しているものよりのまだ頭に枯葉をのせたものの方が多い。そのキノコは、不思議な色をしていた、表面はうっすらカビを生やしたお餅状、しかし裏を見るとひだの色が凄く綺麗な薄紫色。早速、写真をキノコの小寺先生に送り見て頂く。これはウスムラサキシメジ(Lepista graveolens)という比較的珍しいキノコで、胞子が星型という珍しい形状とのこと。キノコはまったくお手上げである。Photo:2013/07/09 @京都御苑、京都市

2013年7月4日木曜日

第四百九十三夜/キノコとトビムシ

 梅雨入り後、たいした雨も降らずなんだかもう既に梅雨明けした感じである。こんなことも影響してか、地面に生えるはずのキノコも少なく感じる。そんな中にも一度、雨が降ればにゅこにょこと出て来るから面白い、実にたくましい。地面に一粒のドングリが転がる様に生えているのは、タマゴテングタケモドキ(Amanita longistriata)の幼菌。これから笠の部分を広げる。根元のツボの部分には沢山のトビムシの仲間が来ていた。キノコの一部を食べているのか、キノコが出す液を吸っているのか? さて、このキノコを人間が食べると腹痛を起こすことで「毒キノコ」とされている。でもトビムシ達は大丈夫のようだ。キノコもよく判らない、トビムシはもっと判らない。自然界の食物連鎖(循環)で、植物は「生産者」、動物は「消費者」までは学校で習った、でもこの2者では自然界の循環が完結できないことをキノコの佐野先生に教えて頂いた。ここでキノコが「還元者」として活躍する。つまり消費者が出したものを生産者が利用できる様に還元すると言う訳だ。Photo:2013/07/03 @京都御苑、京都市

2013年1月15日火曜日

第四百三十四夜/さすがに野生、これこそ野生

 さすがに野生、店頭で目にするノッポで、色白なキノコとは違います。広葉樹の切り株に発生する冬のキノコ。キノコも上に落ちている葉の大きさから想像できるが、このキノコの株は手のひらの2倍以上もある立派なもの。これが正真正銘の野生のエノキダケ(Flammulina velutipes)。採りたい気持ちがいっぱいだけどここはだめです。同じ切り株に毎年発生します。Photo:2013/01/15 @京都御苑

2012年7月3日火曜日

第三百六十三夜/虫目、キノコ目

 宮崎駿さんと養老孟司さんの対談集「虫目とアニ眼」という面白い本がある、これとはほとんど関係しないけど「虫目とキノコ目」と言う「目」がある。時には「虫目と鳥目」と言うのもある。フィールドで「あっ!あれ!」って同じ方を見ているのに人によって見つめるものが違う、見つけるものが違う。例えば、エノキの樹冠にとまる小さな蝶を見つけ虫屋が指差す先に、鳥屋(鳥の研究者)は小さな鳥を見つけ、互いに「おおっ!いるではないか!」と言ったりする。あたかも同じものを見ているかごとくにである。しかし話してみるとほとんど違うものを見ていたりするから面白い。先日も知人が「そこに!」と指差した先にあったにょろっとした白いものの向こうに僕は虫を見ていた。「そこ!」って言われてもキノコには目が反応しない、無意識のあいだに虫を見つけようとする。
 地面からにょろっと生えた1cmほどの白い物体は「クモタケ(Nomuraea atypicola)」と呼ばれるキノコの一種。通常、このキノコはトタテグモに生じる。このクモは地中に筒状の巣を作り,地面との境である巣の上端は蓋がついている。このクモがキノコの菌に感染したとき,この菌は巣の底にいるクモから長い菌糸の束を出し,蓋を押し開けて地上に伸び出し,その先端に粉状に多数の胞子を作ると言う。これがにょろっとした白い物体の正体。このキノコを掘るとその一番下にはクモの死骸がついていると言う事だ。Photo:2012/06/26 @京都御苑

2010年7月8日木曜日

第二百二十夜/森に卵?

 植物研究家のKさんにキノコの名前を教わった・・・ほとんど忘れそうな名ばかりだが、これだけは忘れないだろう。その名も「タマゴタケ」(正式にはチャタマゴタケ)、大きくなった物をみると名前の由来が判らないが、幼菌(キノコの子ども時代のようなもの)をみると納得。大きさも鶏卵大。白い卵状の幼菌から、黄色の物体(これが笠になる)が現れた様はまさに卵、それも「ゆで卵」(写真上)。これが大きくなると今度は、目玉焼きになる(写真下)。写真のチャタマゴタケは黄色タイプ、通常のタイプは茶色で、ゆで卵状態の時は中国食材の「ピータン」のような感じ。キノコもなかなか面白い。Photo:2010/07/06 @京都御苑

2010年7月6日火曜日

第二百十九夜/我輩はブンゴツボマツタケである

 我輩は新種のキノコである。和名はまだ無い、もちろん学名も無い。名前がないのも困るので世間では、仮に「豊後壷松茸(ブンゴツボマツタケ)」と呼び始めたらしい。我輩は第一例として2005年7月に大分県佐伯市、その後第二例、第三例が京都御苑で見つかった。ちなみに第二例は種の同定のために大分県に送られた。その第四例目が今日見つかった。最初の一個を除いては、国内では京都御苑以外に見つかっていない。自分でも判らないのだが、アラカシか他のきのこに寄生すると言われている。色も香りもマツタケに似ているが、味は判らない、安全かどうかも判らない。なぜならあまりに少なくてだれも試食してくれないからである。Photo:2010/07/06 @京都御苑、京都市

2009年5月15日金曜日

第八十五夜/スジオチバタケ

 今夜は先週、京都御苑で見つけたキノコを紹介。どんな生きものでもそうなんだが、見つけようと思っても見つからないものだ。このキノコもそうだった(実際に後日行った時は見つけられなかった)、倒木のそばに立って昆虫を探していた時に偶然目についた。形と色がなんとも不思議で印象的。昔、おやつに食べた「アポロチョコ」(月面探査機のアポロ号に似ていたからだと思う)に似ている。和菓子の様でもある。パラシュートの様でもある。どこか地球外生物の様でもある。早速、図鑑で調べる、「オチバタケ」の仲間らしいが確信が持てない。キノコの佐野先生に写真をメールで送り、名前を教えて頂く。キノコは「スジオチバタケ」であると言う、そして興味深いコメントが・・「押し花のようにして"しおり"に出来ますから、試して下さい。乾燥したきのこをコップの中の水に浸せば、復元しますよ」とあった。やっぱりキノコは不思議な生きものだ。(そんなことを発見した人も不思議だが)Photo:2009/05/09 @京都御苑・母と子の森

2008年10月1日水曜日

第二十五夜/マシュマロのようなオオゴムタケ

京都御苑・母と子の森の朽木でキセルガイを探していた時におもしろものを発見。それは朽木のほどよくこなれた部分から出ていた。形は火鉢、質感は黒いマシュマロのような感じである。触ってみると想像通り少し固いがマシュマロの感触。小さなキノコらしい。早速、写真をキノコ専門家のS先生に送る。のちに「オオゴムタケの幼菌(らしい)」と返事を頂く。名前に加えてキノコをカットすれば中身は透明性のゼラチン質の組織が見え、火鉢状の内側に胞子を作るとも教えて頂いた。調べてみると「チャワンタケ」の仲間とある、火鉢ではなく「茶碗」だった。しかし、じっくりと見ていると水木しげるの描く妖怪のような気配があって、それは今にも歩き出しそうだった。京都御苑は歩く先から面白い生きものと出会える。【2008/09/30】
Photo : 2008/09/27 オオゴムタケ 直径25mm 高さ15mm程度@京都御苑・母と子の森