2016年12月29日木曜日

第八百五十四夜/ハジロカイツブリとカワセミ

 真っ赤目をしたカイツブリ、はたしてこの赤い眼で見る風景はどんなんだろう? 興味深いことにハジロカイツブリ(Podiceps nigricollis 英:Black-necked Grebe)が魚を捕るために潜るとどこからともなくカワセミがやってきます。カイツブリに驚いた小魚が水面に上がってきたところをダイビングして獲っていました。一方のカイツブリは、カワセミのダイビングに驚き逃げる、するとまた魚が上がってくる・・・面白い光景でした。2016/12/28 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年12月28日水曜日

第八百五十三夜/ハヤブサの狩りに立ち会う


 年内最後の西の湖フィールドワーク。昼食を摂っていると近くの水面からケリのけたたましい鳴き声が聞こえた・・・そちらの方に目をやるとハヤブサ(Falco peregrinusPeregrine 英:Falcon)がケリを水面に追いつめている。ケリは泳げないので水面に蹴り落してから捕えようというのだろうか。しかしケリも水面に落ちるわけにはいかないし、ケリの飛翔能力もすごい。ハヤブサが二度三度と追い込むが捕らえられない。そこでケリが取った行動に驚く、偶然かもしれないがこちらの方に逃げてくる、2mほどのところまで飛んで来てすぐ近くの草地に落ちる。さすがのハヤブサもここまでは追えない。あきらかにハヤブサはケリと人間の位置を知っている、頭の上を舞ってケリが飛び出すのを待っているようだった。僕がケリの方に近づくと、ケリが飛び出す。ハヤブサはすかさずケリを追うが、寸前のところでケリはヨシ原に逃げ込み難を逃れた。滅多に見ることが出来ないシーンが今年最後のフィールドワークの想い出となった。2016/12/28 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年9月12日月曜日

第八百五十二夜/湖畔の柳に舞うコムラサキ

 湖畔の柳の樹冠でコムラサキ(Apatura metisの♂がテリトリー争いを頻繁にくり返していた。こんなに個体数が多いのは見た事が無かった。枝先の1頭が、テリトリーに進入して来た他個体を追ったかと思うとまわりからも別個体が参戦し、時には5頭が追いかけっこをしている。時にはコムラサキにゴマダラチョウやイチモンジセセリまでもが参戦するが、このときは長くは続かない。日が暮れてようやく1頭が低い枝に止まりクールダウンをするかごとくゆっくりと翅をひろげたり閉じたりしていた。深い紫色に輝く翅が美しい。Photo:2016/09/07 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

第八百五十一夜/毛虫を食べるツツドリ

春にやって来たツツドリ(Cuculus saturatus 英:Oriental Cuckoo)、秋の渡り途中にも立ち寄ってくれた。湖畔に植えられているソメイヨシノに大発生のサクラ毛虫(モンクロシャチホコガの幼虫)をぱくぱくと食べている。毛虫の大発生の時期と秋の渡りの時期がぴったし合っている。お盆過ぎよりやって来たツツドリ達は約2週間、毛虫をしっかりと食べて体力をつけ南の国へと旅立った。Photo:2016/09/01 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年9月5日月曜日

第八百五十夜/モンキアゲハ

 には不思議な一瞬と言うのがあって、今日はまさにそれ。ハチクマ(タカの1種)の秋の渡りが始まりそうな季節、新しくフィールドを探していたがいい場所が見つからず、疲れ果てて森の中にたたずんでいた。そんな僕を励ますかの様に1匹のモンキアゲハ(Papilio helenus)がどこからとも無くやって来て、手が届くほどにある葉上に休んだ。僕に一枚だけ写真を撮る事を許すと森の中を流れるように飛び去った。不思議な時間だった、ありがとう。Photo:2016/09/04 @岩間山、滋賀県

2016年7月26日火曜日

第八百四十九夜/ウチワヤンマ

 ウチワヤンマ(Sinictinogomphus clavatusのペア。谷戸を見渡すことが出来る枝先にテリトリーを張る。上が♂、下が♀。Photo:2016/07/24 @井上、栗東、滋賀県

2016年5月30日月曜日

第八百四十八夜/ヒメアシナガコガネ

 地面を歩く小さな美しい黄色のコガネムシを見つける。始めて見る種類、図鑑でヒメアシナガコガネ(Ectinohoplia obductaと判る。確かに後脚の長さが特徴的。Photo:2016/05/30 @ 伊那、長野県

2016年5月29日日曜日

第八百四十七夜/ノスリの巣

 仕事先で訪れた森にノスリ(Buteo japonicusの巣を見つけた。谷に入ってからノスリの姿と声がしきりにしていた、やがてカケスが激しく鳴きはじめた・・・それほど太くないアカマツの枝にそれはあった。しばらくするとノスリが現れ2羽のヒナにエサを与え飛び去った。身を隠しながら観察すると時おり白い羽のヒナが尻を巣の縁に突き出し糞をするのも見えた。巣のある木の下は、ヒナの糞が笹の葉に沢山ついていた。巣の中には、カラマツやアカマツの新鮮な枝葉が敷かれているようだ。それらの枝葉は定期的に交換されるのだろう、巣の下には枝葉が落ちていた。時おり激しくなくカケスも近くの木に巣をかけていた、距離にしてノスリの巣から10m少し離れていた。機会があればもう一度、巣立ちの頃に訪れたい。Photo:2016/05/28 @伊那、長野県

2016年5月17日火曜日

第八百四十六夜/ベニシジミ

 ヨシ原近くで見つけたベニシジミ(Lycaena phlaeas 英:Small Copper, Common Copper)。ヨシ原あたりは意外に蝶の種類が少ない。ベニシジミ、ナミアゲハ、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモン、ヤマトシジミ、モンシロチョウ、モンキチョウなど。Photo:2016/05/14 @西の湖、安土町、近江八幡市

2016年5月16日月曜日

第八百四十五夜/多芸なオケラ

 田に水が引かれ慌てて地表に出て来たケラ(ケラ科 Gryllotalpa orientalis。この昆虫なかなかな多芸持ちで、泳ぎ飛び、土中を掘り進むことができる。さらに鳴くこともできる。こんな多芸な昆虫他にいるかな? Photo:2016/05/14 @安土町、近江八幡市、滋賀県

2016年5月15日日曜日

第八百四十四夜/オオヨシキリ

 ヨシ原を歩くと、さまざまな鳥の子育てを見ることが出来る。ケリ、バン、ハシボソガラス、トビ・・・そして夏のヨシ原の主人等とも言えるオオヨシキリ(ヨシキリ科Acrocephalus arundinaceus 英:Great reed warbler)。なかでもオオヨシキリの個体数の多さに驚く。Photo:2016/05/14 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年5月14日土曜日

第八百四十三夜/トウネン

 トウネン(シギ科 Calidris ruficollis  英:Red-necked Stint)が田植えのために水が引かれたばかりの田んぼでエサを獲っていた。数日前まで水が無かった田んぼにはたくさんの昆虫やミミズがいるようで、人が見る限りどこも水浸しでも彼らにはどこがえさ場になるのか判る。ここでは、トウネンの2カップル(♂2♀2)、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ムクドリたちがエサ獲りに忙しいそうだった。トウネンは、エサ獲りの合間に水浴びをしながら休んでいた。子育ての地となるシベリアやアラスカまでの道のりはまだ遠い。Photo:2016/05/14 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年5月4日水曜日

第八百四十二夜/図鑑では教えてくれない羽の匂い・ツツドリ

 朝、森の散歩で見つけたツツドリ(Cuculus saturatusの羽根。左右の翼の風切り羽のほとんどと胸の羽の一部があった。風切り羽の根元はほとんどが鋭く切られた状態なのでタカ類の捕食痕と判断。胸の羽の根元には一部皮膚も付着していた。尾羽はまったく内。その羽を標本用にビニール袋に入れて持ち帰る。さて部屋にもどり夜の講座までの間に簡単に並べ標本をつくろうとビニール袋をあけるとなんとも言えない臭さを感じた。カラスの羽の臭さにも近いか。新鮮な個体の羽なのでこれはツツドリ特有の匂い(体臭?)だろう。これもまた貴重な経験である。Photo:2016/05/04 @花背、京都市

2016年5月3日火曜日

第八百四十一夜/子育てに忙しいキセキレイ

 GWの2日間、京都北山・花背で自然観察指導。オオルリ、キビタキ、ゴジュウカラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、エナガ、キバシリ、ミソサザイ、カワラヒワ、サンショウクイ、アオバト、キジバト、ヒヨドリ、アオゲラ、コゲラ、カケス、ホオジロ、キセキレイ、セグロセキレイ、ツバメ、イワツバメ、オオタカ・・・と今の季節の野鳥が一通り観れた。なでも施設内で子育てをしていたキセキレイ(Motacilla cinerea 英:Grey Wagtail)のカップルは大忙しでだった。写真はエサ探しの合間に枝に休むキセキレイのお母さん。Photo:2016/05/03 @花背、京都市

2016年5月2日月曜日

第八百四十夜/アサヒナカワトンボ

春の里山で見つけたアサヒナカワトンボ♀(Mnais pruinosa)。胸から腹部の緑金属光沢が美しかった。この場所で見たのは始めてだが、例年よりも1週間程度早い気がする。Photo:2016/05/02 @こんこん山、栗東市、滋賀県

2016年4月24日日曜日

第八百三十九夜/オオスズメバチの女王蜂

 切り株の根元から姿を現した巨大なオオスズメバチ(♀ Vespa mandarinia 英:Japanese giant hornet)。飛ぶ気配も見せず、地面で体が暖まるのを待っているようだ。彼女にとって巣作り、子育てと忙しい季節がはじまる。Photo:2016/04/25 @近江八幡市、滋賀県

2016年4月23日土曜日

第八百三十八夜/夏のヨシ原・オオヨシキリ

 夏のヨシ原の代表種・オオヨシキリ(Acrocephalus arundinaceus 英:Great reed warbler)が「ギョギョシ ギョギョシ ギョギョシ」と鳴きはじめた。先週はまだ来ていなかったので、ようやく辿り着いたのだろう。まだ個体数は少ないようだが、これからどんどん増え、冬とはうって変り賑やかな湿原になっていく。Photo:2016/04/22 :
@円山、近江八幡市、滋賀県

2016年4月22日金曜日

第八百三十七夜/ツツドリ

 ヨシ原のカモ類が激減した今は、夏鳥が多くなって来た、今日はヨシ原の中から「ポッポッツ」と鳴き声が・・・探してみると柳の梢でツツドリ♂(Cuculus saturatus 英:Oriental Cuckoo)が鳴いていた。おそらく旅の途中での立寄か? 同じ仲間のホトトギスもどこかにいるに違いない。Photo:2016/04/22 @円山、近江八幡市、滋賀県

2016年4月15日金曜日

第八百三十六夜/シメ

 地面に落ちた松の種、桜の花をついばむシメ(Coccothraustes coccothraustes 英:Hawfinch)。体形はずんぐりしていて、派手じゃいけど味わい深い色彩の鳥。「シー」と聞こえる鳴き声と、 鳥を意味する接尾語である「メ」が和名の由来。あまり群れにならず、イカルの群れの端っこにいるみたいだ。Photo:2016/04/15 @京都御苑、京都市

2016年4月14日木曜日

第八百三十五夜/トビ

 ヨシ原を歩くと地面に映る大きな陰、頭に上にはトビが舞っている。しかもすぐ上で、見上げると目が合う。明らかに先ほどからつけられている。もちろん僕を襲うのではなく、エサを待っているのだろう。でもエサは持っていないので、カメラバッグを狙っているようだ、時おり急降下し、頭の上で「バサッ!」と羽音を残して上昇する。おそらく釣り人からエサをもらうことを覚えた個体だろうか。気候がよくなると水辺で遊ぶ人も増えるだろう、どこかで事故が起こることは否定できない。困ったものだ。Photo:2016/04/11 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年4月11日月曜日

第八百三十四夜/ヨシガモ

 水面に浮かぶヤナギや桜の落花をついばむヨシガモ♂(Anas falcata 英:Falcated duck)。近くにはカモ類の姿が見えない、どうしたことか一羽だけ。北への渡りを待っているのか、それとも渡りが出来なくなったのか? Photo:2016/04/11 @蛇砂川、近江八幡市 滋賀県

2016年4月5日火曜日

第八百三十三夜/エナガと紅枝垂桜

 紅枝垂桜の花の中、ガ類の幼虫を探すエナガ(Aegithalos caudatus。花より団子と言うけれど、花のあるところに団子があるらしく。花びらひとつひとつを丹念に探りクチバシいっぱいに幼虫を捕えていた。この後、ある一点を目指し飛び去る、きっとそこには苔玉の巣にヒナ達がたくさんいるのだろう。Photo:2016/04/04 @平安神宮、京都市

2016年4月4日月曜日

第八百三十二夜/ヤマガラに八重紅枝垂

 春ならではの光景。ヤマガラ(Parus variusがしきりに桜花につく虫を探していた。近くではエナガもたくさんのガ類の幼虫をくわえていた。僕たちの想像以上の幼虫が花には潜んでいるらしい。Photo:2016/04/04 @平安神宮、京都市

2016年4月1日金曜日

第八百三十一夜/壁のヤモリ

 出先でトイレに入ると壁についていたニホンヤモリ(Gekko japonicus)。今日は寒かったので動きが緩慢なのでゆっくり観察できた。脚の指がかわいい。Photo:2016/04/01 @守山市、滋賀県

2016年3月31日木曜日

第八百三十夜/ビル群にさえずるイソヒヨドリ

 名古屋駅ビル13階の手すりでさえずるイソヒヨドリ(Monticola solitariusに出会う。果たしてこんな場所にメスがいるとは思えないけど、彼だって一人でここにやって来たのだから、お相手がいないことは否定できない。きっとやってくるんだろう。外のテラスで食事をしているすぐ側できれいな声を披露してくれた。Photo:2016/03/28 @名古屋駅ビル、名古屋市、愛知県

2016年3月28日月曜日

第八百二十九夜/タシギ

 水田や草地に潜むタシギ(Gallinago gallinagoの写真を撮りに出かける。いそうな場所を探すが、こちらが見つける前に「ジェッ」と一声鳴いて飛び去ってしまう。近くにいるコガモなんかは、さっさと飛び去ってしまうのに、こちらは数m先になってから、もしくは足元近くから飛び出して来るので厄介だ。しかも飛び去って降りた場所が判っていても枯れ草にまぎれて居所が判らない。こんな事を数回繰り返しようやく見つけた。ヨシの切り株の間に身を隠し、身じろぎすらしない。じわりじわりと近づいてようやく撮ることが出来た。さて方向を変えようかと一歩踏み出したところで再び「ジェッ」と一声鳴いて飛び去ってしまった。今日はこれ以上はもうよそう。
Photo:2016/03/27 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年3月27日日曜日

第八百二十八夜/キツネの死

 西の湖のヨシ焼きが最盛期となった。ヨシ焼きが終わるとヨシの芽吹きが急速に始まるのでヨシ原の風景が一年で一番変化する時期なので見逃せない。黒化したヨシ原を歩くとその地熱の熱さに驚く、昨日火入れがされたにも関わらずである。遠赤外線なのだろうか体がぽかぽかしてきて歩きながら眠気が襲ってくる。そんなヨシ原の一本道の窪地に1匹のキツネ(Vulpes vulpes japonicaが横たわっていた。最初、寝ているのかと思ったが、残念ながら死んだ♀だった。毛はとても美しくフワフワで、若い個体のようである。毛の表面にはヨシ焼きの灰がほんの少しついていた。外傷無し、ふっくらとした体なので餓死でもない。弱って倒れたようでも無い。車との接触で運転手が窪地においたのかもしれない。またこのキツネにカラスやトビ、タヌキにかじられた後もまったくないので、まだ死後数時間しか経っていないと思った。冬を無事越し、いよいよ春という日を向かえたのに残念だったろう、ただ顔を見ると穏やかな表情が本当に眠っているようだったことに少しほっとした。キツネは美しい動物だと思う。
Photo:2016/03/27 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年3月18日金曜日

第八百二十七夜/ヨシ焼きとトビ

 今日、西の湖の近くのヨシ原でヨシ焼きがあった。ヨシ焼きの終わった草地は真っ黒の灰に包まれ所々煙を発している。手をかざすとまだ熱を感じる。周囲には、ツグミ、イソヒヨドリ、モズ、アオサギ、ハシボソガラス、トビなどがやって来て、火にまかれた昆虫やカエル、ネズミを探している。彼らも経験上、餌を得られることを知っているのだろう。今日は、それ以上に興味深い行動を見た。ヨシ原に火が放たれると急速に炎は大きくなり、同時に煙も生まれる。周囲を飛んでいたトビ(Milvus migransがこの煙のなかを舞いはじめた。煙に燻されるために飛んでいるように見えた、「煙浴」とでも言おうか。時間と共に煙は上昇気流を生み、トビ達はこの上昇気流を利用して高度をどんどん上げて行った。果たして、煙浴のためにやって来たのか、上昇気流を目的にやって来たのか判らない。そのどちらも必要だったのかも知れない。理由は判らないが、彼らが人間の行動を利用していることは確実である。Photo:2016/03/18 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年3月16日水曜日

第八百二十六夜/さて何羽いる? 琵琶湖のオオバン

 ここ数年来、黒い羽の水鳥・オオバン(Fulica atraが琵琶湖周辺で急増している。琵琶湖で一番多い水鳥、今日も小さな入り江を埋め尽くしていた。昨年の新聞記事によると「10年前の3倍近くに当たる約6万羽の生息を確認。日本で越冬したオオバンの6割が琵琶湖に集中していると推定され、増加分の多くは中国からの「移住組」とみられる。現状では、他の生物が食べないような外来植物を好んでエサにしているが、本来は雑食性のため、急激に増えたオオバンの食生活が湖の生態系に及ぼす影響は不明で、専門家らは事態の推移を見守っている。」という。中国の自然環境、特に水辺の環境悪化が影響しているのだろうか。先日、アシの質の低下がPM2.5の関係ではないかとヨシ刈りの職人さんから聞いたばかり。 オオバン移住組も大気汚染の影響かな。写真に写る個体を数えてみた、全部で314羽、この入り江ではこれの10倍以上、さて琵琶湖全体ではどれほどの個体がこの冬やって来たのだろうか? Photo:2016/03/16 @堅田、大津市、滋賀県

2016年3月11日金曜日

第八百二十五夜/モズのカップル

 一羽のアリスイに多くの鳥カメラマン・・・近くではもっと楽しい鳥の行動があった..少なくとも僕にとってはこちらの方が興味深い。それは一組のモズ(Lanius bucephalus 英:Bull-headed shrikeのカップル。♂(彼)のモズが♀(彼女)の近くでいろいろな声を出している。彼は、自分たちの居場所を他に教えるように大きく高々に鳴いたと思うと、今度はかすかに聴こえる歌うようなやさしい声を彼女の耳元でささやく。その鳴き方はさまざまだった。そして彼はひとしきり歌った後、どこかへ飛び去り、しばらくすると彼女のもとに餌を運んでくる。彼女はその餌を子どもが親にねだるような仕草で受け取る。彼は時おりクチバシで彼女の羽を整え、キスさえもする。枝で2羽がぴったりと体をつけて休む姿も微笑ましい。なんともラブリーな2羽である。この行動を何度も繰り返していた・・・何時間見ていても飽きない。Photo:2016/03/10 @奈良市

2016年3月10日木曜日

第八百二十四夜/アリスイ

 先日、昆虫学のT先生からこんな鳥がいたよと一枚の写真を送って頂いた。それは枯葉色した風変わりな鳥だった。名をアリスイ(Jynx torquilla 英:Eurasian wryneck)と言う。知ってはいるが見た事は無い。場所を聞くと、仕事で度々訪れるところの至近の距離。早速、打合せに入るに出向き探してみた。居場所・・ここも例外ではなくすぐに判った・・・何人もの鳥カメラの御者がデカイレンズを構えていたから。何本ものレンズが見ている一点は、一羽の薄汚れたような紋様の小さな鳥が地面で何やら食べている。色といい、少し猫背になってごそごそと動く様子は、鳥と言うよりも「ネズミ」そのものである。ここで数枚記録として写真を撮り打合せに向かう。仕事を終え、まだ時間があったので同じ場所に向かう。何人もの鳥カメラマンが帰りはじめていた、聞くと「今日はだめだ」と・・・見ると遠くの地面で同じ様にごそごそと動いてばかりだった。確かにこれでは絵にならない。全ての鳥カメラがいなくなってからもベンチに座り見ていた。この鳥、何を思ったか突然、金切り声をあげたかと思うと僕が座っていたベンチの隣の木にやってきた。しばらくするとどの鳥もする様に一日のおわりの羽の掃除、羽が整うと枝に止まりじっとしている。ちなみにこの鳥は、キツツキの仲間である。木はつつかないけど地面はつつく。時おり、クチバシの間から驚く程長いムチのような舌を出す、クチバシの長さの3〜4倍はありそうだ。この長い舌をアリの巣穴に入れてアリをからめとり食べる。アリを吸い取る様に食べるので「アリスイ」の名がついた。哺乳類のアリクイと同じである。同じ食べ物だから、体の作りも似てくる。体の体形や紋様まで似てくるという興味深いことに気付く。写真を諦めかけていたところに曇り空に少し陽がさし、数枚の写真をゆっくりと撮らせてくれた。上空を見たかと思うと再び金切り声をあげ、葉の茂ったカシの木に移る。ここで夜を向かえるのか? ありがとう。Photo:2016/03/10 @奈良市 

2016年3月2日水曜日

第八百二十三夜/テッポウユリとホオジロ

 テッポウユリ?(シンテッポウユリ Lilium x formolongo)の種が散ったあとの草地で休むホオジロのペア(Emberiza cioides  英:Meadow Bunting)。夕暮れまでにまだ少しある、草の種を食べながら周囲を気にして休むことの繰り返し。近くにはハイタカが舞っていた。Photo:2016/03/02 @野洲川、守山市、滋賀県

2016年3月1日火曜日

第八百二十二夜/ハチジョウツグミ

 ハチジョウツグミ(Turdus naumanni naumanni  ツグミ亜種)が現れた。ゲートボール場広場とその林縁がお気に入りの様。昨夜の降雪が寒かったのか、陽光にまどろむ。時々、シロハラに追われるが共存しているようだ。シロハラとツグミ、体格的には同じだがいつもシロハラの方が強いみたい。Photo:2016/03/01 @京都御苑、京都市

2016年2月29日月曜日

第八百二十一夜/イソヒヨドリ

 電車を待っているとどこからか見られている気配。ホームから少し離れた壁上にイソヒヨドリ(Monticola solitarius  英:Blue Rock Thrush )の女子の姿があった。コンクリート壁、どこかの西洋建築の看板、そして奥に民家,,,不思議な風景だが、彼らにとってコンクリートの塊は海岸の岩場にも近い環境なのだろうか。ヒヨドリに似ていることからこの和名がついているが、分類上はヒヨドリ科ではなくヒタキ科でまったく別の鳥である。Photo:2016/02/28 @山科駅、京都市

2016年2月21日日曜日

第八百二十夜/シロマダラ

 本日は、木津川市の里山で子ども達の自然観察に同行。道路上で死んで間もないシロマダラ(Dinodon orientale 英:Oriental odd-tooth snake 無毒)を見つける。頭部のみが潰されていたので車に轢かれたと言うよりも、人にマムシの幼蛇と思われた上での事故かもしれない。夜行性の蛇なのでめったに出会うことはないけれど、生息していたことを知る。Photo:2016/02/21  @鹿背山、木津川市、京都府

2016年2月19日金曜日

第八百十九夜/ホシハジロ

 ホシハジロ(Aythya ferina 英:Common pochard)。フィールドではよく見るものの写真が全然ないのに気付き、撮ろうとするが、なかなかこんな時はうまく行かない。驚くほど虹彩が赤い。Photo:2016/02/18 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年2月18日木曜日

第八百十八夜/ベニマシコ

 葭原のヨシ刈りも最盛期となった。今日は、ベニマシコ(Uragus sibiricus 英:Long-tailed Rosefinch)の数羽がヨシの茎を砕き中の綿毛のようなものを食べていた。オオジュリンがする様に食べているのは中にいる虫かもしれない。美しくかわいい姿で「フィッフィッ・・」と微かに聞こえる声で鳴き交わしていた。Photo:2016/02/28 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年2月9日火曜日

第八百十七夜/アイガモの春

 カモ類の北帰行も間近になってきた。今日は、アイガモ(マガモ×カルガモの交雑個体)のペアが交尾。下はカルガモの特徴を備えたメス、体色はカルガモだがクチバシに交雑個体の特徴があった。一方、上のオスは一見、マガモのようだが本来の特徴である頭のグリーンがブルーに近いので、こちらも交雑個体のようだ。Photo:2016/02/09 @鴨川、出町、京都市

2016年2月8日月曜日

第八百十六夜/川岸で休むオナガガモ

 川岸で休むオナガガモ(Anas acuta 英:Northern Pintail)のペア2組。一様にクチバシを翼に挟み込む様にして就寝中。脚を水底につけているので風が吹いても流されはしない。また誰かが目を開けて周囲を見ているので敵が近づこうとも問題無し。奥のペアは目をつぶり、手前右のメスが周囲を見ていた。誰とも無く順番にしているようで面白いユ繁殖地はシベリアだが、そのふるさとへの北帰行も間近。Photo:2016/02/09 @鴨川、京都市

2016年2月6日土曜日

第八百十五夜/休息するトビ

 滋賀県近江八幡の西の湖では、はやくも一部でヨシ焼きが始まった。例年よりも一ヶ月早いので、来年に良いヨシを育てるために実施したと思う。近くのヤナギの木にトビ(Milvus migrans 英:Black Kite)が休んでいる。一日のおわりの休息か、それともヨシ焼きの終わった場所で火で逃げ場を失い命を落とした獲物をと考えているのか・・・・。
Photo:2016/02/06 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2016年2月5日金曜日

第八百十四夜/カワラヒワ

 お寺の境内の大きなイチョウの頂きに止まるカワラヒワ(Carduelis sinica 英:Oriental Greenfinch)の小さな群れ。鳥たちはこの場所がよほど好きらしく、イカル、ヒヨドリ、ツグミ、キジバト、カワラヒワと代わる代わるやって来て、少しの間休み再び飛び去って行った。あの頂からはどんな風景が見えるんだろう。
Photo:2016/02/04 @西教寺、大津市、滋賀県

2016年2月4日木曜日

第八百十三夜/アカウソ

 サクラの梢から「フィーフィフィー」と口笛にも似た鳴き声が聞こえて来た。頭の上を見ると一羽のウソが膨らみつつあるサクラの花芽を食べていた。ウソにしては少し体色が違う・・・首から胸、腹部にかけてきれいな紅色に染まっている。亜種アカウソ♂(Pyrrhula pyrrhula rosacea 英:Bullfinch)のようである、まれな冬鳥として九州以北に渡来すると書かれている。
Photo:2016/02/04 @西教寺、大津市、滋賀県

2016年2月2日火曜日

第八百十二夜/トラツグミ

 カシ類の茂る暗い林床でミミズを獲っていたトラツグミ(Zoothera dauma 英:Scaly Thrush)。地面にいるとその体色で見つけにくいのだが、たいていの場合逃げる寸前でその存在に気付く。他のツグミ類よりも人への警戒心は強くないようで、たいていの場合はそう遠くに逃げずに近くの枝に飛び上がるので観察しやすい。あまり居場所を変えないので、居場所さえ判ればまたゆっくり観察できる。Photo:2016/02/02 @京都御苑、京都市

2016年2月1日月曜日

第八百十一夜/ハクセキレイ

 セキレイ独特の胸を張って、足を高く上げ、リズムよく歩くハクセキレイ(Motacilla alba  英:White Wagtail )。お天気のした気持ちよく歩いているのか、それとも「ワタシ・キレイデショ」って振る舞っている様に見えてしまう。Photo:2016/02/01 @鴨川、京都市

2016年1月30日土曜日

第八百十夜/カワアイサ・羽色の意味

 鳥たちは種によってそれぞれ違った羽の紋様・色を身にまとっているが、それぞれの生活に適した、意味のある物だと思っている。岸辺から見るとお腹の白色が目立つカワアイサ(Mergus merganserだが、魚を食べるこのカモにとって水中からの見た時に魚から存在が目立たない色だろうし、上空から狙う捕食者に対しては頭から背中にかけての黒色と脇の白色は水面の反射にも似た色だと思う。実際に岸辺から見た時に水の色と水面の波の反射で時おり見失うほどだから。写真=カワアイサ♂ Photo:2016/01/30 @鴨川、京都市

2016年1月28日木曜日

第八百九夜/ルリビタキの憂鬱

 ソウシチョウは今日も同じ場所に滞在している。しかしその場所は、ルリビタキ(Tarsiger cyanurusの♂の縄張りでもある。時おり近くに現れては、存在を主張するも相手は多数なので傍観しているようでもある。大きさも、好きな環境も、そしておそらく餌も似ているので、競合する種となるのだろう。その意味では、ソウシチョウ(特定外来生物指定種)の存在は在来種であるルリビタキの脅威となることは間違いなさそうだ。Photo:2016/01/27 @京都御苑。京都市

2016年1月27日水曜日

第八百八夜/ソウシチョウ

 カゴ抜けペットのソウシチョウ(Leiothrix lutea ヒマラヤから中国原産)が京都御苑にも現れた。この寒波を避ける様に大文字山か吉田山から渡って来たのかもしれない。20羽以上の小群で、灌木の中から地面におりて木の種をついばんでいた。尾羽を地面に押し付ける様にして、足の指で種を挟みクチバシで割っている。まるでシジュウカラが両足の間に木の種を挟み、クチバシで割る行動に似ているが、こちらは片足でつかんでいる。そのためだろうか、尾羽を地面に押し付けるのは体を安定させているように見える。Photo:2016/01/26 @京都御苑、京都市

2016年1月26日火曜日

第八百七夜/陽光に暖まるビンズイ

昨日までの寒さがようやく和らいできた。林縁で陽光に暖まるビンズイ(Anthus hodgsoniがいた。目立たぬよう、草の間でじっとしていた。Photo:2016/01/26 @京都御苑、京都市