2012年8月29日水曜日

第三百九十九夜/黒いヒカゲチョウ

 ヒカゲチョウの仲間って、セセリチョウと同様に蝶と言うよりも蛾的な扱いを一般的に受けているかもしれない。確かに色彩的は、けっして華やかな感じではない。また人目につく花なんかにはあまりこない。むしろ日陰者と言った風情である。でも見れば見る程味わい深い紋様を持っている魅力的な蝶である。写真のクロヒカゲ(Lethe dianaも同様で、翅の表なんか黒褐色で、紋様も光沢もない黒っぽい地味なチョウ、またチョウには珍しく暗いところが好きで、日陰の地面にとまっていることや暗い林内を飛んでいることが多い。そんな地味なクロヒカゲの裏翅(後翅)にある目玉紋様の縁取りは見る角度によって深いブルーから紫色の不思議な光を放つ。クロヒカゲに近い種のヒカゲチョウ(Lethe sicelis)は、第三百七十二夜(2012年7月22日)をご覧下さい。Photo:2012/08/24 @神戸市立森林植物園、神戸市

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