2010年5月31日月曜日

第二百十夜/緑色の美蛾


 珈琲ブレイク・・・お茶を飲みながら、ふと目に入ってきた一匹の蛾。この蛾、カギバアオシャクという。なんてきれいなんだろう体も翅もきれいな緑色に包まれている。一枚の小葉が大きな葉に引っかかってしまったごとく。大きさは翅を広げると6cm少し、止まっている葉はカシワバアジサイ。自分の体色から止まる葉を選んでいるとしか思えない、色どころか葉っぱの表面の半光沢まで似ている。幼虫の食樹はブナ科コナラ属:コナラ、クヌギ、カシ類。去年、庭のコナラの葉をさんざん食べたのはこいつだったんだろうか?この姿を見たら許せるか。名前の「シャク」とは「シャクガ」の意味、そして尺取り虫(幼虫)の「シャク」。Photo:2010/05/31 @岡崎、京都市

2010年5月30日日曜日

第二百九夜/子スズメ

 裏道を歩いていると子スズメに出会った。くちばしの両端(口元)がまだ黄色く、親スズメから餌をもらっている、巣立ち後まだ間もないはず。こちらをほとんど怖がらない。かわいくってしかたがない。もちろん記念に一枚。写真を撮っていると近くにいた親スズメが「チッチッチッチッ」と激しく鳴く。これは子スズメに「気をつけなさいよ!」と言っている。これ以上近づくと親スズメは鳴きながら近くの木で行ったり来たり・・・この親の動きに反応して子スズメは飛び逃げるはず。静かにその場をあとにする。スズメだってちゃんと子スズメに何かを教えてるのだな。事故も無く成鳥になることを祈りさようなら。Photo:2010/05/30 @水口町、滋賀県

2010年5月27日木曜日

第二百八夜/時にはカメムシ

 今日は一日、仕事場にこもっていた・・・とは言え、休み時間に写真の整理。こんな時こそ忘れていた虫に出会う。カメムシの写真(ホソハリカメムシ)を眺め、やっぱり面白い生き物だと思う。面白さはその造形かな? 動きも面白い、顔の表情もなかなか豊か、でも一般的には嫌われ者のようだ。その理由は独特の臭いだろうがどうも不当評価な気がする。カメムシはセミの仲間、ストロー状の口を草木の茎や果実に差し込んで汁を吸うのだ。なかには肉食性の種類もいる。Photo:2010/05/18 @京都御苑、京都市

2010年5月26日水曜日

第二百七夜/縄張りを見張るテングチョウ

 天狗茸、天狗鯛、天狗猿、天狗コウモリ、天狗ベニボタル・・・天狗と名がついた生き物は結構多い。写真はテングチョウ、やっぱり顔の先が長い鼻のようにのびている。雨の晴れ間に樹の梢で日光浴をしていた。テリトリー(縄張り)を持ち、近くに別の個体や蝶がやってくると激しく追い払う。この個体は冬を越しているため翅の鱗粉もずいぶんとれてしまったようだ。エノキの葉をよく探せば、すでに大きくなった幼虫の姿も見られる。(第七十夜テングチョウもご覧ください)Photo:2010/05/25 @京都御苑

2010年5月25日火曜日

第二百六夜/枯れ枝か?

 雑木林で一本の枯れ枝をまたごうとして・・・足が止まった。「んっ?」枯れ枝にしては違和感がある。よく見ると蛇の死体である。一夜干しといった感じだが、においはない、90cmぐらいの長さ、頭部は無く引きちぎられたように骨が露出していた。皮膚にはかすかだが縞模様が見える、シマヘビだろう。野良猫に襲われたのかもしれない。もう少し開けた場所ならカラスかトビのごちそうになっていたはず。今はこの手のものを食べる甲虫類も活発になってきたので一週間もするとすっかりなくなってしまうかな。この蛇の一夜干し、これ以上あっちに行ってはいけないとでもいうサインの様でもあった。きっとまたいではいけないのだろう。こんな時は引き返すに超したことは無い。Photo:2010/05/25 @京都御苑

2010年5月23日日曜日

第二百五夜/クロアゲハの羽化

 昨年、クリスマスの頃にやっと蛹化(ようか)したクロアゲハ(♂)の羽化が見れた。いつかいつかと首を長くして待っていた瞬間は突然おこって、あっという間に終わってしまった。蛹の表面に現れる体色の変化を見ながら、あと1時間、あと何分・・?なんて思いながら見ていたのだった。羽化してさらに1時間、蛹がついていた枝先にぶら下がっていたチョウの翅は完全に伸びいつでも飛び立てる状態。今度は飛ぶ瞬間を待っていた・・・が残念、目を離した数秒の出来事、蝶はすでに飛び去ってしまった。こんな時は、まばたきもしてはいけない、食事もだめだ、ましてやトイレになんかもってのほかである。写真を撮る時は息も止めなければいけない。だから終わったあとは肩でぜいぜいと息をしてしまう。今回は油断してしまった。蛹から蝶への変化、子どもの頃からなんども見てきたが、いつ見ても不思議だ。Photo:2010/05/22 @京都市

2010年5月22日土曜日

第二百四夜/モリアオガエルの産卵

 京都御苑のトンボ池一般公開が2日間行われた。ラッキーにもモリアオガエルの産卵シーンが見れた、水面から45cm程度のキショウブの葉間に♀1(写真右)、♂3が見える。何時頃から始まったのかは判らないが、約1時間観察することができた。シャンプーの泡のような中にたくさんの卵が入っているはず。泡は膀胱にためた水を後ろ脚で泡立てたもの。Photo:2010/05/21 @京都御苑トンボ池

2010年5月21日金曜日

第二百三夜/ウシガエル

 植物園の池から大きないびきが・・・・振り向くと「私は誰でしょう?」と言わんばかりのかわいい顔が見えた。それにしても睡蓮の葉っぱに似ているな〜。Photo:2010/05/21 @京都府立植物園

2010年5月19日水曜日

第二百二夜/春のナミアゲハ

 キショウブにアゲハチョウ(ナミアゲハ♂)似合わないな〜と思う(蜜を吸っている訳ではない)。自分より一回りも大きな、時折やってくるモンキアゲハをしきりに追いかけている。テリトリーから追い出すというよりも、モンキアゲハの後翅の紋と翅縁の白と黒の模様に異常に反応している感じ。Photo:2010/05/18 @京都御苑、京都市

2010年5月18日火曜日

第二百一夜/モリアオガエルの季節

 今年もやってきたカエルの季節。池ではモリアオガエルの鳴き声でにぎやか。声をたよりに探すとモリアオガエルが首まで水につかっていた。まるで温泉にでもつかっているような幸せな表情。Photo:2010/05/18 @京都市

2010年5月17日月曜日

第二百夜/森を見て生きものを想像する

 今夜は生きもの単体の話ではなく生きものが住まう森の話。GW〜今頃の季節、森を眺めるとそれぞれの木々の新緑がモザイク状になってとても美しい。この頃の森の有り様をちゃんと見ておけば、だいだいそこに住まう生きもの種類や場所が想像できる。もうしばらくすると緑が濃くなりそれぞれの樹木が同化してしまう。昨年はこの森でアオバズクの食べ残したカブトムシの死骸を沢山見つけた。そこはちょうど左中央の竹林、営巣地はその上にあるスダジイ林の辺りかもしれない。Photo:2010/05/16 @図書館駐車場より八幡山を見る、近江八幡市

2010年5月12日水曜日

第百九十九夜/ヒメウラナミジャノメ

 小雨の草地に現れたのはヒメウラナミジャノメだった。なぜか小雨まじりの天気によく似合うチョウだ。蛇の目傘の「◉(じゃのめ)」からの連想なんだろうか? Photo:2010/05/11 @京都御苑、京都市

2010年5月9日日曜日

第百九十八夜/ベニカミキリ

 家の庭のナミアゲハとナガサキアゲハの蛹が先日来の気温の陽気で知らぬ間に羽化して空っぽに、残念! そこに現れたのが写真のベニカミキリ(とまっている葉はアメリカイワナンテン)。幼虫は竹類を食べて成 長する。この個体は触覚が短いから♀。♂の触覚は体長の1.5倍ほどありもっと長い。これからの季節、生き物が一度に目の前に現れると嬉しいことだが撮影に忙しい、またいろいろと考えてしまう。一日に一匹ぐらいが身の程というものだろう。Photo:2010/05/09 @岡崎、京都市

第百九十七夜/ツキノワグマの足跡

 GWは、恒例の「善光寺花回廊」のイベントで長野行き。今回は11日泊の滞在。仕事も一段落、一日だけ里山歩きを楽しんだ。きれいな谷戸があったので散歩。途中、水田にクマの足跡を見つける。よく見ると肉球のへこみと爪がドロをかいた跡からそう時間が経っていないことが判る。ひょっとするとまだ近くでこちらの様子を伺っていたかもしれない。僕は生き物の写真を撮るのでかなり静かに歩く癖がついている。さてばったりと出会ったらどうしようかと思いつつも足跡を探しつつ歩く、でもこんな時は結構、敏感だから安全(だと思っている)。実際に歩いている途中、ときどき獣のにおいをかすかにだが感じた。翌日、山菜採りの人が熊に襲われたニュースがあった。山菜採りの人が襲われるのは、行動が静かな上に足元しか見ていないからだろうか。Photo:2010/05/02 @田沢、長野