2010年7月25日日曜日

第二百二十六夜/アブラゼミの羽化

 今年は少ないと思っていたアブラゼミもすっかり羽化のシーズンを迎えた。今夜もバスを待っている間にそばにある交番の柱に羽化ゼミを見つける。終バスが来るが早いか、セミの翅が伸びるのが早いか・・・少々焦ったが無事見届けた。真っ白の体と翅には不自然なほどの黒い目(複眼)が目立つ。トンボもチョウも、同じように羽化直後なのに目は完全に仕上がっている。つまり羽化の場所を見つけたり、羽化後の危険をいち早く見つけるために体は不完全ながらも目だけは完全に機能している。今夜のセミは無事に成虫になれそうだ。Photo:2010/07/25 @烏丸丸太町、京都市

2010年7月19日月曜日

第二百二十五夜/夏の夜の始まり・セミの羽化

 外出の折り、バス停横の地面にアブラゼミの幼虫がひっくり返って手足をばたばたとしている。近くの植え込みから這い出てきたものの何かの拍子にひっくり返り、硬い舗装面では上手く歩けず、かといって上る場所も無い。蝉の幼虫のこのような場面はなんども見る。どうも彼らは硬い地面では体のバランスが悪くひっくり返りやすいようだ。地面から拾い上げ近くの木の根元に放す。上手く羽化するかなとバスに。さて、帰り道では羽化のシーンに出くわす。もちろん同じセミではない。これまたおかしな状況。石の溝の端での羽化。近くの植え込みの地面から下の溝に落ちてしまったようで、かろうじて這い上がり羽化まで行き着けた。しかしそこには運悪く蟻が沢山いたようで、青白い羽化したての体に蟻がつきまとう。時折、蟻を振り払おうとするように体を振っている。なんともかわいそうだが体や翅が硬化して飛び立つまでには至らなそうである。Photo:2010/07/18 @京都御苑

2010年7月17日土曜日

第二百二十四夜/カヤネズミの巣

 近江八幡にて来週行われる小学校のキャンプ準備で草刈り。背丈ほどの草地を刈り広げていたらススキの株の中程に大人のコブシ大のカヤネズミの巣を発見。ススキの葉を裂いて織り込んでいる。生きた葉を裂いて、生きた葉にからめているのでこのままでも茶色に枯れることはなさそうだ。巣はほぼ完成している様子、ひょっとすると中に赤ちゃんネズミが入っていることもあるから内部を見るのはよした。すっかりあらわになってしまったのでこのままでは子育て環境にたえないと思う。親ネズミには申し訳ない。来週のキャンプで子どもたちに見てもらおうとそこで作業をストップ。小学校のキャンプでは「森と水」の話を予定、どこかでネズミを登場させよう。Photo:2010/07/17 @近江八幡市北之庄

2010年7月15日木曜日

第二百二十三夜/ショウジョウトンボ

 今日の強雨と雷のあとの夕空はすごかった・・・空も、近くの森も、建物もまっかに染め抜いた。かといって夕日が出ていた訳ではない。分厚い雲がその裏にある太陽の光を拡散したのか。少し前に出会ったショウジョウトンボの赤を思い出した。このトンボは、一般の赤とんぼと呼ばれる「アカネ科」ではない、日本ではこの仲間はただ1種のみ。アカネ科に見られるような胸の模様はなくほとんど無地。しかも複眼から尾っぽの先まで真っ赤っかで目立つ。まず他の種類と見間違うことは無い。このトンボの真っ赤な複眼で見た景色は、きっと今日の夕空のように真っ赤に違いない。Photo:2010/06/29 @京都府立植物園

2010年7月13日火曜日

第二百二十二夜/トリバガ

 芥子粒のような、ゴミのような、ホコリのような虫がいる。この手の虫にはあまり近寄らない方がいい。なぜなら何の仲間か判らない・・・調べても「なんとかの仲間」ぐらいにしか判らない。この分野に足を踏み入れると抜け出せなくなるから。今日、見つけた蛾もこの手に近い。これはトリバガの仲間、翅を広げてもせいぜい1cmぐらい。写真を拡大すると体から脚から細かな刺のような突起物が出ている。色は地味だが、体の作りは面白い。もう少し大きければかっこいいのにな・・と思う。Photo:2010/07/13@京都御苑

2010年7月9日金曜日

第二百二十一夜/オニヤンマの羽化

 雨の中、灌木の枝下にオニヤンマを見つける。羽化したばかりだろう、近くには脱け殻のヤゴがあった。複眼はまだオニヤンマ特有のきれいな翠色にはなっていない。羽もたよりなさそうだ。近くには他の脱け殻もあった。灌木のすぐ下は幅20cmほどの砂地の細流。この大きなトンボの幼虫(ヤゴ)が暮らすには思いもかけないほどの場所。雨が止んで、林縁を元気に飛ぶ姿を想像するとドキドキしてしまう、それはそれは本当に美しいから。Photo:2010/07/03 @栗東、滋賀県

2010年7月8日木曜日

第二百二十夜/森に卵?

 植物研究家のKさんにキノコの名前を教わった・・・ほとんど忘れそうな名ばかりだが、これだけは忘れないだろう。その名も「タマゴタケ」(正式にはチャタマゴタケ)、大きくなった物をみると名前の由来が判らないが、幼菌(キノコの子ども時代のようなもの)をみると納得。大きさも鶏卵大。白い卵状の幼菌から、黄色の物体(これが笠になる)が現れた様はまさに卵、それも「ゆで卵」(写真上)。これが大きくなると今度は、目玉焼きになる(写真下)。写真のチャタマゴタケは黄色タイプ、通常のタイプは茶色で、ゆで卵状態の時は中国食材の「ピータン」のような感じ。キノコもなかなか面白い。Photo:2010/07/06 @京都御苑

2010年7月6日火曜日

第二百十九夜/我輩はブンゴツボマツタケである

 我輩は新種のキノコである。和名はまだ無い、もちろん学名も無い。名前がないのも困るので世間では、仮に「豊後壷松茸(ブンゴツボマツタケ)」と呼び始めたらしい。我輩は第一例として2005年7月に大分県佐伯市、その後第二例、第三例が京都御苑で見つかった。ちなみに第二例は種の同定のために大分県に送られた。その第四例目が今日見つかった。最初の一個を除いては、国内では京都御苑以外に見つかっていない。自分でも判らないのだが、アラカシか他のきのこに寄生すると言われている。色も香りもマツタケに似ているが、味は判らない、安全かどうかも判らない。なぜならあまりに少なくてだれも試食してくれないからである。Photo:2010/07/06 @京都御苑、京都市