2010年1月19日火曜日

第百八十五夜/モズ(百舌)

 町中ではなじみが薄いが、田舎や里山では代表格の野鳥.スズメを一回り大きくしたサイズで、体はがっちり、頭は少々大きめ、タカの様にするどく曲がったくちばしが特徴.憎たらしい顔つきながらもなかなかかわいい.じっとしている時も尾羽はリズミカルに上下左右に動いている.低い枝で周りを見渡しては、時折地面に降りてもとの枝に止まる.顔つきからもかいま見ることができるが、なかなか気が強く、昆虫、トカゲ、小さな蛇、小魚(どうやって穫るのか判らないが)、大物では小さな小鳥まで襲ってしまう.小鳥を襲う時は、相手の鳴きまねをして近くに止まり、相手が油断しているスキを狙って体全体で押さえ込んでしまう.鳴きまねが上手なことから漢字では、「百舌」と書いてモズと読む.体つきとこの性格から昔はタカの仲間にされていたと言う.Photo:モズ♀ 2010/01/19 @京都御苑、京都市

2010年1月16日土曜日

第百八十四夜/マミチャジナイ

 マミチャジナイ・・・おまじないみたいな名前の野鳥。「マミ」=眉、「チャ」=茶、「シナイ」=ツグミの古称。つまり「眉茶鶫」=「眉のある、茶色い、鶫(つぐみ)」ということになる。これだとなんとなく判る。この鳥は、シベリアから越冬のためにアジア地域に渡る途中で日本に立ち寄る「旅鳥」。西日本では少数が越冬するという。地面におりて昆虫類やミミズなどを捕食している。同じ仲間にシロハラ、アカハラ、ツグミ、マミジロ・・・なんてのがいるが知らなければこれらもおおよそ鳥の名前と思わない。Photo:2010/01/05 @京都御苑、京都市

2010年1月12日火曜日

第百八十三夜/ウラギンシジミの越冬


 昆虫は冬の間、いろいろな状態で越冬する。卵であったり、幼虫であったり、蛹(さなぎ)であったり、その種によって違う。成虫で越冬する昆虫もいる。成虫だからといって見つけやすいかというと、これが見つからない。むしろ、卵や幼虫や蛹の方が見つけやすい。食べている木や草の辺りを探せばいいから。写真のウラギンシジミというチョウは成虫で越冬する。今までその越冬成虫には出会ったことがなかった。二日前だった、これが思いも寄らない場所で見つけた・・・日当たり悪く(一日中日陰)、風も防げないようなシダの葉にぶら下がっている。飛んでいるうちに寒くなったのでそのまま越冬してしまった・・・という感じである。僕たち人間にとって冬越しというと暖かな南面を選びたくなるが、昆虫の世界ではそうでもないらしい。彼らにとって南側だと暖かいが、気温の変化が激しく(暖かくなると動いてしまう)、乾燥が避けられない。それよりも気温の変化が少なく、すこし湿った場所がいい。彼らにとって気温よりも湿度が大切なようである。Photo:ウラギンシジミ♂、2010/01/10 @吉田山、京都市

2010年1月11日月曜日

第百八十二夜/鴨川に現れたヌートリア


 昨年6月、鴨川で巨大ネズミ・ヌートリア(*1)を見かけた。その時は橋の上からで泳ぎ去る姿でおわった。今日は、まじかに見ることができた(胴長45cm、尾長30cmぐらい)。川の中洲の巣穴(3箇所ぐらい確認)から出てきたばかりのようで、軽く泳いだ後しきりに毛づくろをしている(写真上)。毛づくろいが終わるとお尻をたかだかと上げて・・・なんとおしっこだった(写真下)。写真を撮っていると後ろで、巨大ネズミに気づいた人がネコだ!、ビーバー?、カピパラがいる!・・・さまざまな声が聞こえていた。さすがに犬とはいわない、でも大きさは犬ほどもある。さてこのヌートリア、琵琶湖から宇治川・桂川経由でやって来たのか。淀川をさかのぼって来たのか。はたして一頭なのか。興味は尽きないのだ。
*1:原産地:南アメリカの中・南部(チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ブラジル南部)。日本には1907年に上野動物園に初めて輸入された。その後、1939年(昭和14年)に軍用の毛皮獣として150頭が輸入された。第二次世界大戦中は、防寒用の毛皮を採り、肉は食用とするために多数飼育されたが、第二次世界大戦が終わると需要がなくなり、放逐されたり屠殺されたりした。生き残ったものが野生化し、各地で帰化した。毛皮はカワウソのように上質で、カワウソの毛皮と称して売買されたため、カワウソのスペイン語<ヌートリア>がまちがってこの動物の呼び名になったという。Photo:2010/01/11 @鴨川、二条大橋、京都市

2010年1月7日木曜日

第百八十一夜/ドングリを食べる鳩・アオバト

 今の季節、鳥達にとって餌を採るのにきびしい季節となる。あるものは木々の枝に残る実を食べ、またあるものは木々の間に隠れる昆虫を、落ち葉の下の土中にミミズを探す。そのような中でアラカシは毎年たくさんのどんぐりを実らせる。アラカシの木下に行けばいくらでもドングリが食べられる。しかし、なにぶん堅いので食べにくい、しかも渋味が強いので味も良くないと思う。そんなドングリを好んで食べる鳥がいる。ドバトのように明るい場所には姿を現さない森に住むアオバトである。写真のアオバトはドングリをそのまま呑み込んでいた。時々、ついばむが呑み込まずに捨てる・・・いまのドングリはゾウムシの仲間の幼虫が抜け出た孔があいているものが多い、そんな不良の実は食べないのかもしれない。たくさん落ちているものから選んで2個3個・・・5個見る見る間に胸の辺りがどんどんふくらむのが判る。ドングリを割らずにそのまま呑み込む、あの堅い実を消化できるなんてすごいなと思う。写真の個体は♀、♂は肩から背にかけて赤褐色の羽色となる。Photo:2010/01/06 @京都御苑、京都市

2010年1月6日水曜日

第百八十夜/冬のツバメ

 毎週火曜日に行っている生きものの定点調査の帰り道、前方に大型のツバメを発見。寒風がふく川の上を飛び交い空中の昆虫を食べているようだった。たえず3羽で川の上流から下流へ、低所から高所まで高速で飛び交っている。アマツバメの仲間であることは判るが、それにしてもこの時期に現れる種を知らない。Photo:2010/01/05 @鴨川・丸太町通り、京都市