2017年12月10日日曜日

第八百七十四夜/コハクチョウの距離感

 滋賀県湖北の山本山にオオワシを見に行く。オオワシが越冬のために山本山にやってくるのは今年で20年目と言う。相変わらず多くのカメラマンで賑わっていたが、当のオオワシは朝から動く事無く、多くのギャラリーは今か今かと飛ぶ瞬間を待っている。オオワシとギャラリーのすぐ横では、120羽を越すコハクチョウたちが水田で草の根を掘り起こし食事に忙しい。オオワシも飛ばず、コハクチョウも飛ばず、おそらくしびれを切らしたのだろう、一人の男性が車道からあぜ道に3メートルほど立ち入りコハクチョウを撮影し始めた。遠くから様子を伺っていると、彼はコハクチョウ摂餌シーンを撮っているのでなく彼らが飛び立つシーンを狙っている事に気付いた。ひょっとすると飛び立たせようと近づいているのかも知れない。コハクチョウ達は彼の存在警戒して、首をあげて摂餌をやめてしまったそして歩いて少しずつ遠ざかるコハクチョウ達、男性はなおもあぜ道から見ている。僕は我慢できずに「ハクチョウ達はあなたのことを警戒して食事をしません。あぜ道に入らず車道から観察てやってください。」とお願いする。不承不承、男性はあぜ道から車道に戻るが、なおもハクチョウの飛び立ちを撮影したいようだ。しかし警戒心を一度感じたハクチョウ達は男性の存在をいやがる様に歩いて遠ざかってしまった、中には飛び立ち移動してしまった個体もいる。車道から見ている分には、10mも離れない所で餌を摂るハクチョウ達彼らが警戒をする距離感と対象物がはっきりとあることを知った。Photo:2017/12/10 @山本山、滋賀県