2012年12月24日月曜日

第四百三十二夜 X'MAS と ヨーロッパコマドリ

 イギリスの小鳥達は、どうしてここまで人を恐れないのだろうと思う。写真のヨーロッパコマドリ(学名:Erithacus rubecula、英名:European Robin, Robin)は、レンズの先端からわずか30cmほどの至近距離。別に餌付けをされている個体でもなく、写真を撮るために餌で釣っている訳でもいない。枝に止まっている個体に静かに近づいただけである(もちろんいくらかのコツはあるが)。イギリスはバードウォッチャーの国で、誰もが野鳥が大好きなので度々餌を与えることはあるだろうが、それほど頻繁にと言う訳でもなさそうだ。日本との大きな違いは、鳥がいるからと言って人が集まらないこと(基本的にはほっておく)、イヌも大変な躾がされているので鳥も追わない(時々、遊びたいのだろうリスは追っかけているが)。長いレンズをずらりと並べることもないようだ。これらが逃げない訳とは思わないが、お国柄と言えば、それが鳥のお国柄なのだろうか。日本は農耕民族だから絶えず作物を鳥から守る(鳥を追う)行為をしてきた、そのことが鳥の遺伝子に入っていると何かで読んだ。なんとなくうなずいてしまうのである。
  ちなみにこのヨーロッパコマドリは、イギリス人が大好きな野鳥の一つである、ロンドン・タイムズが1960年代初めに行った人気投票でも一位、政府などから正式に制定されてはいないが一般に国鳥とされている。ちょうど今の季節、クリスマスには西洋ヒイラギ(ホーリー)の赤い実にコマドリの絵柄がなからず現れる。Photo:2012/12/16 @エディンバラ、イギリス