2010年2月26日金曜日

第百九十夜/動き出した虫たち

 2月だというのに信じられないほどの陽気。さすがの昆虫たちも動き出した。ギシギシの葉には沢山の深い瑠璃色をしたハムシ(コガタルリハムシ)がついている。すでのお腹が卵でぱんぱんにふくらんだ♀の個体もいる。この虫、寒い中でも行動できるのは、体の黒さがより体を暖めることになるのだろうか? 暖かいことはいいことだが、なんだか心配になる。やっぱり冬は冬らしく寒い日々が続く方がいいだろう。Photo:2010/02/23 @京都御苑、京都市

2010年2月13日土曜日

第百八十九夜/雀の顔描けますか?

 鳥の話をする時に「スズメの横顔の模様」描けますかって聞くことがある。身近にいる鳥は意外に見ているようで見ていない。だから本当は人に聞けたことではない、自分だって満足に描けないのである。では正面から見たらどうだ・・・これがなかなか見れないのだ。そこで観察。スズメを正面からみるとこんなお顔だった。茶色の帽子を目の下まで深々とかぶり、両のほほに大きな模様、のどには黒いネクタイ。ほおの黒い模様は何の為にあるんだろう? 正面から見るととても目立つ、スズメ同士だったらこの模様一つで相手がどこの誰それと判るのかもしれない。Photo:2010/02/09 @京都御苑、京都市

2010年2月12日金曜日

第百八十八夜/カワウ

 京都御苑の南西に九条池がある。夏場は鯉と亀で賑やかだが冬場はひっそりとして、マガモが数羽漂っているだけ。そんな池に今日は、鵜(う)が一羽魚を狙ってしきりに潜水を繰り返している。飲み込める大きさの魚がいないのだろうか獲物はさっぱり。餌穫りをあきらめ、水に濡れきった体で重々しく水面を蹴り上げやっとのことで飛び上がる、池を一周しほとりに建っているお茶室の屋根に止まる。ぶるぶると体を振るい水を飛ばすと、羽をひろげ乾かし始めた。こうしないと鵜の仲間は飛ぶことが出来ない。羽に塗るための脂線(尾羽の付け根にある)が未発達で脂を羽に塗れない、泳ぐと羽毛が濡れ飛べなくなるからだ。棟瓦のシャチホコのとなりで翼を乾かしながら時折見せる背中をそらせたポーズが面白かった。さて、鵜と言えば人が鳥を使って魚を捕らえる漁法「鵜飼い」が有名だが、鵜飼いの鵜はこのカワウではなく、ウミウを使う(ただし一部の地域と中華人民共和国ではカワウ)。カワウは人になれにくいのが理由と言う。このカワウは体全体が茶色がかっていて、なんとなくしまりがなく顔もどこか幼い、これは若鳥。Photo:2010/02/09 @九条池、京都御苑、京都市

2010年2月9日火曜日

第百八十七夜/冬眠からさめたイシガメ

 今日は暖かな一日だった、なかには半袖のTシャツ姿も見られた。本来なら2月はまだ厳冬期のはず。数日前が雪日だったなんて想像もできない。僕たち人間は今日の暖かさを特別な一日に感じるのだが、生きものは数日の前の雪日と今日の春日を連続したものとして感じているのかもしれない。つまり数日毎の寒暖の変化に関わらず気温は確実に、しかも異常に上がりつつあるということを。京都御苑の九条池では、冬眠からさめた亀が数匹泳いでいた。いずれもイシガメ。夏場にはイシガメを見つけるのが難しいほどアカミミガメばかりなのに。在来種のイシガメのほうが気温に敏感なのだろうか、それとも低温でも活動できるのか。Photo:2010/02/09 @九条池、京都御苑、京都市

2010年2月6日土曜日

第百八十六夜/アオサギ

 小さな池のほとりにいたら、遠くからアオサギが舞い降りて来て旋回を始めた。池に降りると思っていたら、僕たち人間の存在に気づいて近くの木の梢に止まり、首をかしげ上からこちらを伺っていた。双眼鏡で様子を伺っていると、やはり水辺に降りたそうだ。しかし降りてこない、知らぬそぶりをしながら待つ。残念、結局あきらめたのか梢を飛び立ち、再び旋回をしてやって来た方角に飛び去った。このアオサギ、けっこう警戒心が強い。Photo:2010/02/02 @京都御苑、京都市