2010年6月30日水曜日

第二百十八夜/どこから来た? クサガメ


 植物園の北西にあるハーブ園エリアには、2つの池がある。一つは睡蓮池、もう一つは湿生植物池。睡蓮池にはウシガエルが沢山すんでいる。湿生植物池には数種類のトンボが生息する。そこに今年はクサガメがいた。今回初めて見つけた・・・それまでいたのか疑問。考えられることは来園者の放流。亀にとって楽園には違いなさそうだが、たった一匹なのは悩むところ。放流だとすれば無責任で勝手な行為、困ったものだ。Photo:2010/06/29 @京都府立植物園

2010年6月29日火曜日

第二百十七夜/キマダラセセリ

 梅雨の晴れ間、花壇の花(セージ)に来たのはキマダラセセリ。よほどセージの花蜜が気に入ったのか手で触れてもすぐに戻ってきた。小学生の頃、標本作り(展翅)の練習でずいぶんと犠牲にしてしまった。殺して三角紙(とった蝶をいれておくパラフィン紙でできた三角形の袋)に入れておくと硬化してしまう、しかも小さな翅。これを標本にすることはけっこうテクニックが必要だった。沢山の犠牲で僕の展翅技術は、格段にうまくなった。残念なことにそんなどこにでもいた蝶もあまり見なくなった。この蝶の幼虫が食べるイネ科植物(どこにでもあった言わば雑草)が生える草原が身近な場所からなくなってしまったためだろう。Photo:2010/06/29 @京都府立植物園

2010年6月23日水曜日

第二百十六夜/カノコガ

 蛾と聞くと一歩後ろにひく人が多いが、そこを我慢して一歩前に出て見ると結構きれいで面白いことがわかる。昼間飛ぶ種類も多い。この写真は、「カノコガ」という名の蛾。翅の模様の「鹿の子」から名が付けられている。鹿の子とは、鹿の子どもの背中の模様、茶色の毛に白く丸い模様。日本では確か4種類いるが、他の種類を見るとこの仲間が蜂に擬態していると思われる。黒い体にある黄色い帯が蜂の体色に似ている。特に横から見た感じは蜂に似た模様。飛び方は緩やかだから、およそ蜂には見えないが止まっている時には何らかの効果があるのかもしれない。Photo:2010/06/22 @京都御苑

2010年6月10日木曜日

第二百十五夜/クロスジギンヤンマの産卵

 やっと見つけたクロスジギンヤンマの産卵現場。普通のギンヤンマとは違って、比較的日陰の多い小さめの池に生息する。ギンヤンマは明るく大きな池が好きなので同じ仲間とうまく棲み分けている。♀は単独で植物組織内に卵を産みつける。Photo:2010/06/08  @京都御苑、京都市

2010年6月9日水曜日

第二百十四夜/合鴨の親子

 鴨川にかかる橋から川面を見下ろすとカルガモらしき親子が上流から泳いでやってきた。普通は子だくさんのカモなのに、連れているのはたったの一羽。子だくさんの意味するところ・・・大人になるまでに何かしらの原因で死んでしまうという訳、他の生きものに食べてしまう、急な増水で流されてしまうなどのアクシデント・・・。写真を良く見て気付いた、これはアヒル(アイガモ)だった。カルガモだとクチバシの先端がもっときれいにはっきりと黄色。関西ではマガモは主に冬鳥(北国で繁殖する)。それにしてもこのサイズのヒナだとまだまだ油断はできない。無事、成長することを願うばかりだ。Photo:2010/06/08 @鴨川、京都市

2010年6月5日土曜日

第二百十三夜/アオバズクの季節がやってきた

 今年もアオバズクの繁殖の季節がやってきた。今年始めて、自宅近くの平安神宮の鎮守の杜からアオバズクの鳴き声が聞こえてきた。これから毎晩聞こえてくるはず。今年も鎮守の杜で子育てをするんだろか。このアオバズクは、南の国々から青葉の季節に日本に渡ってきて繁殖をするフクロウの一種。写真は、クスノキの枝先で休息するアオバズクに警戒して騒いでいるムクドリ(右下の陰)とメジロ(右上角)、ヒヨドリも参加していた。小鳥達が十数羽、四方八方から取り囲み、どこかへ行けと騒いでいた。いずれの小鳥もアオバズクにとっておいしいご馳走なのだから、小鳥達も追い出すのに必死なのだ。Photo:2010/06/01 @京都御苑

2010年6月3日木曜日

第二百十二夜/モンキアゲハとアゲハチョウ

 モンキアゲハ(右)を執拗に追いかけるナミアゲハ(左)。写真がクリアでないが、注目すべきはモンキアゲハの前翅の先端から後ろに長くのびた白い糸状(30cmぐらい)のもの。多分これは「クモの巣」。モンキアゲハは、林縁の日陰を好んで飛ぶ。ナガサキアゲハを除いて黒いアゲハの仲間は、暗いところを飛んでいる。チョウにも飛ぶ道があってこれを「蝶道(ちょうどう)」と言う。モンキアゲハやクロアゲハの場合、林縁や林間に蝶道があり、こんな所にはクモの巣も多い。大型の蝶であれば多少のクモの巣にひっかかったとしても破ってしまうのだろう。こんな一枚の写真からでもモンキアゲハの蝶道の環境がかいま見れるという訳。Photo:2010/05/18 @京都御苑

2010年6月1日火曜日

第二百十一夜/イトトンボを正面から見る


 トンボの種類を調べるには、顔と胸部側面、腹部(しっぽの部分)の模様が手がかりとなる。だからトンボの写真を撮る時は、正面、側面、上面のカットをしっかりと押さえておく。一見、かわいいイトトンボも拡大してみるとご覧の通りの面構え、けっこう強面(こわもて)である。目前を通り過ぎる獲物を逃すまいと待っているようでもある。左右に張り出している目(複眼)は、獲物との距離を正確に測るのにいいのかもしれない。写真のイトトンボは「モノサシトンボ」、腹部に定規のような目盛りがうってあるからこんな名前がついた。モノサシトンボは2度目の登場。Photo:2010/06/01 @京都御苑