2009年4月23日木曜日

第七十四夜/エナガの巣

仕事の下見で滋賀県近江八幡市の八幡山(標高271.1m)に登る。下りの雑木林の中で同行のNさんがコンクリート製の休憩所の屋根の上に「羽の塊」を見つける。鳥の死骸か? なぜか運良く、傍らに錆びた脚立が・・・こうなれば手に取って見るしか無い。屋根に上がってみるとそれは苔と(鳥の)羽の塊だった。手に取ると驚くほど温かい(と感じた)。ひと言で言えば「苔に覆われた羽布団が爆発した感じ」。その大きさと巣材から考えると「エナガの巣」に間違いないと思う。巣材の羽を見ると、キジバト、アオバト、スズメ、アオサギ、カモ類・・・と判る、多分十数種類の鳥の羽が混じっていると思う。(全て並べて種類を調べてみる予定)それにしても小さなエナガが良くこれだけの羽を集めたのかと感心した。【2009/04/23】Photo:@滋賀県近江八幡市八幡山

2009年4月21日火曜日

第七十三夜/オドリコソウ


 今日は小雨の中、京都御苑を歩く。野鳥は、スズメ、シジュウカラ、コゲラ、メジロ、ハシブトガラス、キジバト、ドバト、ムクドリ、ヒヨドリ、ビンズイ、イカル、シメなどいつもの顔ぶれ。ただし特記としてアカハラ、コマドリが見れた。両者、大きさの差はあるが同じツグミ科の仲間、胸羽が赤いところも似ているのが面白い。コマドリはカメラ視線でバードバスに来て、多くのカメラマンに囲まれていた。一方、アカハラは一羽でしきりに枝垂桜の下で落葉をかき分け、時折なにかをついばんでいた。アカハラが落葉かきをしていた場所で同じ様にしてみたけれどアリぐらいしか見当たらなかった。はたしてアリを食べていたのだろうか?

 公園協会のSさんにオドリコソウの群落を見せて頂く。草地でおなじみのヒメオドリコソウに比べ草丈も高く、花も一回り大きな感じがする。ケヤキの林床に群落を作っているためかヒメオドリコソウのような暑苦しさはない。ここでは、白花と薄いピンクのものが見れた。【2009/04/21】Photo:@京都御苑

2009年4月13日月曜日

第七十二夜/ヒゲナガカワトビケラ


 夜、鴨川の端にある地下鉄の出入口のライトにたくさんの虫が集っていた。これは子どもの頃、鴨川や疎水に魚釣りで昼夜を問わずいつも現地調達できた生き餌だった。当時、現地で魚釣りをしていたおじさん達はこれを「チョウ」と呼ぶと教えたくれた、しかしチョウと言うよりも一見蛾のようである。この昆虫、蝶でも蛾でもない。本名を「ヒゲナガカワトビケラ」と言う。確かに名前の通りヒゲ(触角)が長く、体長以上の長さを持っている。この虫の幼虫は、川底の小石の間に糸で網(巣)を張りそこにかかる落ち葉や藻、昆虫を食べていると言う。この幼虫も成虫同様、いい釣り餌に使える。さらにこの仲間の幼虫は人間も食べ(つまり食用)、長野県伊那谷では「ざざむし」と呼ばれ主に佃煮や揚げ物などにして珍味として売っている。佃煮加工後は見た目ゼンマイかワラビの様ではあるが、生きている状態を知ってる僕は食べる気にはなれない(というのが正直なところ)。
【2009/04/12】Photo:@川端丸太町地下鉄出入口、京都

2009年4月10日金曜日

第七十一夜/コサギ


 芦屋川(兵庫県)にかかる橋の上から川面をみると、一羽のコサギがしきりに魚を捕っていた。川中に立ち黄色い足先で川底を泥を上げない様に注意深く掻いている。踊りのドジョウすくいの時の足の動きにも似ている。時々、小魚が飛出しサギのつくる影に逃げ込むようだ。狙いを定め、水中にクチバシを差し入れる。小魚が逃げれば、早足で追いかける。見ていると飽きない。さて、彼らのお腹を満たすためには一日どれぐらいの魚が必要なのか? 
写真上:足先で川底を「サッサッサ・・」と小刻みに掻き、小魚が飛出すのを待つ。写真下:飛出した獲物を見定め「ズバッ」と水中に頭を突っ込む。【2009/04/10】@芦屋川

第七十夜/テングチョウ

 今日はとても暖かな一日だった、京都御苑を散歩。キチョウ、ツマキチョウ、ムラサキシジミ、ルリタテハ、キタテハ、ヒオドシチョウなどの越冬を終えたチョウをずいぶん見る事が出来た。このテングチョウ(天狗蝶)も越冬を終えて元気に飛び回っていた。地味ながらなかなか愛嬌のあるチョウだ。幼虫はエノキの葉を食べる。【2009/04/09】Photo:@京都御苑・母と子の森