2015年10月28日水曜日

第七百八十七夜/ウラギンシジミ

 今朝は寒かった、陽光で体を暖めてから飛び出そう・・・ウラギンシジミ♂(Curetis acuta)。成虫で越冬し、翅表の斑紋がオレンジ色のこの個体は♂、♀は斑紋が銀色。この蝶が飛ぶと特徴である「翅裏の銀色が目立つ」と、本には書かれていることが多い。しかしこの蝶は南方系の種で、実際には東南アジアの熱帯雨林の樹冠は陽光の照る箇所と葉陰の強弱がもの凄くある、この条件下でこの蝶が飛ぶと、この陰陽のなかに完全にとけ込んでしまうことを実際に見た時に始めこの翅色の意味が判った。目立つどころか溶け込んでしまう。生きもの達の体の特徴や色は、やはりひとつひとつ意味があるのだと。Photo:2015/10/27 @京都御苑、京都市

2015年10月27日火曜日

第七百八十六夜/クロヒカゲ

 夏の雑木で元気だった蝶たちもそろそろ出番を終える。雑木林の樹液を求める一匹のクロヒカゲ(Lethe dianaを見つける。鱗粉が落ち、ご自慢の目玉紋様も欠いている。地味だけど綺麗な蝶。Photo:2015/10/17 @鹿背山、木津川市、京都府

2015年10月21日水曜日

第七百八十五夜/オオスカシバ

 自宅前の隣地の壁に見つけたオオスカシバ(Cephonodes hylas hylas。この個体は寒いのか陽光を浴び、時おり翅を振るわせていた。それにしても翅のなんとも美しいことか。体形も、触覚もいいバランス。一番好きな蛾はなんですかと聞かれれば、真っ先に名前が出るだろう。Photo:2015/10/21 @岡崎、京都市

2015年10月18日日曜日

第七百八十四夜/ツマグロオオヨコバイ

 普段見慣れている虫も見る角度を変えれば、「こんな顔してたっけ?」となる。これはツマグロオオヨコバイ(Bothrogonia ferruginea、色も面白い。Photo:2015/10/16 @鹿背山、木津川市、京都府

2015年10月16日金曜日

第七百八十三夜/小さな秋の虫・クマスズムシ

 小さなコオロギの仲間、クマスズムシ(Sclerogryllus puctatus。触角の途中が白く、脚は黄褐色をしている。隣のドングリと比べると大きさが判る。後脚はあまり発達せず、ジャンプ力も弱く、歩いている。落ち葉の多い地表に生息しているので目につかないがどこにでもいるよう。写真は♀個体。Photo:2015/10/16 @京都御苑、京都市

2015年10月15日木曜日

第七百八十二夜/ホンドタヌキ

 ヨシ原の農道を歩いていると向いからこちらに気付かずに歩いて来たホンドタヌキ(Nyctereutes procyonoides 英:Raccoon dog)の若い個体。立ち止まって待っていると、ようやく5メートルほど前でこちらに気付き、迷った末に横の草むらに入って行った。もう一度見たいと思い同じ場所で待つこと30分、今度はすぐに気付かれた。先ほどと風向きが変わり、待っていた位置が風上になっていた。じっとしていても匂いでこちらの存在が瞬時で判るようだ。Photo:2015/10/15 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年10月14日水曜日

第七百八十一夜/サメビタキ

 サメビタキ(Muscicapa sibirica 英:Sooty flycatcher)がヤマザクラの枯れ枝に止まり、時おり飛び立つと同じ場所に戻って来る。飛ぶ昆虫類を空中で捕獲する「フライングキャッチ」をなんどか繰り返す、捕まえてきたのはリスアカネ。サメビタキはこのトンボをくわえ直し頭から翅ごと呑み込んでしまった。その後、何度もフライングキャッチを繰り返し、小さな昆虫やガ類を食べていた。その行動は面白い。渡りのためにも体力を蓄えるのだろう。Photo:2015/10/13 @京都御苑、京都市

2015年10月13日火曜日

第七百八十夜/コサメビタキ

 モミジの枝で休むコサメビタキ(Muscicapa dauurica 英:Asian brown flycatcher、Brown flycatcher)。時おり、近くを飛ぶ虫を空中で捕らえ、もとの枝に戻ることを繰り返していた。日本より南の国に旅立つ日も近い。Photo:2015/10/13 @京都御苑、京都市

2015年10月12日月曜日

第七百七十九夜/ヨシ原で見つけた骨

 子ども達と西之湖周辺の生きもの観察会を行う。子ども達がヨシ原で見つけたばらばらの白骨。並べてみるとほぼ一頭分のタヌキの骨だった。残念ながら下アゴは見当たらない。子ども達が骨をいじるのに、参加のお母さんは一言も「気持ち悪い」とか「汚いからやめて」と出ない、心のどこかに少しぐらいはあるだろうけど。お陰で子ども達の探究心が深くなる。最後は小さな木の根元に並べお墓とする子ども達。Photo:2015/10/12 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年10月9日金曜日

第七百七十八夜/ツマグロヒョウモン

 肌寒い風の中、柳の葉にいかにも寒そうに休むツマグロヒョウモン(♂ Argyreus hyperbius 英:Indian Fritillary)。本来は南方系の蝶だが、成虫は平地の草原や庭・空き地や道端など身近なところで見られる。地域にもよるが、幼虫が各種スミレ類を食草とし、野生のスミレ類のみならず園芸種のパンジーやビオラなども食べることもありその生息域をどんどん広げている。成虫は4月頃から11月頃まで見られ、その間に4、5回発生する。他のヒョウモンチョウ類がほとんど年1回しか発生しないのに対し、多化性という点でも生息域を広げるのに有利なんだろう。冬は幼虫や蛹で越冬する。Photo:2015/10/08 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年10月8日木曜日

第七百七十七夜/ヒメアカタテハ

 夕陽に照らされた道ばたに小型のタテハチョウが止まっている、南極大陸を除く全ての大陸に分布していて、現在最も分布が広いチョウの一つであるヒメアカタテハ(Vanessa cardui 英:Painted Lady) 。食草がヨモギという生態的な背景もあり、畑、公園、野原など開けた場所で見られ、都市周辺から高原まで広く分布する。 移動性が高く、夏から秋にかけて、温暖地から寒冷地に向かってどんどん分布を広げる。ただしそれほど個体数は多くはない。成虫越冬と言われているが、幼虫でも越冬する地域もあるという。少し調べてみよう。この個体の写真を撮るためにカメラのファインダーを覗いている時に翅に顔があることに気付いた。Photo:2015/10/08 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年10月7日水曜日

第七百七十六夜/ウリハムシ

 芥子粒ほどの云々・・という言葉があるが、この虫にあてはまりそう。実際はそれほど小さくはないけど。ウリハムシ(Aulacophora femoralisが草地を忙しそうに歩いている。そろそろ越冬の準備かな?(成虫越冬)Photo:2015/10/07 @京都御苑、京都市

2015年10月6日火曜日

第七百七十五夜/秋に虫・カンタン

 クズ葉に開いた穴から顔を出し、カンタン(Oecanthus longicaudaが鳴いていた。少し機械的な印象のやわらかいけど良く響く「ルルルルル・・・・」という途切れる事のない鳴き声。彼の見る風景の向こうには、彼女でもいるんだろうか?Photo:2015/10/05 @箕輪、伊那市、長野県

2015年10月1日木曜日

第七百七十四夜/ハエのこともよく知らない

 こちらもあまりにも身近な昆虫だけど、よく知らないハエ。これは背中の紋様からニクバエ(Sarcophagidae sppだと判る。イエバエ科やヤドリバエ科の縦縞を持つものの縞がたいてい偶数の4本であるのに対し、ニクバエの縞は奇数の3本であるという。名前から想像がつくように一般的に幼虫は動物の死体等の肉を食べて育つ。ニクバエの成虫は卵胎生で、孵化寸前の幼虫の入った卵を動物の死体に産みつけ、すぐさま孵化した幼虫はそこで発育する・・・なるほどすぐに幼虫になる訳だ。Photo:2015/09/30 @京都御苑、京都市