2014年9月29日月曜日

第六百六十三夜/谷戸のオオカマキリ

 谷戸の田んぼでも稲刈りが始まった。田んぼを囲むイノシシ避けのネットの上では♀のオオカマキリ(Tenodera aridifoliaが大きなお腹をして日向ボッコしながら人間達を眺めている。人間達は刈った稲の干場を探している。この♀はきっと卵を産む場所を探しているのだろう。Photo:20140928 @栗東、滋賀県

2014年9月26日金曜日

第六百六十二夜/カマキリの仲間

今回のミャンマーでは、驚くほど昆虫がいなかった。朝はやくホテルから出ると、前の草むらに小型のカマキリ。日本のウスバカマキリに似た斑紋を持つが、体はずっと細長く、触覚は体長の半分ほどと長い。それにしても虫がいないのはなぜか。Photo:2014/09/12 @Lashio

2014年9月25日木曜日

第六百六十一夜/ミャンマーで出会った小さな蛾


 今回のミャンマー北部、シャン高原の畑で見つけた小さな蛾。現地では判らなかったが、写真を拡大して口吻基部後方両側から出る1対の下唇鬚(かしんしゆ)が,きば状に突出していること判った。おそらく鱗翅目キバガGelechiidaeに属する蛾だろう。全世界に分布する小型のガで,日本には75種知られている。イモキバガ(サツマイモ,ヒルガオ)ジャガイモキバガ(バレイショ,ナス,トマト,タバコ,トウガラシホオズキ)バクガ(穀類)のように,幼虫重要害虫とされているものを含んでいることから農家の庭先にいたことも納得できる。しかし種名は判らない。場所が場所だけに新種ってこともあるかもしれない。Photo:2014/09/13 @Kyaukme

2014年9月22日月曜日

第六百六十夜/シロオビアゲハ

 今回のミャンマーでは、ほとんど蝶類を見なかった。吸水に来ているのはたいていシロオビアゲハ(Papilio polytesとベニモンアゲハ。時おりキシタアゲハが優雅に舞うが、どこにいっても身にするのがこのシロオビアゲハ。普段ならあまりに普通過ぎてじっくりと見る気にならないが、これだけ蝶が少ない時はゆっくり観察できた。なかなかきれいではないか。Photo:2014/09/10 @Gokteik, Myanmar

2014年9月14日日曜日

第六百五十九夜/ベニモンアゲハ

 峠超えのトラック休息所の地面に、ベニモンアゲハ(Pachiliopta aristrochiae)が吸水にやってきた。場所の当りをつけて待っているとだいたい近くにやって来る、ゆっくり近づき写真を撮ろうとすると逃げてしまう。なんども逃げる。おかしいなと思い顔を上げると近くの売店のおじさんが後ろで見ていた。どうりで蝶が逃げるはずである。彼はこちらが蝶の写真を撮っていると知ると、ほらこっちだ、今はあっちだと指示してくれる。ありがたいことなのだが、じっとしていてくれないかな〜。Photo:2014/09/10 @Gokteik, Myanmar

2014年9月12日金曜日

第六百五十八夜/メナカシロシタセセリ

 蝶を期待して森に入るが、想像以上にいない。周辺はほとんど在来種で構成されている森はなく農地。ようやく見つけたシロシタセセリの仲間。後翅の白が大変に美しい。写真からの判断は危ないが、生息地や紋様から メナカシロシタセセリ(Tagiades menakaのようだ。Photo:2014/09/11 @Kutkai,Myanmar

2014年9月5日金曜日

第六百五十七夜/セミに生えるキノコ

 なんかすごいものを見てしまったな〜と思う。歩いているセミの全身に白い突起物が無数に出ている。セミは死んでいるのだが、その姿は生きているようでもある。
調べるとすぐに判った、これはセミノハリセンボンというセミに発生する不完全型の冬虫夏草(キノコの一種)である。林内の地表あるいは樹幹上のセミ成虫に生じると言う、つまり死んだセミに出るのではなく、キノコが生きているセミを殺し、その結果この突起が発生するらしい。いやなかなか恐ろしい。Photo:2014/09/02 @京都御苑、京都市

2014年9月3日水曜日

第六百五十六夜/ジャコウアゲハ

 ジャコウアゲハ(Byasa alcinous 英:Chinese windmill)の幼虫がたくさんいると知人から教えてもらった。知らされた場所を探していると鳥の写真愛好家のおじさんがもっといるところを教えてくれた。彼らにとって昆虫はいわばサイドメニューだから、他者に教えることは頓着しない。教えてもらったところは花壇の一部に生えているウマノスズクサ、たしかに個体数が多く、しかも卵から1齢幼虫、そして終齢幼虫、蛹、成虫までの全ステージを見ることが出来た。ジャコウアゲハの幼虫が食べるウマノスズクサは、その葉に含まれる毒性分(アリストロキア酸)を含み、幼虫はこの毒性分を体に貯めるので鳥等は幼虫も成虫も食べない(食べることができない)。そのために幼虫はあらゆる目立つ場所に止まっているし、蛹も同じである。成虫にいたっては弱々しく飛ぶことで十分である。食べるならどうぞと言わんばかりである。昨年まではこの場所にウマノスズクサなんて無かったように記憶している。土かなにかに混ざっていた種子が発芽して、それを母蝶が見つけたと言うことだろう。だから来年も同様に見ることが出来るとは限らない。出来るならこのままこの野草を残して欲しいと願う。写真の左の黄色いのが蛹、葉上の黒いイモムシが幼虫。Photo:2014/09/03 @京都府立植物園、京都市

2014年9月2日火曜日

第六百五十五夜/ムラサキツバメとアリの蜜月な日々

 ムラサキツバメ(Narathura bazalusという鳥の様な名前のシジミチョウがいる。翅の表は深い紫色に輝き、裏は枯葉や樹皮のようなモザイク状の茶色、そして後翅の一部に尾状突起がある。この尾状突起が「ツバメの燕尾」みたいだから「ツバメ」と名につく。このシジミチョウの幼虫がシリブカガシのひこ生えにいた。幼虫が小さな時は、葉を丸め巣を造るので見つけるのは容易く、幼虫が終齢になると今度は巣から出て、そこにはアリがまとわりついているのでこれまた見つけるのは容易い。幼虫が葉を食べている間、小さなアリ達は幼虫にまとわりついている。幼虫が体から出す分泌液がアリ達にとって甘味となりたまらない。分泌液を吸い集め、巣にもって帰ると言うことではないようだ。なぜならば巣への列が無いからである。まるで酒宴のようだ。ムラサキツバメの幼虫は、アリに分泌液を与えることにより、アリに守られる状態となり他の昆虫から狙われることはない。この関係は蛹になる直前まで続く。以前のアリは、キイロシリアゲアリ(フタフシアリ亜科)だったが、今回はすこし違うようだ。顕微鏡で見て調べたい。さてこの蝶の幼虫は、見つけ易いのだが、蛹となると非常に困難、野外では不可能に近い。そこで実際に幼虫を飼育すると、終齢幼虫は地面上に降り落ち葉を幼虫期の巣のように縫い合わせ、その中で蛹になることが判る。Photo:2014/09/02 @京都御苑、京都市