2015年5月21日木曜日

第七百二十一夜/ホオジロ

 ハチクマの渡りを眺めている横では、ホオジロ(Emberiza cioides 英:Meadow Bunting)の雄のさえづりが続いていた。独特のさえずりの節回しは「ピッピチュ・ピーチュー・ピリチュリチュー」と聞こえるが、「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)とか「源平つつじ白つつじ」と表現される。強風ふく杉のてっぺんでご苦労様。Photo:2015/05/20 @余呉町、滋賀県

2015年5月20日水曜日

第七百二十夜/孤高のハチクマ

 遥か南の国から子育てのために日本に渡って来る野鳥を「(日本の)夏鳥」という。一方、日本で冬を越した「冬鳥」は、育てのために日本より北の国に渡って行く。これが現地では「夏鳥」となる。この夏鳥に中にハチクマ(Pernis ptilorhyncus 英:Oriental honey-buzzard)というスズメバチの蛹や幼虫を主食とするタカがいる。渡って来る夏鳥も終盤となり、このハチクマのシーズンの最盛期となった。琵琶湖湖北にハチクマの渡り数のカウント調査に同行。気温の上昇、風向き、地形を読みながら琵琶湖に面した山頂でハチクマを待つ。時おり谷間や尾根の向こう側から複数のハチクマが湧く様に舞い上がるかと思うと、遠くから風に乗り1羽だけでやって来るものもいる。双眼鏡で現れたハチクマを観察する(写真は♂)。数日前に九州を1100羽以上が通過したという。今回の場所では2日/回のカウントでは、その150羽に留まった。さてこの湖北を通過するハチクマの数はどれほどになるのだろうか興味深い。小群れで来るもの、単独で来るもの問わず、それぞれに彼らの誰もが知っている「ある場所」を目指す様に一点に消えて行く。無事に子育てを終え、秋の渡りに会いたいと思う。彼らの飛翔を見ていると時間も忘れる。
2日間に観察したタカ類: ハチクマ(150)、クマタカ(1)、ミサゴ(3)、サシバ(3)、ツミ(7)、オオタカ(1) 。 Photo:2015/05/20 @余呉町、滋賀県

2015年5月17日日曜日

第七百十九夜/フクロウ現る

 自宅近くの神社の杜に2週間程前からアオバズクの鳴き声が聴こえる様になった、2年ぶりだろうか・・・すると先週からその声にかわりフクロウの声が聞こえて来た。何かの聞き間違いと思い、その後も観察すると確かにフクロウの声が毎夜聞こえる。今夜はものすごく近くから聞こえて来た、サンダル履きで双眼鏡を片手に自宅を出ると10mほど離れた電柱の上に黒い影が見えた。双眼鏡で見ると確かにフクロウ(Strix uralensisが止まっている。自宅にカメラ取りに戻る、数枚なんとか撮らせてくれた後、ひらりと周囲の家並みの屋根すれすれを闇へと消えた。午前0時、双眼鏡とカメラを持って住宅地を歩くのは職務質問を受けそうだ。Photo:2015/05/16 @京都市

2015年5月12日火曜日

第七百十八夜/ムカシヤンマ

 谷戸のフィールドで初めて観察したムカシヤンマ(Tanypteryx pryeri、遠くから飛んで来た時には何かわからなかった。このトンボ、ヤンマという名が付くように、ムカシトンボよりも大型でがっちりしており、体長が80 mmに達する。見た目はオニヤンマや大きなサナエトンボのようにも見えるが、オニヤンマとは複眼の色が違い、サナエトンボのように複眼が離れており、止まり方も、羽根を広げたまま張り付いた格好で止まる事が多いので、やはり独特な感じがする。日本固有種のトンボである。Photo:2015/05/10 @栗東市、滋賀県

2015年5月11日月曜日

第七百十七夜/アサヒナカワトンボ

 久しぶりにフィールドの谷戸に行けば、見違える様にみどりが美しい。いいタイミングでアサヒナカワトンボ(Mnais pruinosaの交尾も観察できた。その他、シオヤトンボ、オツネントンボ、クロスジギンヤンマ、そして今年初めて見るムカシヤンマも観察できた。これからどんどん虫達が増えて来る。Photo:2015/05/10 @栗東市、滋賀県