2008年12月29日月曜日

第四十八夜/スギから生まれたカシの木?


 今年最後のお墓参りに行く。お墓のすぐ横の杉の木を見るとやや不思議・・・よく見ると幹の途中から別の木が生えている(写真下)。今までぜんぜん気づかなかった。さて別の木とは「アラカシ」、つまり常緑性のドングリの木である。杉の木の周りを見てもアラカシは生えていない。ドングリが風に乗って杉の木の洞(うろ)に飛び込むこともあり得ない。きっと小鳥などの小動物が杉の木の洞(うろ)にドングリを隠して、その実が芽生えたのだろう。さて次の疑問、このカシの木は一本か、何本かの芽生えだろうか?カシの根元(つまり杉の木の幹)をみるとこぶ状になって、そこから細い枝が何本も生えている。カシの木の仲間は、枝や幹を伐られたとしても細い芽(ひこばえ)をだして(このことを萌芽=ほうがと呼ぶ)株状になる特性が強い。このカシの木を見ると以前に伐られた様子もあまりうかがえない。ひょっとすると小鳥が冬支度のために洞(うろ)に蓄えたドングリがいっせいに芽生えたのかもしれない。しかしカケスやリスが実の実を洞に隠すことはあるが、この街中の墓地で他の動物でこんなことをするのがいるのか?今後、どんな成長を見せてくれるのか、お墓参りの時の楽しみが増えた。一本の木を見て頭の中ではいろいろなシーンが想像された。【2008/12/29】Photo:@京都市左京区黒谷

2008年12月18日木曜日

第四十七夜/モズのはやにえ(カマキリ)

栗東の里山でアキアカネを見つける。12月も半分過ぎたと言うのに元気に飛んでいる、通常は夏前に羽化するのでもう半年近く生きていることになる。そんなアキアカネの写真を撮ろうとしていたら目の前にあったのが「モズのはやにえ」。生きものの写真を撮っていると良くあること。一度、目にする(見つける)と続けざまに見つかる。例えいなくても何となく気配があるとか、いそうな気がするとか(この「感じ」はけっこう当る)。今回もそれに近い。アキアカネを見つけるまでは、「こんな場所にはやにえ、ありそうだな」と思っていた。この「はやにえ」は、コカマキリのようだ。すでに頭とカマの部分(前脚)は無くなっているが、後ろ足と羽、残された体の形で判る。さて・・気がつけば、アキアカネはどこかへ飛び去ってしまった。
【2008/12/18】Photo:2008/12/14 @こんぜ桃源郷こんこん山(栗東市井上)

2008年12月10日水曜日

第四十六夜/モズのはやにえ(早贄)


 アートギャラリーの小さな庭で『モズのはやにえ(早贄)』を見つける。『モズのはやにえ)』とは、モズが捕らえた獲物の小動物を木などの先端にさしておいたもの。庭では高さ2m程度のムクゲの木の枝先に2匹のバッタが刺されていた。果たして冬の保存食として利用するのかは定かではないが、春になる頃にはあまり見つからないことを考えると少しは利用されているかも知れない(もちろん忘れられているものも多い)。はやにえはモズの縄張りとも関係するのか、同じ場所で複数見つかることが多い。今回、見つけたのはコバネイナゴ(上)とオンブバッタ(下)。その他、よく見るメニューは、トカゲ、カエル、オタマジャクシ、イモムシ、カマキリなど。以前、小さなネズミのはやにえも見つけた。変わったものでは小魚、大物としては小鳥もメニューとして上がる。こうなればモズは、日本最小の猛禽類(もうきんるい=タカやワシの仲間)と言ってもおかしくない。【2008/12/10】
Photo 2008/12/10 @近江八幡市ボーダレス・アートギャラリーNO-MAの庭