2015年7月28日火曜日

第七百五十夜/カツオゾウムシ

 全身にココアの粉をまぶしたようなカツオゾウムシ(Lixus impressiventris。死ぬと粉がとれて黒くなってしまうが、生きているときはこの粉がよく目立つ、しかもこの粉はとれてもまた出てくるという。さて何に役立っているのだろうか? Photo:2015/07/28 @京都御苑、京都市

2015年7月26日日曜日

第七百四十九夜/セミの羽化

 セミのシーズンが本格的になって来た、夕刻になると地面からたくさんの幼虫が現れ木に登り始める。幼虫の目は相当に良く見えて、登る木を選んでいるらしい、なぜなら木によっては全然ついていない木もあるから。単純に自分が地面にでて近くに木に登ると言うのとは違う感じ。写真のクマゼミ(Cryptotympana facialisの幼虫は、松の木に登り始めるとどんどん上を目指して登っていった、どこまで行こうと言うのだろうか。Photo:2015/07/26 @京都御苑、京都市

2015年7月22日水曜日

第七百四十八夜/ハイイロゲンゴロウ

 堤防上の道に開いた穴(わだち)には、台風のあとの雨水が溜まっている。地道なのでその水は泥で濁ってる。その中を慌ただしく泳ぐ昆虫がいる、ハイイロゲンゴロウ(Eretes sticticus)。時おり通過する車が水を蹴散らしいっそう濁らせる、水深が浅いので日中はほとんど温水状態、おそらく数日もすれば干上がってしまうだろう。だがそんな状態の中、かれらは元気にやっている。まったくその逞しさには驚かされる。こんなところにやって来る捕食者はセキレイぐらいのものか。こんな場所も環境に耐えれば安全の水辺か。Photo:2015/07/20 @蛇砂川、近江八幡市、滋賀県

2015年7月21日火曜日

第七百四十七夜/アカミミガメばかり

 橋の上から川面を見るとカメが日光浴。いたるところにカメを見るがどれもアカミミガメ(Trachemys scriptaばかり。そのサイズも、稚カメのミドリガメから甲長30cm近い大物までそろっている。在来種のイシガメ、クサガメは本種ほど日光浴は好まないのか、まったくいない。僕の子どもの頃は、ミドリガメがこれほど自然河川で見ることが出来るなんて思いもしなかった。Photo:2015/07/20 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年7月20日月曜日

第七百四十六夜/チョウセンイタチ

 ヨシ原の農道を歩いていると前からひょこひょこと歩いて来たチョウセンイタチ(Mustela sibirica 英:Siberian Weasel)。餌を探しているのだろう、こちらに気付かずにどんどんやって来る、ようやくこちらの存在に気付き立ち止まり地面に座る。しばらく観察し合い、イタチはあぜ道を歩き去った。その後、同じ場所でタヌキと出会い、タヌキもまたあぜ道を歩き去った。彼らだって歩き易いところを歩くんだな。Photo:2015/07/20 @西の湖、近江八幡市

2015年7月15日水曜日

第七百四十五夜/オオタカ

 オオタカ(Accipiter gentilisがドバトを狩った。その後、複数のカラスに追われながらなんとかツバキの木立に逃げ込んだ。この個体は2週間前にほぼ同じ場所でスズメを獲った、1週間前はアオバズクの♀、そして今日。近くにはカラスの幼鳥が食べられた痕跡もある。この個体の狩り場がほぼ判った。上空のカラスを警戒しながら木立の下で30分以上もかけてドバトを食べる。まず腹部の羽毛を取り除き、腹部の内蔵と胸部の肉を食べていた。その後、カラスが去ったのを見定めてモミノキ林へと獲物を運び去った。後はゆっくりと樹上で食べるのだろう。Photo:2015/07/15 @京都御苑、京都市

2015年7月14日火曜日

第七百四十四夜/ベッコウハゴロモ

 ベッコウハゴロモ(Ricania japonicaを後ろから見る。前や上から見ると翅にある目玉のような紋様が睨んでいるような印象がある、さて後や下から見るとどうだろう。こちらからは翅の紋様が透けて、なにやらかわった視線を感じなくもない。小さな虫達は、このように紋様をうまく使って外敵から身を守っているのかも知れない。Photo:2015/07/14 @京都御苑、京都市

2015年7月13日月曜日

第七百四十三夜/長い間ありがとう・イシガメ

 6年前、知人が死にそうなほど弱ったイシガメ(Mauremys japonicaの子どもを水辺で拾った。鉄分の多い水溜まりだったので顔も肌も全身鉄錆色、おそらく内蔵も鉄錆だらけだったかも知れない。成長記録でも付ければいいと思い持ち帰った。最初は餌もほとんど食べる事が出来無かったが、少しずつ元気になった。その稚カメも今では甲長も約9cm、7歳になった。人間の子どもだったら小学校に上がる年齢、そこでその時の水辺にもほど近い西の湖の水路に還す事にした。岸辺に放すとしばらく甲羅干しを行い、するりと水中に泳ぎで出た。ずっとこちらの様子を見ていた「狭い水槽ともさよなら・やれやれこれで自由の身だ」と思っているのか。今夜からすっかり自由だけど体には気をつけるんだよ。また会える事を願いつつ、さよなら。Photo:2015/07/13 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年7月12日日曜日

第七百四十二夜/ウラギンヒョウモン

 アザミの花を求めてやって来たウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe。時おり、飛び去ったかと思えば、すぐに戻って来る・・・種類を見ようと目を凝らすが、なにかおかしい? つまりウラギンヒョウモンとギンスジヒョウモンが交互に来ていたのだった。ある時、同時に2頭が一つの花に来たのでわかった。Photo:2015/07/08 @広河原能見、京都市

2015年7月11日土曜日

第七百四十一夜/オニヤンマの羽化殻

 小学校のプログラムで初夏の森歩きを行う。歩きはじめに見つけたオニヤンマの羽化殻、同じ場所に3個並ぶ。子ども達に説明すると半数が「気持ち悪い」と言う、、、そうかな? 僕らの頃は、オニヤンマ(Anotogaster sieboldiiは夏の昆虫の中でも3本の指に入るあこがれの種類、幼虫から成虫のイメージがないからかな。Photo:2015/07/08 @花背、京都市

2015年7月10日金曜日

第七百四十夜/谷戸の風景

 現代の谷戸の風景。アマガエル、ナツアカネ・・・そしてシカ避けネット。この3点セットはどこへ行っても変わらない。シカ避けネットがなければいい風景なんだがね。Photo:2015/07/08 @広河原、京都市

2015年7月9日木曜日

第七百三十九夜/スジグロシロチョウ

 ネズミモチの花にやってきたスジグロシロチョウ(Pieris meleteモンシロチョウと間違われていることも多いが、スジグロという名のとおり、翅に黒いすじがあることで見分けられる。こちらの方が、比較的うす暗い環境を好み、林のまわりや、木が良く茂った公園などで多く見られる。幼虫の食草は、イヌガラシなどアブラナ科の植物。ダイコンなど栽培種も食べる。花背の谷ではこちらの方が一般的。ネズミモチは、小さな白い花を沢山つけ甘い香りが周囲に漂わせる、色々な昆虫がやって来る、そして秋に付ける黒紫色の実には、沢山の野鳥がやって来る。Photo:2015/07/08 @花背別所、京都市

2015年7月8日水曜日

第七百三十八夜/マムシのニオイ?

 思い込みは危ないと言う事を再確認。マムシ(Gloydius blomhoffiiは竹やぶ、石垣や水辺によく見る。どころがどうだろう、今日は石積みの上にある低いツツジの刈り込みの上で日光浴をしていた。最初にこちらが気付いて良かった、こんなところにはいないだろうと思う油断は禁物。最初頭を隠していたので小枝でつつくとご覧のとおり臨戦態勢になった、マムシは他のヘビと違いすぐには逃げずにシッポをふるわせる、次に軽く頭で飛びつく様な動作をするのでまだまだ大丈夫。これ以上関わらなければ何事も無い。彼らとていたずらに人を噛む事はしない。ああっこんな場所にもいるのだなと思い、近くをみると50cmと離れていないところに2匹も同じ様に日光浴。また別の所には、大きなアオダイショウ。こちらは人を見るとたちまち逃げ去っていく。地元の人にマムシのことを話すと「マムシはニオイが強いので、いる場所はそのニオイで判る」という。でも僕はマムシのニオイをかいだ事が無いのでそのニオイそのものが判らない。Photo:2015/07/08 @広河原能見、京都市

2015年7月7日火曜日

第七百三十七夜/林のステルス機?

 雨の降る中、林の下草でアミガサハゴロモ(Pochazia albomaculata)が休んでいた。形は、ベッコウハゴロモと瓜二つだが、体色は戦闘機のステルス機のようなツヤの無い暗褐色~黒褐色で、前翅の前縁中央部にはっきりした白紋を持つハゴロモの仲間。一見地味だが、翅脈を見ると非常に美しい。

2015年7月6日月曜日

第七百三十六夜/ハシボソガラスとシジュウカラ

 樹林地を歩けば巣立ちのひな鳥がよく目につく。トビやカラスのヒナ鳥と言うにはあまりに大きすぎるものから、イカル、ヒヨドリ、ムクドリ、コゲラ、スズメ、シジュウカラ・・・などの小型の野鳥まで、巣立ちヒナが鳴きながら親鳥の後をついている。今日観たのは、そのようなシジュウカラの巣立ちビナを食べるハシボソガラス(Corvus corone。カラスが巣立ちビナを狩ったのか、それとも落ちていた死体を拾ったのかは判らないが、かなり新鮮な死体で、カラスが飛び立った場所から少しはなれたところからはシジュウカラの声がしていた。カラスは最初、羽毛を抜き取り、体を二分して食べてしまった。その間、5分。食べるのに一生懸命なのか、興奮していたのか約3mの真下で見ているこちらを一向に気にしない。普段は、地面を歩きながらミミズや植物質の餌を好むハシボソガラス、英名では「Carrion Crow」と言い、その意味は「死肉を食うカラス」なるほどだな。Photo:2015/07/05 @京都御苑、京都市

2015年7月5日日曜日

第七百三十五夜/オトシブミの1種

 小さな虫の造形はなかなか興味深い、今日見つけたオトシブミの1種。上翅の中央の大きな突起と体色からヒメゴマダラオトシブミ(Paroplapoderus vanvolxemiと思われる。調べてみると「山地に生息。体色は個体変異が多く、地色が赤褐色で黒紋のある型から全身黒色の型まである。上翅中央に1対の円錐状のコブを持つのが特徴的。触角と脚は全体的に黄色で、後脚腿節の半分ほどは黒色となる傾向にある。」京都御苑で見つかるのは稀なのか、今後調べてみる事にする。Photo:2015/07/05 @京都御苑、京都市

2015年7月4日土曜日

第七百三十四夜/マユタテアカネ

 夏はもう少し先だと思っていたら、すっかり夏の気配でいっぱいだ。マユタテアカネ(Sympetrum eroticum 写真は♂)も現れた。スマートで可憐なアカトンボ、顔に眉にような黒い紋があるのでこの名がついた。でも眉というよりは、ヒョビヒゲみたい。平地や丘陵地の、樹林で囲われた池や湿地で発生する。Photo:2015/06/30 @京都御苑、京都市

2015年7月3日金曜日

第七百三十三夜/キマダラカメムシの幼虫

 最近、観る機会の多くなったキマダラカメムシ(Erthesina fullo 写真は幼虫)。比較的大型の外来性のカメムシ、幼虫の姿は一度覚えると忘れない。Photo:2-15/06/30 @京都御苑、京都市

2015年7月2日木曜日

第七百三十二夜/ニイニイゼミの初鳴き

 今年もセミのシーズンに入ったのかな? 6月21日にニイニイゼミ(Platypleura kaempferi、続き翌22日にクマゼミの声を聞く。まだ梅雨も終わっていないのに。例年ならニイニイゼミ7月5日頃より、クマゼミはその後とメモにはある。今日見つけたのはニイニイゼミの羽化殻、下草に引っかかっている松葉に登っていた、なんと器用な事だろう。Photo:2015/06/30 @京都御苑、京都市

2015年7月1日水曜日

第七百三十一夜/幻の赤いクワガタ?

 なにやら「幻の赤いクワガタ」と子ども達の間では評判になっているらしい? その正体は、ツチハンミョウ科のヒラズゲンセイ(Cissites cephalotes。クワガタの仲間ではないが、その大きなアゴがそういうイメージをつくるのだろう。約70年前に高地で発見されかつては「トサヒラズゲンセイ」と呼ばれていた、その後、東南アジアのものと同種と判明し現在の種名となったらしい。近畿では和歌山県湯浅町(1976年),淡路島(1977年),神戸市北区(1985年)、大阪府貝塚市(1999年)その後、滋賀県(2008年)まで分布を拡大している。そして昨日、京都御苑で確認した。自然解説の案内板木部のクマバチの巣孔位置口に止まっていた。近くには他に♂1、♀1。この種の存在は子どもの頃から図鑑では知っていた。赤い体に大きな顎、そしてバランスの悪い頭部の形。なんともかっこう悪い虫だなと思っていた。それとようやく出会えた。本種の体内には有毒成分の「カンタリジン」を有します。体をつかむ、体液にふれる等して分泌された毒液が皮膚に触れると水ぶくれ等をおこします。ちょっと注意が必要。Photo:2015/06/30 @京都御苑、京都市