2014年7月27日日曜日

第六百四十六夜/小さなアシナガバチ

 樹林地の地面に小さなアシナガバチを見つける、ムモンホソアシナガバチ( Parapolybia indica 。みると地面に転がるコガネムシか何かの幼虫の死体から肉団子を作っていた。よく見るセグロアシナガバチに比べるとずっと小さく、体色も淡いので弱々しい印象を持つがれっきとしたスズメバチの仲間だから侮れない。そのためか他のアシナガバチよりも見る機会が少ないようだ。少なくともここには2匹がやって来ていた。それにしても地面に転がった小さな肉片をよく探し出せるものだ。Photo:2014/07/27  @京都御苑、京都市

2014年7月23日水曜日

第六百四十五夜/山の上でトノサマガエルに会う

 子ども達を案内して森を歩く。里山の杉林をぬけて低い丘陵の頂きにある古寺に到着。そこで出会ったトノサマガエル(Rana nigromaculata 英:Black-spotted Pond Frog、Dark-spotted frog)の大きな♀。一般的に平地のひらけた湿地を住処にする蛙にこんな場所で出会うとは思ってもいなかった。下の水田域からはずいぶんと離れているが、その辺りからやって来たんだろう。接写をしようとさらに近づくとおしっこをたっぷりとカメラにかけて逃げていった。Photo:2014/07/23 @飯室谷、大津市、滋賀県

2014年7月20日日曜日

第六百四十四夜/アブラゼミの羽化

 日暮れまでにはまだ時間があるのにアブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata 英:Large Brown Cicada)の羽化が始まった。暗くなるとものすごい数のセミの幼虫が地面を這って、気に登ろうとしていた。フクロウの仲間のアオバズクの子育てにはセミの幼虫が欠かせない。子育てに一番、食料の必要な時期とセミの羽化の時期・時間が上手く合っている。セミの幼虫は、羽化すると成虫の姿になる、体は白いが目(複眼)はすっかり黒くなっていて周囲が十分見えている。Photo:2014/07/20 @京都御苑、京都市

2014年7月19日土曜日

第六百四十三夜/夜のアオバズクに魅せられる 3

 今夜は、アオバズクの巣立ち調査。無事3羽が巣立つ、夜空にヒナ達を見守る親のシルエット。大きなガ類を脚につかむがヒナ達には容易くは与えない。安全な場所まで誘導する。ヒナ達の試練はこれから、秋の渡りまで健やかに育って欲しい。Photo:2014/07/19 @京都市

2014年7月18日金曜日

第六百四十二夜/夜のアオバズクに魅せられる 2

 今夜もアオバズクを見るために夜の散歩。巣立ちしたヒナも一日毎にたくましくなるようだ。母親に寄り添い休むが、親が羽づくろいをすれば同じ様にし、周囲に気を配れば同じ様に首を回している。会話はしていないがこうやって親の真似をしながら独立していくんだろうな。(写真の手前が♀、奥にヒナ)今夜は、巣作りをしていないエリアで鳴き声が聞こえた、知らない巣があるのか、子育てが出来なかった雄がいるのだろうか。Photo:2014/07/18 @京都御苑、京都市

2014年7月17日木曜日

第六百四十一夜/夜のアオバズクに魅せられる

観察しているアオバズク(Ninox scutulata 英:Brown hawk owl)の巣からヒナが巣立ちしたと聞き見に行く。ヒナは全部で4羽、その内2羽が巣立ちした。他のヒナは巣穴から顔をのぞかせている、明日には全部飛び出すか。両親は餌運びと外敵から守ることで当分忙しい。夜行性のアオバズクは枝のひとコブの様に身を隠し休むが、夜はさすがにその行動はすごい。音も無くひらひらと樹間を舞い、街灯にやって来たスズメガを空中で捕らえる。夜の姿はいくら見ていても飽きない。写真はまったくダメだった、シルエットだけで良しとしたい。Photo:2014/07/17 @京都御苑、京都市

2014年7月16日水曜日

第六百四十夜/シッポが見えてます

 ぞくぞくとモリアオガエル(Rhacophorus arboreus  英:Forest Green Tree Frog )の子ガエルが上陸している。葉の隙間に隠れる個体が多い。本人はすっかり隠れた気分になっているのだろうがシッポが見えてます。体はまだオタマジャクシを感じさせるふっくらとしたもの、皮膚もゼリーのようなみずみずしいもので、黒いシッポがまだ付いている。このシッポも1、2日で驚く速さで体に吸収されていく、このあと1週間〜10日程度の拒食期に入り、その後小さな昆虫を食べる。この頃になると目玉も出っ張って、体つきもカエルらしくなる。自分が昆虫を食べることに比べ、鳥、蜂、クモなど自分を食べる生きものの方が多いだろう。Photo:2014/07/15  @京都市

2014年7月15日火曜日

第六百三十九夜/シオヤアブとイトトンボ

 捕食関係も一種の異種間交流か? シオヤアブ♂(Promachus yesonicusが捕らえたのはモノサシトンボ。モノサシトンボがふわりと飛び立った瞬間に近くにいたシオヤアブがそれを見逃さなかった。あっと言う間の出来事。Photo:2014/07/15 @京都御苑、京都市

2014年7月12日土曜日

第六百三十八夜/葭原に唄うホオジロ

 葭原にホオジロ(Emberiza cioides 英:Meadow Bunting)のさえずりが響く、いろいろな鳥の声の中で「いっぴーつ!」が最初に聞こえたらそれがホオジロのさえずり。古くから聞きなしとして有名なのが「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)。でもなかなかそこまでは聞き取れない。ホオジロが縄張りを主張している場所は、ゴミの不法投棄の警告看板の上。Photo:2014/07/07 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2014年7月11日金曜日

第六百三十七夜/カラスも暑い

 「暑いな〜!」とハシブトガラス(Corvus macrorhynchos 英:Jungle Crow)の声がした。今日、梅雨明けしたんじゃない? カラスの表情と声は本当に面白い。Photo:2014/07/11 @京都御苑、京都市

2014年7月10日木曜日

第六百三十六夜/アオバズク子育て中につきお静かに

 新しい人工巣で子育て中のアオバズク(Ninox scutulata 英:Brown hawk owl)。抱卵が終わり中には何羽のひな鳥がいるのだろうか。♀親は巣箱の入口にとまっていた。♂親は近くの木で見張り。時おりカラスが数羽でやって来る、その時ばかりは眼をつぶっていた♀親もそちらを睨む。抱卵期間は約25日、巣立ちまでの日数は約28日。これからヒナの成長と共に餌を運ぶ♂親は忙しい。Photo:2014/07/10 @京都市

2014年7月2日水曜日

第六百三十五夜/昼間飛ぶホタル

 森の中を多くの個体数が緩やかに飛んでいた、ちょうど発生のシーズンだったようだ。オオオバボタル(Lucidina accensa、幼虫は肉食性で、朽ち木、放置木に棲み、小昆虫などを捕食し、常時緑がかった光を出すという。成虫も同じく弱いながら発光すると言うが昼間なので判らない。昼間飛ぶので発光による雌雄のコミュニケーションが必要ないのだろう。雌雄の出会いはフェロモンによるとされる。成虫は、黒色で胸部に1対の赤い紋があり、長く扁平な触角をもつ。大きくけっこうきれいだ。Photo:2014/07/01 @花背、京都市

2014年7月1日火曜日

第六百三十四夜/夏の渓谷で鳴く蛙

「フィフィフィフィフィフィ、フィーフィー」と涼しげな声が渓流に響いている。声の主は、渓流にすむカジカガエル(Buergeria buergeri 、英名:Kajika Frog )。声は多いがその割に姿が見えない、体の模様はまるで小石だから見つけにくい上に、扁平な体を活かし石の間で鳴いているのだろう。アオガエルの仲間で、渓流の流れに流されない様に成体の指には吸盤が発達し、オタマジャクシの口器は大型で吸盤状になり、急流で流されないように水中の岩に貼り付くことができる。岸辺には沢山のオタマジャクシを見ることが出来た。Photo:2014/07/01 @花背・上桂川、京都市