2015年12月31日木曜日

番外編/八百夜話ごあいさつ

みなさま本年も残すところ数時間となりました。皆さんの穏やかな年越しと新しい年を迎え健康と活躍をお祈りします。つたない文章と写真ではありますが、残す二百話お付き合いください。どのような生きもの達と出会えるか楽しみです。

2015年12月30日水曜日

第八百夜/ミドリセンチコガネ

 ミドリセンチコガネ(=オオセンチコガネの緑色型 Phelotrupes auratus auratusの写真が必要になり、秋に採取/飼育していた個体をもといた屋外に連れ出し自然状態に近くして撮影する。気温も低くなかったので良く歩く。時おり立ち止まり触覚を拡げ、何かを探ろうとしている。緑色に輝く体色が大変に美しい。胸部に撮影する自分の姿が映る。Photo:2015/12/30 @栗東市、滋賀県

2015年12月28日月曜日

第七百九十九夜/葭原の夕暮れとカモ

 
 静かに葭原に日が暮れる。昼間、岸辺の葭原に身を隠していたカモ達が小群となり湖面を移動をし始めた、この後近くの採餌場に飛んで行く。カルガモ、マガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カンムリカイツブリ、カイツブリ、オオバン、バン達が群れをつくる。夕焼け空を背景に柳のシルエットが美しい。Photo:2015/12/27 @北之庄沢、近江八幡市、滋賀県

2015年12月27日日曜日

第七百九十八夜/ジョウビタキを見るモズ

 ジョウビタキの♀を3〜5mの距離でマークするモズ(写真=♂ Lanius bucephalus。♂のモズが♀のジョウビタキに恋する、まさかの異種間交流ではあるまいな? Photo:2015/12/26  @近江八幡市大森町、滋賀県

2015年12月26日土曜日

第七百九十七夜/ジョウビタキ

 街中でも見ることの出来る冬鳥の代表種とも言えるジョウビタキ(写真=♀ Phoenicurus auroreus。群れをつくらず単独行動のため個体数は多くないかもしれないが、どこにでも見ることが出来る。背腰部に白紋があるので「紋付」とも呼ばれる。今日は、モズを観察していてこの個体に出会う。おそらく捕えるためのスキを狙っているようで、250平方mほどの場所を行ったり来たりしているこの個体を3m程の距離を保ちモズ(♂)がしつこくつきまとう。Photo:2015/12/26 @近江八幡市大森町、滋賀県

2015年12月12日土曜日

第七百九十六夜/ハシブトガラス

 先日、父の命日でお墓参り。 鳥の研究者だった父は、カラスに生まれ変わりたいと生前言っていた(らしい)。カラスの生態やその知恵には、面白さが凝縮していたのだろう。お墓参りを終え、近く木の頂きにハシブトガラス(Corvus macrorhynchosを見つける。Photo:2015/12/11 @黒谷、京都市

2015年12月11日金曜日

第七百九十五夜/アオサギの翼

 鳥の飛翔は美しい、左右の翼は広げた時に一枚の大きな主翼となり、尾羽は尾翼になる。翼の先から、初列風切羽、次列風切羽、三列風切羽、肩羽となり、もう片方の翼に連続する。飛行機で言うところのフラップが次列風切羽、三列風切羽にあたるのだろうか。上手く風を捕らえたり、風を逃がしたりするすばらしい機構を持っている。 
アオサギ(Ardea cinerea サギ科)の飛翔は、飛び出しのタイミングが判りやすく、出会えることも多く、かつ面積も大きいので、羽を知るにはもってこいである。Photo:2015/12/09 @鴨川、京都市

2015年12月10日木曜日

第七百九十四夜/ユリカモメ

 京都市内では冬の使者として親しまれているユリカモメ(Larus ridibundus、彼らは毎日東隣の琵琶湖からやって来る。一日を通して穏やかな水環境と人がくれる餌を求めて来るのか?ならばずっとここにいればいいのにと一目線で考えてしまう。一時に比べると飛来数が減ったようである。彼らが翼を広げる時に羽色がようやくわかる。川面をぷかぷかと浮かんでいると思い気や突然、頭から水中に入り魚を獲ろうとしている姿が面白い。水面に浮かぶ時には、船でいう喫水線が浅く、カモやウのように水中に上手く潜れない。だから素早い魚を捕らえるのは苦手のようである。Photo:2015/12/09 @鴨川、京都市

2015年12月9日水曜日

第七百九十三夜/オナガガモの飛翔

 鳥はやはり飛んでいる姿が美しい。鳥によって普段見えない場所の紋様が見えたりする仲間同士の認識に役立っていることは理解できる、その他、体の軸と翼のつき方、翼の動かし方に特徴があるのでシルエットでもだいたい区別がつく。写真はオナガガモ♂(Anas acuta カモ科)。Photo:2015/12/09 @鴨川、京都市

2015年12月8日火曜日

第七百九十二夜/キイロスズメバチ

  朽木の皮をめくると現れたのがキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera スズメバチ科)。如何にも寒くて体が動かない様子だったが、写真を撮るために陽光を少しあてると腹部を徐々に動かし、少し飛んでみせた。止まった木をそっと再び元の場所に戻した。夏場はとてもじゃないが手元で観察できる相手ではないが今日はゆっくり観察させてもらった。以前は同じ場所にオオスズメバチが越冬していた、少し暗くてひんやりと湿った倒木の場所だった。体表の細かな毛に水滴がついていた。Photo:2015/12/07 @京都御苑、京都市

2015年12月5日土曜日

第七百九十一夜/トホシカメムシ

 地面の枯葉の上をトホシカメムシ(Lelia decempunctata カメムシ科)が歩いていたので撮影。しばらく観察した後、さてどうするかと近くでみていたら、餌を探していたムクドリが食べてしまった。今のカメムシは匂いが少ないのか、トホシカメムシは匂いがしないのか・・・ムクドリはカメムシの匂いなんて気にしないのか? 鳥にとっては大切な食料であることには間違いない。Photo:2015/12/05@京都御苑、京都市

2015年12月4日金曜日

第七百九十夜/ゴマダラチョウの幼虫

 ゴマダラチョウ(Hestina japonica タテハチョウ科)の幼虫が冬越しのためにエノキの根元に降りはじめた。木の根元に降りた時は体色はまだ緑色だが、数日すると緑からオリーブグリーンそして茶色に変わる。この体色の変色が枯葉の変色に上手く合っているのにはいつも感心する。落葉したばかりの葉は最初、緑がかった黄色だが、徐々に褐色へと変わっていく。もう一つ興味深いことは、複数の幼虫が同じ葉についていること・・・葉っぱはいっぱいある、どれでもよさそうなものなのに、彼らに聞いてみたいものだ。Photo:2015/12/03 @京都御苑、京都市