不思議な色と紋様の複眼。オオハナアブ(Phytomia zonata)はどんな世界を見ているんだろうか?Photo:2015/11/14 @鹿背山、木津川市、京都府
2015年11月15日日曜日
2015年10月1日木曜日
第七百七十四夜/ハエのこともよく知らない
こちらもあまりにも身近な昆虫だけど、よく知らないハエ。これは背中の紋様からニクバエ(Sarcophagidae spp)だと判る。イエバエ科やヤドリバエ科の縦縞を持つものの縞がたいてい偶数の4本であるのに対し、ニクバエの縞は奇数の3本であるという。名前から想像がつくように一般的に幼虫は動物の死体等の肉を食べて育つ。ニクバエの成虫は卵胎生で、孵化寸前の幼虫の入った卵を動物の死体に産みつけ、すぐさま孵化した幼虫はそこで発育する・・・なるほどすぐに幼虫になる訳だ。Photo:2015/09/30 @京都御苑、京都市
2014年7月15日火曜日
第六百三十九夜/シオヤアブとイトトンボ
捕食関係も一種の異種間交流か? シオヤアブ♂(Promachus yesonicus)が捕らえたのはモノサシトンボ。モノサシトンボがふわりと飛び立った瞬間に近くにいたシオヤアブがそれを見逃さなかった。あっと言う間の出来事。Photo:2014/07/15 @京都御苑、京都市
2014年6月3日火曜日
第六百二十八夜/ヤブ蚊のシーズン・ヒトスジシマカ
フィールドに出るとヤブ蚊が増えて来た。ちょうど手の甲に止まったので、その吸血シーンを撮る。蚊の口つまり、皮膚に差し込む針を挿入する時は、ほんのすこし痒みを感じるがその後はなにも感じない。もし蚊に刺された痒みが持続すれば、蚊は即座にバシッと叩き殺されてしまう。母蚊にとって卵を産むための大切な食事、命がけなのである、ここで殺されてはまずい、そこで彼らは考えた。人間に気づかれて殺されないように痛みを麻痺させ、血が固まらないように唾液を注入してからゆっくりと吸血して、十分に血を吸った後はもったいないので自分の唾液も吸い取り飛び去ろう・・・・ところが時に人間は蚊に気づいてしまう。蚊は不十分に、つまり唾液を人の体内に残して逃げてしまうか叩き殺される。そうすると体内で唾液がアレルギー反応を起こし、その結果痒みという感覚を生じさせる。
だから、いい感じで吸血しているところをへへっ・・余裕だぞと「バシッ!」とすると、逃げられた悔しさと共に最大のかゆみが襲って来る。蚊に刺されたら、十分に血を吸わせてあげればかゆみは全然残らない。あなたはどちらを選びますか?
だから、いい感じで吸血しているところをへへっ・・余裕だぞと「バシッ!」とすると、逃げられた悔しさと共に最大のかゆみが襲って来る。蚊に刺されたら、十分に血を吸わせてあげればかゆみは全然残らない。あなたはどちらを選びますか?
写真の蚊は、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)、背中の模様が名前の由来。ちなみに♂は吸血しません。Photo:2014/06/03 @京都市
2014年3月23日日曜日
第五百八十九夜/春彼岸のビロウドツリアブ
今年もお墓参りで出会った毛むくじゃらの可愛らしい小さなビロウドツリアブ(Bombylius major)、ホバリングが大変上手で、空中に完全に静止しながら非常に長い口吻で蜜を吸う姿がまるで吊り下げられているかのように見えるため、「ツリアブ」と呼ばれている。陽が陰り、少し寒くなったせいか、温まった石の上から動かない。成虫は春の彼岸の頃にのみ現れ、幼虫は土中に巣を作るヒメハナバチの仲間の幼虫や蛹に寄生する。不思議な生態である。Photo:2014/03/22 @黒谷、京都市
2013年11月13日水曜日
第五百五十八夜/お口が魅力のハエ
このハエは、いつみてもおもしろ顔をしている。愛嬌のある丸い顔の先から取って付けたように長いクチバシ状に口が延びている。ピノキオのようでも、天狗の様でもある。ハエの名は、クチナガハリバエ(Prosena siberita アシナガヤドリバエ亜科) 、興味深いのはこの顔だけでなく、成虫が産んだ卵から孵った幼虫は、自分でコガネムシ科の幼虫を探し寄生すると言う。土中のコガネムシの幼虫をどうやって探そうというのか?なんとも不思議な能力を持っている。Photo:2013/11/12 @京都御苑、京都市
2013年8月30日金曜日
第五百二十一夜/草間に潜むアオメアブ
草葉に止り近くを獲物を通るのを待っているアオメアブ(Cophinopoda chinensis)写真の個体は♂。金緑色から緑色に輝く大きな複眼、長い足、筋肉質の胸部・・・なかなかきれいな肉食性のアブ。名前の「アオメ」は複眼の色を表すが、角度によって緑から銅色まで複雑に変化する。草の葉上で待ち伏せし、昆虫を捕らえて体液を吸い、けっこう大きな獲物も捕らえてる。脚のとげとげは飛びながら獲物を確実に抱え込むのに役立ち、細い草葉に止まる時も上手く使っている、これはトンボやキリギリスと同じ。Photo:2013/08/29 @京都御苑、京都市
2012年7月13日金曜日
第三百七十夜/シオヤアブ
昨夜のアシナガバチは人を刺す事があるが、こちらのシオヤアブ(Promachus yesonicus )は
人を刺す事はない。ただし捕った獲物をぶすりと口吻で刺す。毛深いハチに似た体形で、褐色の大きなムシヒキアブの仲間。全身に黄色の毛がはえており、腹部
は、この毛のために黒色と黄褐色のしま模様に見える。脚は黒色だが、すねの部分だけが黄褐色。写真は♂で、尾(腹部)の先端に白い毛が生えているのでよく目立つ。
草原や林の周辺の、日当たりの良い場所でよく見られる普通種。待ち伏せ型の狩りをする。普段は葉上や枝の先端にとまり体を休めているのだが、近くを甲虫やハエ、アブなど、他の昆虫が飛ぶとすかさず飛び立ち、強靭な足で羽交い締めにして、口吻を突き刺す。大概は 相手の頭部と胸部の急所ポイントを一差しする、必殺仕置人の技みたいだ。獲物は、マメコガネなどの小型の甲虫から大きなトンボも対象とする。第百三十二夜 (2009/08/14)では、シオヤアブ(♂)がシオヤアブ(♂)を捕獲した写真を紹介した。飛ぶ昆虫なら相手を選ばないようだ。親子ともに肉食で、幼虫は土中や朽
ち木の中にいて、他の昆虫などを食べて育つ。写真のシオヤアブは、飛翔するクサギカメムシを捕らえ、食べている(体液を吸う)。
Photo:2012/07/10 @京都御苑
Photo:2012/07/10 @京都御苑
2012年5月2日水曜日
第三百三十四夜/エノキの虫こぶ
エノキの新葉にテングチョウの幼虫を探している時に不思議なものを見つけた。葉の表面にドングリのような形の緑色した「こぶ」である、これは「虫こぶ(虫瘤)」と呼ばれるもので、植物の内部に昆虫が卵を産み付けることによって、植物組織が異常な発達を起こしてできるこぶ状の突起のこと。虫癭(ちゅうえい)とも言う。虫こぶは、昆虫の種類と樹種(樹木の種類)の関係が強いようで、どれでもいいと言う訳ではなさそうだ。
ある特別の関係が必要。今日、見つけた虫こぶの場合=「(植物名)+(部位)+(形状)+フシ」→「エノキ+ハ+トガリ+タマ+フシ」と呼ばれる。この虫こぶの中には、エノキトガリタマバエの幼虫が入っているはずである。この虫こぶは、もう少しすると、葉から脱落して下に落ちてしまう(写真の葉上には2個が並ぶが、葉の中ほどに既に落ちてしまったと思われる丸い痕跡がある)。幼虫は、地上におちた虫こぶの中で、来年の春まで過ごし蛹になり、3~4月に成虫になって虫こぶから出て、エノキの新芽に産卵する。どんなハエか知らないが、全く不思議な生活である。Photo:2012/05/01 @京都御苑、京都市
参考文献:日本原色虫えい図鑑 湯川淳一、桝田長 編著 全国農村教育協会
2012年4月25日水曜日
第三百三十二夜/セアカクロキノコバエ
すっかり暖かくなって樹林地では、ハグロケバエがわんわんと飛び出している。羽化した個体が地面を歩き、梢ではフワフワと舞っている。同じようなケバエが葉に止まっている。こちらは体が赤い種類と思い写真を撮る。最初は気付かなかったのだが頭部の大きさ、触覚の形状でケバエでない事に気付く。体つきは、ガガンボの様でもあり、チュウレンジバチの様でもある。小さな頭部に鮮やかな橙赤色の体、黒い翅が特徴的で触覚と脚が長い。調べるとセアカクロキノコバエと判った。名前から想像できる様に幼虫はキノコ類の菌糸を食べると推定されている。普段は出会っても素通りしてしまうような虫なのだが、ケバエを観ていておまけのごとく気がついた。一度見ると興味が向かう。Photo:2012/04/24 @京都御苑、京都市
2011年5月21日土曜日
第二百八十八夜/マガリケムシヒキ
水辺の草地でアブが盛んに小さなムシを捕らえている。このアブの名は「マガリケムシヒキ」という体長15~20mm。全体は黒く、胸部背に灰白の模様があり、肢の脛節は黄褐色をしている。♂の腹部先端は丸く、♀は細く尖っている、だから写真の個体は♀である事がわかる。成虫はヨコバイ、ハエ、ガガンボ、ハナアブなどの小型の昆虫を捕らえて体液を吸うが、幸い人の血は吸わない。名前の「マガリケ」は♂♀共に頭部裏にある、前方90度に曲がった毛を持つ事から名前が付けられている。♂♀の腹部の形も曲がった毛も他の人にとっては、どうでもいい食えない話だけど、やっぱり自分の目で実際に確かめたくなる。Photo:2011/05/20 トンボ池(一般公開の日)、京都御苑2010年3月31日水曜日
第百九十三夜/何かがおかしい? ハナアブ
2009年10月6日火曜日
第百五十一夜/ハチみたいなハエ=ホソヒラタアブ
今夜の虫は、ハチをまねたハエ、ホソヒラタアブ(ハナアブ科)。体の虎模様はミツバチにそっくり、でもよく見ると触覚や口の形が違う、翅も左右2枚しか無い。体色を黒くするとハエである・・・そう、アブはハエの仲間である。ハナアブにこの模様が多いのは、毒をもっていないアブがハチに似せて身を守っているからだと言われている。つまり同じ花の蜜を吸うミツバチに似ることによって効果的に身を守ることができると言う訳。このホソヒラタアブは飛ぶのがとてもうまく、空中で停止したり(ホバリング)、交尾も空中で行なう。成虫は花の蜜を吸うが、幼虫はウジ虫型で草木の葉上でアブラムシを食べる。写真の花はミゾソバ。Photo:2009/10/03 @トンボ池、京都御苑
2009年8月14日金曜日
第百三十二夜/シオヤアブ vs シオヤアブ
今の季節には、樹林地でも草地でもよく目にするシオヤアブ。草の葉上や枝先に止まっている個体を観察していると必ずと言っていいほど狩りのシーンに出くわす。メニューは幅広く、ハエ、ハチ、小型のトンボ、チョウとにかく近くを飛びすぎる昆虫を見つけると捕らえる。時には自分よりもはるかに体重の重いコガネムシなんかにも平気で襲いかかる。大物ではニイニイゼミを捕らえたのを見たことがある。しかし、ハチなんかのちょっと手ごわい相手は途中で手放すこともある。今日の獲物は、運悪く近くを通りかかった少し小さなシオヤアブ・・・つまり共食い。このアブは獲物を獲物を丈夫な脚で羽交い締めにし、太いストローのような口をぶすりと獲物に突き刺し体液を吸ってしまう。不思議にも捕らえられた獲物はさほど抵抗もせず、たやすく体液を吸われてしまう。この虫よほどツボを知っているのか、もしくは唾液に麻酔剤の様なものが入っているのかも知れない。写真のシオヤアブの尾の先端には白い毛のような飾りがあるこれは♂、♀はこの部分が濃い青色に光っているのですぐに判る。Photo:2009/08/09 @トンボ池・京都御苑
2009年7月4日土曜日
第百十三夜/巨大ガガンボ
今日は、小学生親子40数名と一緒に安土町文芸の里・子どもの森を歩く。午前中に一人で下見。ゆっくりと歩くとたくさんの生きものが現れた。ホトトギスやタカ類の鳴き声も聞こえる。上手くいけばタカも見れるかも・・・今日は期待出来ると思っていたら午後になってから気温が高くなって、また人数が多くて現れるものも現れない、見過ごしてしまう・・・。目にするものは、オニヤンマ、ノシメトンボ、シオヤアブ、オオシオカラトンボ、ツマグロヒョウモン・・・。つい容易に眼につくものに話題が集る、これはまずい。こんな時こそ普段見過ごしてしまうような生きものに目を向けたい。そんな中、現れたのがこの巨大ガガンボ=「ミカドガガンボ」、体長3.5cmほどだが脚を広げると子どもの手の平か、それよりも大きい。日本産のガガンボで最大種。地味だが見ているとけっこう「変」で面白い。本当は谷筋を行き来するオニヤンマが虫を捕らえる場面をじっと待っていたいとこだった。Photo:2009/07/04 @安土文芸の里、安土町、滋賀県
2008年9月19日金曜日
第十六夜/蚊に刺されると本当に痒いか?
仕事をしていると一匹の蚊がしきりにやってくる。気がついたら左腕にとまって血を吸おうとしているではないか。蚊の写真は無かったので血を吸わせる代わりにワンショット。一旦、口先を皮膚に刺せば、少々こちらが動こうが平気で吸ってる。右手でカメラを構えながら、吸い始め(多分)から吸い終わりまでの時間を計ると約4分。蚊のお腹は真っ赤に透けている。お腹いっぱい血を吸って体が重くて満足に飛べない。当の僕はと言うとほとんどかゆみを感じない。これは蚊の吸血の満足度によるものらしい。蚊は人の皮膚に口先をさした時に血が固まらないようにダ液をまず注入する。そして血を十分に吸ったあとは最後に自分が出したダ液さえも吸い取ってしまうらしい。実はこのダ液がかゆみを起こす原因と言うのだ、つまりダ液が残らなければかゆみも出ない。だから蚊がお腹いっぱい吸血して満足するほどかゆみはない。一度、お試し下さい。ちなみに実験によるとO型の人の血をもっとも好むらしい。さて、僕の血をたんまり吸った蚊は一晩、シャレーならぬ「シャーレ」と言うガラスのお宿にお泊まり頂いた。今朝、容器をみると底のガラスに卵がいくつも産んであった。彼らは吸血して初めて産卵することが出来るということが判る。写真の蚊はヒトスジシマカ、もちろん雌。雄の蚊は吸血はしない。【2008/09/19】
2008年9月9日火曜日
第八夜/名も知らないハエ
散歩の時に出会ったハエ。喫茶店でお茶を飲んでいると横の壁に止まった。僕の目も止まってしまった。なんとなく目も会ってしまった。なぜなら、ハエと一言でいってもその「口」が面白い形だったから。見れば見るほど不思議な形、実に独創的、しかも愛嬌がある。蝶の場合は螺旋のストロー状の口を持っている。このハエはストローをそのままくわえたままの感じ。どうしてこんな形に進化したのだろうか、どんな生活をしているのだろうか、なにも知らない。テレビでは今日も自然系の番組でいろいろな「他国の生きもの」を紹介している。それにも決して負けないと思った。ただこいつは「日本にいる地味なハエ」なだけ。このハエは、写真を一枚だけ撮らせてくれただけで飛び去ってしまった。もう少し見ていたかった。このハエを見つけたのは、ちょうど2年前の今頃、京都・銀閣寺の近くだった。それから二度と会えない。名前もまだ判らない。生きものってやっぱり不思議である。彼らは喫茶店で騒いでる人間を見て「不思議ないきものだな〜」って思ってるんだろうな。【2008/09/09】追記:種名判明! 見る人に見て頂くとすぐ判った。「クチナガハリバエ(アシナガヤドリバエ亜科)」すぐに判るはずである、一属一種らしい。これはやはり変わってる。幼虫はコガネムシの幼虫に寄生する、成虫は花の密を吸うために口がこのようなストロー状に特化したようだ。調べるうちに、日本産ヤドリバエ科は現在約450種が記録されており、まだ未記載の種類が沢山ある、実際はその2倍は居るのではないかと言われている大きなグループだった。ハエも深いな〜。さて、次はどうやってこのハエがコガネムシの幼虫に寄生するのか知りたくなる。でもこの分野に足を踏み入れると大変なことになる。
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