2014年4月28日月曜日

第六百四夜/双子のカモかも?

 鴨川の中州で2羽のカモ(ただしこれはカルガモとマガモの交雑種と思う)を見る。今の季節、他のカモ達はペアになっているのに彼らは雄同士、ぴったりとくっついて休んでいる。体の大きさ、首を羽に入れている姿、立ち上がった時のタイミング、そして仲の良さ。どこをとっても瓜二つ、まるで双子のようだ。鳥の一卵性双生児っているのだろうか? Photo:2014/04/27 @鴨川、出町柳、京都市

2014年4月27日日曜日

第六百三夜/センチコガネの求めたもの

 一匹のセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatusが飛んでいたので後をつけると、ふんわりと地面に着陸、今度は急いで歩き出す。そのさきにあったものが写真のもの。一片のイヌ糞だった。糞に近づくと裏側に回り込み、地面を掘りはじめた。こんな一片の糞のニオイを嗅ぎ付ける能力に驚く。Photo:2014/04/27 @京都御苑、京都市

2014年4月26日土曜日

第六百二夜/雑木林のヤマガラ

 今の季節、雑木林を歩けばいろいろな鳥たちの声が聞こえる。中でも僕が好きなのは、ヤマガラ(Parus varius。雄のさえずりの「ツツピー ツツピー ツツピー」はシジュウカラのそれよりも、少し間がぬけた、なんだかおっとりした感じだし、小枝を行き来する時は「ミーミー」のようなあるいは「ムームー」のような甘えた感じの鳴き声だ。そんなヤマガラを観ていると、コナラやサクラの新葉から沢山の虫を獲ることがわかる。10秒に一度以上の高い確率で虫(主に蝶や蛾類の幼虫、クモ類など)を食べている。一日に獲る虫の量はどれほどのものか。Photo:2014/04/25 @八幡山、近江八幡市、滋賀県

2014年4月24日木曜日

第六百一夜/冬から春へ・ツグミ

 湖畔の柳の茂みに休む一羽のツグミ(Turdus naumanni 、この茂みにいさえすれば猛禽類から狙われることも少ないだろう。近くには何羽もの仲間がいる、これは日本で冬越ししたツグミが生まれ故郷・シベリア地域への渡りも近くなって来たことを物語る。日本に渡って来た頃(秋)、群れていたものが冬を向かえると単独行動になり、今は再び渡りのための群れをつくり出した。単独での渡りは、とてもリスクがあると言うことと、向こうですぐに繁殖するために渡りの途中でパートナーを見つけるためだろう。この時期、近くの畑や水田では農家の仕事が盛んだ、農地を耕転すると土中から多くの小動物が出て来る。これは渡りのために十分な体力をつけるためにはまたとない機会である。彼らの渡りと農業の関係が結びついていることが判る。 
 かつて日本では、多い年で400万羽以上が霞網猟(1947年に禁止)で食料のために捕獲された。今では霞網猟の危険は減じたが、渡りの大変さは変わらない。十分な体力をつけ、子育てをしたのち、またここに帰って来てくれることを願う。Photo:2014/04/24 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2014年4月23日水曜日

第六百夜/夏の鳥・キビタキ

 一匹のキシタアゲハ(東南アジアに生息する大型のアゲハチョウの一種)が 樹々の間を舞っているかと見間違うほどに蝶のような飛び方をする小鳥がいた。その飛び方は音もなく軽やかで、時おり黄色い体色が見える。近づくと一羽のキビタキ(Ficedula narcissinaの♂がクスノキの横枝に止まっている。時々ふわりと飛び立ち、飛んでいる昆虫を上手く捕らえていた。この鳥、樹々のてっぺんでも地面でもなく、ちょうど中間の高さの辺りを生活の場としているので意外に観察し易い。「キビタキ」という名(黄色いヒタキ)の通り、喉と腰の辺りの色がオレンジでとてもきれいだ。

追記:ヒタキの語源は〈火叩き〉または〈火焚き〉といわれ、ヒタキ類の多くは火打石をたたきあわせる音に似た「ヒッヒッ,ピッピッ,カタカタ」という声をよく出すことによることから。
 Photo:2014/04/23 @京都御苑、京都市

2014年4月22日火曜日

第五百九十九夜/木に登りはじめたゴマダラチョウの幼虫

 ようやくエノキの梢に新葉が芽吹き出した。木の根元の枯葉で冬越しをしていたゴマダラチョウ(Hestina japonicaの幼虫もようやく木の登りはじめた。エノキの枝につかまり休む幼虫(腹足で枝をつかみ、上半身を起こしている)を観ていると彼らの頭に生えている角の役割が判ってくる。今の体色は薄茶色でまるで木の枝のようだが、これから若葉が大きくなるにつれ、体色も緑色に変化し、休む場所も枝から葉上に移る。体色が緑色になってもこの頭の角はあるが、この角の役目は体色が茶色の時にあるようだ。つまり春先は葉が大きくないので枝上にいることが多い。この時に自分の体を枝から分岐する小枝に見せ、角もまた自らの体と言う小枝から枝の突起物の様にみせているのだ。冬場、樹々の根元で冬が越しをする時は、落ちた枯れ枝に扮し、春には枝の一部に見せかける。環境的な条件が悪い時ほど、この手の体色や体形が外敵から身を守るために活きてくる。夏場に葉上に休む幼虫の角を見てもユニークな特徴としか見えず、この役割はなかなか判らない。Photo:2014/04/22 @黒谷、京都市

2014年4月21日月曜日

第五百九十八夜/早春の蝶・コツバメ

 花背の山を歩くとアセビの多さに驚く。鹿が灌木や下草を食べた結果、有毒なアセビが残り他の灌木との競合をすることなく成長した結果である。そのアセビの周りには沢山のコツバメ(Callophrys ferrea=翅の表は濃い青、裏は茶色い小型のシジミチョウで胴体は毛深い、雑木林の周辺に生息し、敏速に飛ぶ。早春の森はまだ寒い、そんな時は体を温めるために、陽光を翅全体に受けるために体を倒していることが多い。幼虫は、アセビ以外にツツジ類などの花やつぼみを食べる。以前はこんなに個体数はいなかったような気がする、コツバメにとって鹿の食害がプラスになっているだろう。Photo:2014/04/19 @花背、京都市

2014年4月20日日曜日

第五百九十七夜/ビンズイ

 自然教室の下見で花背の森を歩く。アカゲラやアオゲラの声を聞きながら上を向いて歩いていると足元近くから一羽の小鳥が飛び立った。その小鳥は近くの倒木に止まりこちらをうかがっていた。その小鳥は京都御苑でもよく見ることが出来るビンズイ(Anthus hodgsoniだった。下界から繁殖のために花背にやってきたのだろう。街で見るより鋭い印象を持つ。Photo:2014/04/21 @花背、京都市

2014年4月17日木曜日

第五百九十六夜/クマバチの羽化

 なにげなく頭上を見上げると松の枯れ枝に孔があいている。これがクマバチ(Xylocopa Latreilleの巣であることは知っている、だが今日はちょっと違った。時おり中からハチが顔を出していたからだ。一匹飛び出し、二匹飛び出し、ようやく三匹目で写真が撮れた。孔から飛び出したハチは、巣孔の近くで少しホバリングしたかと思うと、思い思いの方角に飛んでいってしまった。Photo:2014/04/16 京都御苑、京都市

2014年4月16日水曜日

第五百九十五夜/私ここにいるんだけど

 ようやくオオルリとクロツグミがやって来たらしい・・・鳥好きの人たちは夏鳥の話題で持ちきりだ。すぐ前の生垣の下ではシロハラ(Turdus pallidusが餌を探して枯葉を散らかしている、シロハラを見ながらそんな話題を近くのベンチに座り耳にしていた。しばらくするとシロハラは生垣から出て来て、僕の前で立ち止まり見上げる、鳥好きの人たちの前まで行って同じ様にする。鳥の写真を撮る人たちの中には、餌付けをすることもあるのでそれを当てにしてのことか。でもあまりにもこのタイミングに笑ってしまう。まるで自分の存在をアッピールしているようだった。残念ながら誰一人としてシロハラには見向きもしない。Photo:2014/04/15 @京都御苑、京都市

2014年4月15日火曜日

第五百九十四夜/アオジ

 御苑で冬を越したアオジ(Emberiza spodocephalaもそろそろ子育てのために本州中部地方以北に移動する時期になって来た。♂もすっかり夏羽に変わった。けっこう人を恐れない鳥なので落ち葉の間に落ちている草木の種子を探している時は、こちらがじっとしていれば足元50cmほどまでやって来る。地味だけど美しい小鳥だ。Photo:2014/04/15 @京都御苑、京都市

2014年4月14日月曜日

第五百九十三夜/カワウの巣づくり?

 カワウのコロニーでは、すっかりひな鳥も大きく成長している。コロニーの森全体がうっすらと雪化粧をした様に糞で汚れている。親鳥を待つひな鳥も、ひな鳥に餌を運ぶ親鳥の姿も多い。なかに面白い行動をする一羽を見つけた、コロニーになっている森からヒノキの一枝をくわえ、コロニーの上をぐるぐると飛んでいる親鳥。これは巣づくりの場所を探しているのだろうか。Photo:2014/04/13 @垂仁天皇陵、尼ケ辻、奈良市

2014年4月13日日曜日

第五百九十二夜/カルガモのカップル

 御陵のお堀堤でカルガモのカップルがくつろいでいた。近くの林では、カワウが子育ての真っ最中、カルガモの子育ては水田に水が張られる頃だろうからもう少し先か。Photo:2014/04/13 @垂仁天皇陵、尼ケ辻、奈良市

2014年4月3日木曜日

第五百九十一夜/街に住むイソヒヨドリ

 声高々にさえずるイソヒヨドリ(Monticola solitarius。和名どおり海岸や岩山などで多く見られ、磯や岩場に多く生息していて、ヒヨドリに似ていることからこの和名がついている。でも名前から遠くはなれた街の中でもしばしば観ることが出来る。コンクリート構造物(平たく言えばビル)の環境が岩場に似ているためだろう。今日は小学校の屋上でさえずる♂を見つけた。数回さえずった後は、♀を探しているのか、縄張りに入って来る♂を警戒しているのか反応を見るかの様に周りに眼を凝らし、耳を傾けるような表情で面白い。もう一つ名前からは誤解しがちだが分類上はヒヨドリ科ではなくツグミ科でまったく別の鳥である。Photo:2014/04/03 @大和西大寺、奈良市

2014年4月1日火曜日

第五百九十夜/不思議な幼虫・ニジュウヤホシテントウ

 葉も無いクサギの幹に這い上がって来る不思議な虫。ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)の幼虫である、地際の落葉の中で越冬していたに違いない、クサギの幹に絡む様に成長するナス科の植物の芽だしを待っているのだろう。小鳥達に見つかり易い場所なのに多数がいると言うことは、きっととてつもなくまずいに違いない。刺だらけの体に、黄色地に黒点の典型的な防衛色(警戒色)。ナス科農作物の害虫と言われるけど、親も子もベジタリアン。Photo:2014/03/01 @京都御苑、京都市