2013年12月18日水曜日

第五百六十二夜/さよならタマムシ

 遺跡巡りで立ち寄った仏塔の隅でタマムシを拾った。ほとんど瀕死の個体である。上着のポケットに入れて持ち帰る。ホテルでポケットから取り出してみる、やっと生きているという感じ。もちろんまともに歩くことなんか出来ない。小さなタッパーにネムの木の葉と一緒に入れておく。大きさはヤマトタマムシほどだが、全体的にがっちりとした感じである。さてこのタマムシ、2、3日経つとすっかり元気になってしまった、糞も良くする。元気になったものを持ち去ることはしたくない、ホテルをチェックアウトするときにホテルの庭に放した。さよなら、元気で。Photo:2013/12/18 , Bagan,Myanmar

2013年12月15日日曜日

第五百六十一夜/エダシャクの仲間

どこにいても、どこを歩いても虫が目に入ってくるのは仕方が無い。もちろん実際に虫が目に入ってくるんじゃなくて、「虫の姿が目に映る」ということだけど。熱帯と言えども乾期は虫が少ない季節。白いものがふわりと花を求めて飛んで来るとつい駆け寄ってしまう。今回は、エダシャクの仲間だった。それにしても虫が少ない。Photo:2013/12/18 @Pyin Oo Lwin, Myanmar

2013年12月13日金曜日

第五百六十夜/テナガザルと遭遇

 森を歩いていると突然、比較的近くの木立から「ホウホウ・・ホウホウ・・」と大きなかけ合いの鳴き声がした。この声は昔、ボルネオの森でも聞いたことがある。だからこれがテナガザルの声であることはすぐに判った。ただどの梢で鳴いているかが判らず、時々する声だけたよりに探す。頭上でテナガザルが枝を飛び越えて行く音で場所が判った。地上より20メートルほどの梢で2頭のテナガザルがこちらを見ていた。完全にこちらの姿は見られている。こちらを気にしながらも2頭のテナガザルは時折、森中に響く声で鳴き合っていた。1キロほど先の森からも同じ声が聞こえていたので別の個体がいるはずである。このテナガザルは、テナガザルの中では最も北西部に分布し、インド北部からミャンマーにかけて生息するフーロックテナガザル(Hoolock。テナガザルの声は、約1時間ほど続いたが午前10時30分になるとぴたりと止み。やがて居場所も判らなくなった。距離にして約25メートル、野生のテナガザルが至近の距離で見れたことはラッキーだった。残念なことにこの時は、コンパクトデジカメしか持ち合わせておらず、写真は見ての通りであるが、肉眼にしっかりと焼き付けて来た。奥の黒い個体が♂、こちらを向いて宙を飛んでいる白っぽい個体が♀。Photo:2013/12/13 @Pyin Oo Lwin, Myanmar