2009年1月28日水曜日

第五十四夜/万年筆ヤスデ

 さて,森でのドリアン話しの続き。ドリアンを食べて種や皮を足下に捨てると驚くほど早くいろいろな生きものが集って来る。それほどドリアンの香りは強く,果肉は美味しい。やってきたのは「万年筆ヤスデ」と呼ばれる大型のヤスデ,長さ25cmぐらい,太さ直径1.5cm強。普段は触るときれいなゼンマイ状(螺旋状)になるが今日はドリアン食べたさか興奮状態でいくら触ろうがつつこうが,まったく丸くならずひたすらドリアンの種の表面に残った果肉にまとわりついていた。いくらシーズンだからといって,彼らがこの美味しい果肉にありつけるのは唯一,誰かが食べた後だけだから仕方が無い。【2009/01/28】Photo:ドリアンの果肉を探す万年筆ヤスデ,地面に落ちている棘はドリアンの外皮の棘  @Batang Duri. Brunei 2009/01/16

2009年1月27日火曜日

第五十三夜/野生のドリアン

  今の季節,マレイシアは果物の王様と言われるドリアンのベストシーズン,僕も久しぶりに大好物のドリアンを沢山食べた。ドリアンの楽しみは食べるだけにあらず。トラックの山積みドリアンの中から自分の好みの味を探す事から始まる。柄の状態,針の感じ,重さ,振った時の振動,そして最後に皮をすこし開いて香りを確かめる。探すのに15分,やっとありましたこれぞと思える一個。やっぱりうまい。田舎に行けば市場で野生のドリアンを売っている(街で売っているのは果肉の多い栽培種)。今回もいろいろなドリアンを見る事が出来た。中でもブルネイの森で食べた野生のドリアン(実の表皮が赤く,棘が緑,そして中身が濃い黄色)は果肉は少なかったのだが,いままで食べたドリアンで一番濃厚な味で美味しかった。山では,ナタ(パラン)で棘を全部取り去ってから,半分に割って食べます。食べ終わった種を川に捨てると残った果肉に魚が群れます,森に捨てるといろいろな動物や昆虫がにおいにつられてやってきます。みんなドリアンが好きなんですね。不思議に現地の人も食べ終わった種を遠くに投げ捨てます。そうやってドリアンの種は森に暮らす生きものによって遠くに運ばれます。ドリアンは甘い果肉を野生動物に食べさせることによって子孫を森に広げる。そして森に住む民(ここではイバン族)は,ドリアンやラタンを始め森に暮らすために必要な様々な草木(有用植物)を守り・残していく。一見,全く手つかずに見える森にも自然生態系の一部に組み込まれた森の民が大きく関っている事が判る。上手く出来ていますね。だからドリアンは森で食べて,種を遠くに投げるのが正しい食べ方?【2009/01/27】
Photo(上):野生のドリアン,直径20cm〜25cm,実の表面は赤く,棘が緑。Photo(下):ナタで半分に割って果肉を食べます。中に見える楕円形の白い部分は種の断面,種と皮のあいだのクリーム色の部分が果肉 @Batang Duri. Brunei 2009/01/16

2009年1月26日月曜日

第五十二夜/所変わっても品変わらず・アオスジアゲハ

 マレイシア・コタキナバルの街を歩いていると道路脇の駐車場の濡れたところにアオスジアゲハが吸水に来ていた。この蝶は日本のものとほとんど変わらない。但し,街路樹にクスノキ科の植物があまり使われていないので日本の夏に見かける個体数よりもずっと少ない。日本の街の中の方がずっと個体数が多い。それは食樹である街路樹にクスノキが沢山使われているからだ。普通のアオスジアゲハと判っていてもやっぱり写真に撮っておきたい,そこで最初は落ち着きなく飛び回るチョウが止まりそうなところに見当をつけて待つ,「元気だね〜ここにきなさい」なんてぶつぶつ言いながら,ひざまづきほとんど地面にうずくまる様な、さらには腹這いのかっこで写真を撮る・・・と知らずのうちに僕の後ろで何人かの人が必ず立ち止まって見ていく(多分,最初は心配してくれて)。僕は蝶を撮り,通行人は僕を観察していく。何人かは、ひと言ふた言質問し、説明を聞き「ほうっ〜」って言うが,ほとんどの人の頭の中は「???」だろう・・・そりゃそうだ。【2009/01/26】
Photo:駐車場で吸水をするアオスジアゲハ。背景に見えるのは車の下側。@Kota Kinabalu,Sabah,Malaysia 2009/01/20

2009年1月25日日曜日

第五十一夜/所変われば色変わる・赤いツマグロオオヨコバイ

 僕たちの暮らす身近な場所であればどこでもと言うほど見かける昆虫にツマグロオオヨコバイと言うセミの仲間がいる。成虫は,全体が緑色で頭の部分に黒点そして羽の端部に黒い紋がある。この虫の幼虫は黒紋は無く,黄緑色の体の形から「バナナムシ」と呼んだりもする。東南アジアのブルネイの熱帯雨林の森でもこのツマグロオオヨコバイ見かけた。但し見つけたのは,赤いツマグロオオヨコバイ。日本の緑色のものとは種類が違うと思うが,色を除けばその他は大変に良く似ている。止まっているのは,バナナの葉っぱだから赤い体が逆によく目立ってしまう。この体色からすると普段は,赤い葉か赤い葉柄(葉っぱの付け根の部分)を持つ植物にいるのかもしれない。この小さな昆虫の仲間は,特定の植物との関係を強く持ち,世界中のあらゆるところにいるらしい。同じ種類でも,所変われば色変わると言う事もあるかもしれない。詳しい名前を探る事もこれからの楽しみ。【2009/01/26】Photo:@BANGAR,BRUNEI 2009/01/15

2009年1月24日土曜日

第五十夜/マングローブに生きるテングザル



 五十夜の今夜は海外編。最近,テレビでもお目にかかることの多いテングザルの話し。テングザルは,世界中でもボルネオ島のマングローブ林だけに生息する大型のサル(ボルネオ島固有種),雄が天狗のように長い鼻をもつために和名ではテングザルと呼ばれる(テングのようにピンと立っていないのでむしろ「釣りバカ日誌のスーさん」に似ている),英名はProboscis Monkey(大きな鼻のサル)。さてこのサルとの最初の出会いは僕がマレイシアに暮らしていた約20年前のこと。休暇を取っての旅行中,マングローブ林にそった道をバイクで走っていた時に突然,草むらから飛出した犬のような動物が僕の膝のあたりにぶつかってしまった。バイクの転倒は免れたが,一方,犬らしみものは草むらにひっくり返ってしまった。幸い両者ケガはなかったが大変に驚いた(こんな経験はもうできないだろうな)。草むらからマングローブの林に逃げていった姿を見てその生きものがテングザルと判った。湿地に広がる林には20〜30頭の群れが見えた。当時,このサルはさほどテレビでも紹介されていなかった。今ではボルネオ島のマングローブ林や湿地林の急速な消滅で、絶滅の危機に直面している。現在8,000頭を下回ったとも言われている。今回,このサルに会いに行ってきた。訪れた場所はボルネオ島の小国・ブルネイ王国。ブルネイは,産油国であるために森林伐採に依存する事なく経済が豊であったために熱帯雨林や海岸から河川にかけて広がるマングローブ林や湿地林が比較的良く残っている。首都の町からボートで20分程度でテングザルの生息地にアプローチ出来た(マレイシアでは少なくとも数時間の移動が必要)。現地旅行社のエコツアーに参加すれば簡単だがべらぼうに費用が高い(約120ブルネイドル=B$),しかも他の参加者がいるとこちらが行きたい場所・留まりたい時間が制限される。ユックリとサルを見るためには,ツアーは利用出来ない。まずは桟橋に行ってボートのチャーター交渉をする事から始まった。テングザルの活動時間が主に朝夕に限られるために,かれらの活動時間前には生息場所に達していて静かに待つ必要があった。お昼を食べて桟橋に行くと何人もの水上タクシードライバーが声をかけて来る(水上村=カンポン・アイルが広範囲にあるので小型のボートが移動手段として発達している)。その中からこちらの条件に合うボートを探す。チェックポイントは,1)サルの居場所をちゃんと知っているか,2)値段は妥当か,3)こちらの要望を理解しているか,など。その中に屋根付きのボート(海の上で待つので日差しが欲しい)のトミー氏と35B$で交渉成立の握手。彼はサルの生息地をよく知っているようで,もし見れなかったら10B$返すと言う。人柄も良さそうでこちらの要望も良く理解してくれた。まだまだ強い日差しの午後2時,マングローブ林にボートを進めた。サルが出そうな場所,また休息中のサルの群れを探した。しばらくして遠くの木に腰掛けるサルを発見。ボートをマングローブの中に滑り込ませ,エンジンを切り,サルの移動を待つ。午後2時半頃になるとサルが徐々に移動を始めた。日射しによって出来た陰影の強い木立の中に休む個体はなかなか見つけられない。しかし,コツが判るとだんだんとサルの存在がよく見えるようになってくる。意外に近くにいたりなんかする。10頭程度の小さな群れだが,メスザルや子ザルが水面上高さ10m程度の枝を移動してきた。そして移動する群れの最後を守るかのように大きな雄ザルが現れた。雄ザルはこちらの様子を伺い,水平に張り出した枝に座った。ちょうど20mほどの距離。雄ザルはこちらを頭上から見下ろしている。赤ら顔に大きな鼻,大きなお腹(肉厚なマングローブの葉や新芽,実を主食としており,その消化のために腸が発達している),長い手足,長い尾,そして変わった毛色。声も聞く事が出来た,「キャッキャッ」と鳴くメスや子どもに対して雄は,「ブグーッ」と言う低いおナラのような声を出した。観察するにはこれ以上の条件は見当たらない。双眼鏡で観察,写真を撮る。しばらく経つと,なんと雄ザルのまぶたがおりてしまった。どうも昼寝の続きのようだった,面白いのは枝から落ちないように長い前後の脚を枝にかけている,時々,首が「がっくと」落ちる。まったく人間と変わらない。寝顔はマングローブの木陰の風を受けて大変に気持良さそうだ。徐々にこちらも眠たくなってくる。両者ほとんど昼寝状態。30分以上もそんな状態が続いた。こちらもそろそろ次なる場所に移動しようかと準備していると,気配を感じてか彼も目を覚まし再び群れに加わっていった。ガイドのトミー氏もこれには興奮気味,こんなラッキーな状態はあまりないらしい。ツアーの様に見ようと焦ってはいけない,写真を撮ろうと焦ってもいけない,まずはサルと同じ気分になる事が大切。さて,しばらくボートを進めると今度は,樹木が生い茂った岸辺に2.0m以上の大きなワニが甲羅干し。こちらは写真は撮れず残念。逆に大きなワニの瞬時の動きに驚いた。その後,20頭以上のサルの群れも見る事が出来た。4時を過ぎるとテングザルを売り物にするエコツアーボートが増えてきた。こうなるとサルの行動が活発になり見やすくなったとしても,見学者が増え,ボートがゆれて,暗くなって来るので写真を撮る条件は悪くなる。さっさと町に帰る事にする。トミー氏の招待で自宅=水上ハウス(柱が水底に立てられた家,床の下は水面。水道,電気はきている。但し下水は下の海に。水上ハウスはとても快適)に行き,奥さん手製のお菓子で少し遅いAFTERNOON TEA を過ごした。トミー氏には約束のボート代35B$に加えてお茶代の御礼にプラス5B$の40B$を支払う。今回はとても短い体験だがテングザルと共に味わったマングローブの木陰での時間は最高に幸せだった。【2009/01/24】
Photo:上/湾内から河口にかけて生育するマングローブ林:東南アジアのマングローブ林は良質の炭(備長炭)生産,エビの養殖,埋め立てなどで急速に消滅している,
Photo:下/昼寝をするテングザル(♂)
@B.S.B, BRUNEI 2009/01/17

2009年1月3日土曜日

第四十九夜/ヨシガモ

 初詣の人ごみを避けて疎水沿いを散歩。例年よりも多いか少ないか判らないがカモのいくつもの小さな群れが道路の渋滞を横目に気持良さそうに泳いでいる。その中になつかしカモを見つける。小学一年生の頃,飼っていたヨシガモだった。僕のヨシガモはヒナの時から飼っていたのでとてもなついていた。やがて田舎(三重県)から京都に引っ越してきた時につれてきたものの,実家の庭で飼うのが少々無理だったので近くの京都市動物園に預かってもらった。動物園の入口広場の大きな鳥用ゲージに入れてもらった。その大きなゲージにはカモをはじめとする水鳥が沢山飼われていたがどれが自分の飼っていた個体か判った。僕はあしげに動物園の大きなゲージに通った,もちろん僕の姿を見つけるとちゃんとやってきた。しかしやがて僕が呼んでも来なくなってしまった。その時は「仕方がないな」と思っていたが,本当は寂しくてしかたなかったに違いない。なぜならそんなことがあってからしばらく大好きだった動物園への足が遠のいてしまったからだ。そんなヨシガモだから目が会ってしまった時は正直嬉しかった。【2009/01/03】
Photo:2009/01/03@京都市左京区岡崎公園/疎水

2008年12月29日月曜日

第四十八夜/スギから生まれたカシの木?


 今年最後のお墓参りに行く。お墓のすぐ横の杉の木を見るとやや不思議・・・よく見ると幹の途中から別の木が生えている(写真下)。今までぜんぜん気づかなかった。さて別の木とは「アラカシ」、つまり常緑性のドングリの木である。杉の木の周りを見てもアラカシは生えていない。ドングリが風に乗って杉の木の洞(うろ)に飛び込むこともあり得ない。きっと小鳥などの小動物が杉の木の洞(うろ)にドングリを隠して、その実が芽生えたのだろう。さて次の疑問、このカシの木は一本か、何本かの芽生えだろうか?カシの根元(つまり杉の木の幹)をみるとこぶ状になって、そこから細い枝が何本も生えている。カシの木の仲間は、枝や幹を伐られたとしても細い芽(ひこばえ)をだして(このことを萌芽=ほうがと呼ぶ)株状になる特性が強い。このカシの木を見ると以前に伐られた様子もあまりうかがえない。ひょっとすると小鳥が冬支度のために洞(うろ)に蓄えたドングリがいっせいに芽生えたのかもしれない。しかしカケスやリスが実の実を洞に隠すことはあるが、この街中の墓地で他の動物でこんなことをするのがいるのか?今後、どんな成長を見せてくれるのか、お墓参りの時の楽しみが増えた。一本の木を見て頭の中ではいろいろなシーンが想像された。【2008/12/29】Photo:@京都市左京区黒谷

2008年12月18日木曜日

第四十七夜/モズのはやにえ(カマキリ)

栗東の里山でアキアカネを見つける。12月も半分過ぎたと言うのに元気に飛んでいる、通常は夏前に羽化するのでもう半年近く生きていることになる。そんなアキアカネの写真を撮ろうとしていたら目の前にあったのが「モズのはやにえ」。生きものの写真を撮っていると良くあること。一度、目にする(見つける)と続けざまに見つかる。例えいなくても何となく気配があるとか、いそうな気がするとか(この「感じ」はけっこう当る)。今回もそれに近い。アキアカネを見つけるまでは、「こんな場所にはやにえ、ありそうだな」と思っていた。この「はやにえ」は、コカマキリのようだ。すでに頭とカマの部分(前脚)は無くなっているが、後ろ足と羽、残された体の形で判る。さて・・気がつけば、アキアカネはどこかへ飛び去ってしまった。
【2008/12/18】Photo:2008/12/14 @こんぜ桃源郷こんこん山(栗東市井上)

2008年12月10日水曜日

第四十六夜/モズのはやにえ(早贄)


 アートギャラリーの小さな庭で『モズのはやにえ(早贄)』を見つける。『モズのはやにえ)』とは、モズが捕らえた獲物の小動物を木などの先端にさしておいたもの。庭では高さ2m程度のムクゲの木の枝先に2匹のバッタが刺されていた。果たして冬の保存食として利用するのかは定かではないが、春になる頃にはあまり見つからないことを考えると少しは利用されているかも知れない(もちろん忘れられているものも多い)。はやにえはモズの縄張りとも関係するのか、同じ場所で複数見つかることが多い。今回、見つけたのはコバネイナゴ(上)とオンブバッタ(下)。その他、よく見るメニューは、トカゲ、カエル、オタマジャクシ、イモムシ、カマキリなど。以前、小さなネズミのはやにえも見つけた。変わったものでは小魚、大物としては小鳥もメニューとして上がる。こうなればモズは、日本最小の猛禽類(もうきんるい=タカやワシの仲間)と言ってもおかしくない。【2008/12/10】
Photo 2008/12/10 @近江八幡市ボーダレス・アートギャラリーNO-MAの庭

2008年11月24日月曜日

第四十五夜/ニホンアカガエル

近江八幡市の近江奥島の森に出かける。林縁のほとんど、そして芝生の一部がずたずたに掘り起こされている。よく見ると一面にイノシシの足跡が残る。芝生広場から林縁へ、そして小川を越え林内にいく筋にもつづく獣道。作物のない公園とはいえイノシシの被害が尋常でない、夜の様子も想像出来る。もし周辺に農地があったとしたらその被害は簡単に想像出来る。イノシシは果たしてなにを探していたのだろうか。イノシシの荒らした林縁を歩いていると足下から一匹のカエルが飛出した。目の後ろから背中に続く線の様子からこれはおそらくニホンアカガエル。こんな小さなカエルもイノシシ達にとってはごちそうなんだろうなと思う。カエルは草むらに戻っていったが、無事生き延びることが出来るか心配だ。【2008/11/23】
Photo : 2008/11/23 @滋賀県近江八幡市近江奥島の森

2008年10月28日火曜日

第四十四夜/イタチ

第四十二夜(10月17日)の「交通事故死のウグイス」を拾った近くで今夜はイタチ(大きさからチョウセンイタチと思う)に遭遇。道路を跳ねるように転がるように目の前を左側から右側に横切ってきた。ちょうど止めてあった自転車の近くでこちらを見ていたのでカメラを急いで取り出す、残念ながらイタチはブロックの隙間に飛び込む、しかしまだこちらの動きをうかがっている。なんとか一枚だけ撮る。なにぶんとっさの出来ごとと暗い場所なのでぼんやりしている。ヤマブキ色のきれいで大きな個体(40cm近くあるようだ)だった。イタチと言えば子どもの頃、手足付きの毛皮が(姿のまま)女性用マフラー(襟巻きって呼んだ気がする)になっていたことを思い出す。ちょうど口の部分がクリップになっていて、首に巻いたときイタチの腰の辺りをはさむことが出来た。もちろん僕の母も持っていた。これを僕は実際の生きているイタチを想像しながら触れているのが好きだったことを思い出す。【2008/10/27】
Photo : 赤丸の中央の黄色いものがこちらを見ているイタチの顔 @京都市左京区聖護院

2008年10月24日金曜日

第四十三夜/カマキリの夜は更ける

近江八幡市にある近江兄弟社小学校の穴窯(作陶用の窯)に連日、薪がくべられている。今日はそんな穴窯の作業を見に行った。穴窯のある場所まで田んぼ沿いの暗い道を歩いていった。驚くことに2kmも前から風の中に窯から出る煙のにおいが漂っていた、においは近づくにつれ濃厚になる。行ってみる子どもたちが真っ赤に燃える穴窯の中に薪を投げ入れている。なんともダイナミックな火遊びだ。そんな作業を離れた場所で眺めていた時、穴窯の光に照らされたネットにオオカマキリのシルエットを見つける。電気に誘われた虫がネットに止まるのを待っているのか、しきりに歩き回っている。そんなところを子どもたちに見つかってしまった。子どもたちが手を伸ばすと一瞬早く草むらにぽとりと落ちて闇に身を隠した。【2008/10/24】
Photo : オオカマキリ(♀)2008/10/24 @近江八幡市北之庄

2008年10月17日金曜日

第四十二夜/交通事故のウグイス

夜、仕事帰りに近くの店まで買い物、道路の真ん中に何かが落ちている。見ると交通事故死のウグイスだった。今しがた事故にあったらしい、まだ羽や脚が柔らかい。ちょうど神社の向かいだったので路面から拾い上げ近くの生垣の下におく。さて買い物から戻り、事故死のウグイスを見ると跡形も無い。この間、10分ぐらい。この辺りで道路を横切るイタチをたびたび目撃、この鳥もイタチが持っていったのか。死して他者の糧となる、悲しいなかにもなんだかほっとする。前回のキジバトと偶然に鳥の話しが続いた。【2008/10/17】
Photo : 事故死のウグイス 2008/10/17@京都市左京区聖護院

2008年10月16日木曜日

第四十一夜/キジバト

大好きな俳優・緒方拳さんがさる5日に世を去った。人間の死って突然来るものなのだと思う。こんな時、自分もいつか体験する死におきかえて考える。以前、自宅の近くの真如堂の森でうずくまるキジバトを見つけた。体には外傷の一つも見当たらないがまったく身動き一つしない。鮮やかな目の瞳孔にはあきらめや怯えの表情も無い、それどころか穏やかな表情だった。自分にやがて訪れる「なにか」をすでに悟っているのか。僕はしばらくこのキジバトのそばにいたが、なにもせず森を後にした。こんな時はいつも、今までに自分の手の中で息を引き取っていった数多くの鳥達のことを想い出す。そしてこの森を通る度に死んでしまった鳥たち(何度か埋めた森でもあるから)やこのキジバトのことを想い出す。
【2008/10/16】Photo : キジバト@京都市左京区真如堂2007年秋

2008年10月15日水曜日

第四十夜/楽しい稲刈り・マムシにご用心

稲刈りのシーズンも盛りを過ぎた。かつて丘陵地の水田で稲を刈っていた時に出てきたのがこの写真のマムシ(45cm以上あったので大きな個体)。周りから稲を刈ったものだから最後に刈り残った場所から飛び出てきた。おおっマムシだ!すると今度は僕の脇から農家のおじいさんが飛び出てきて、すかさず鎌の柄で一撃、首の骨を折られたマムシは近くの小川で皮をはがされておじいさんにとって一番の収穫物となった(その夜の酒の肴=蒲焼きになったかな)。周りでそれをみていたおばあさんたちの手にはビニール袋が握られ、中には沢山のイナゴが入っていた。無農薬の水田には、昆虫がいっぱい来る、それを求めてカエルもやって来る、カエルを求めてヘビもやって来る、カエルやヘビを狙ってあぜ道にはサギが歩き、上空ではタカが飛んでいる。生きものが賑やかだから子どもたちも楽しい。みんな幸せなのがこんな田んぼ。マムシには気の毒だが、いろいろなことを気づかせてくれた。これから稲刈りをする方はマムシに注意しましょう。
【2008/10/15】 Photo : 鎌の柄の一撃でぐったりしたマムシ、特徴ある模様がよく判る。@茨城県金砂郷町

2008年10月13日月曜日

第三十九夜/生きもの速報・続報! クロマダラソテツシジミ

徹夜続きのぼんやりした頭を庭でさましていた時、目に入ったのがこのシジミチョウ、こんな小さな小さな庭にまでやってきたとは驚きだった。どうしてかと言うと僕の庭には、このチョウの食樹のソテツの苗が一鉢あるからだ。はたしてこの小さなソテツ(長さ15cmの葉っぱが3枚ぽっきり)に誘われて来たのだろうか、もしそうだとしたらすごい能力だ。幸い(不幸にも?)ソテツの新芽にまだ卵は見つからない。この個体は先日、宝塚で見たもの(10月6日)よりもずっと翅がいたんでいる、どこからやってきたんだろうか。ソテツもある、花もある、当分庭にいそうな気配だ。【2008/10/13】
Photo : クロマダラソテツシジミ(♀)@京都市左京区岡崎

2008年10月12日日曜日

第三十八夜/カナヘビの昼寝

葉っぱの上の昼寝中のカナヘビを見つける。自分の尾っぽを枕にいかにも気持良さそうな感じ。身近な「は虫類」にカナヘビ(正確にはニホンカナヘビ)とトカゲ(こちらは正確にはニホントカゲ)がいる、たびたび混同されるが、皮膚がざらざらしているのがカナヘビ、ツルツルしているのがトカゲ。カナヘビは木登りも上手く、体と尾の比率がトカゲよりも長い、そのためかトカゲよりもずっとスリムな体型。顔の感じは、トカゲよりもいっそう精悍で「恐竜」に近い感じ。このカナヘビもなかなかいい顔つきだった。【2008/10/11】
Photo : @京都市左京区黒谷

2008年10月11日土曜日

第三十七夜/挑戦をうけたチョウセンカマキリ


滋賀県近江八幡市にあるアートギャラリーの玄関にチョウセンカマキリを発見。遊びにきていた友人K君の愛娘Tちゃん(2歳)が先手のお腹わしづかみ、この突然の挑戦に驚いたカマキリは両腕の鎌ですかさず反撃。今度はこの鎌の鋭さに驚きひるんだTちゃん、カマキリを放り出す。なかなか面白いシーンだった。多分、両者にとってもこの出会いは予想外だったはず。このあと両者、場所をあらため再度対面で和解。Tちゃん自己紹介と共にお腹わしづかみの失礼をわびる。生きものと接する時はこれが大切。一件落着、カマキリはススキの株に戻っていったのでした。【2008/10/11】
Photo上/カメラのレンズに映る自分を攻撃するカマキリ.
Photo下/Tちゃんから逃れたカマキリ、その後もTちゃんを見る。その驚きがうかがえる?「なんやあいつ、ああっビックリした!」 カマキリってすごく表情のある虫だ.
@滋賀県近江八幡市ボーダレスアートギャラリーNO-MA

2008年10月10日金曜日

第三十六夜/いつも三歩先行くハンミョウ

ハンミョウは真夏を代表する昆虫だと思う。お盆の頃、墓参りに行くといつも墓地の路やお寺の境内で見られた甲虫だ。こちらが歩く足下から飛び立ち、数メートル飛ぶと地面に止まり、こちらに体を向ける。こちらがまた近づくと再び同じように飛び立つ。まるでこちらの行き先を知っているようだ。この動作を何度となく繰り返すので「ミチオシエ(みち教え)」と呼ぶのだと子どもの頃、父に教えてもらった。この虫に出会うといつもあの頃の炎天下の墓参りを想い出す。特異でハデな体色も太陽の下、照り返しの強い砂利の地面に止まっていると保護色になる。一旦地面に止まると見つけにくい。飛び立って初めていた場所を知ることになる。顔の写真は撮れなかったが、鋭い大アゴを持っていてなかなか迫力のある面構えだ。成虫はハエなどを、幼虫は地面に開けた孔にひそみ近づく昆虫を食べる。今回は炎天下、自分とカメラのバッテリー切れで負けた。やっと撮った一枚、飛び立とうとするハンミョウの後ろ姿。【2008/10/10】
Photo: 2008/10/04 @京都市左京区真如堂墓地

2008年10月9日木曜日

第三十五夜/いったいどうした?イナゴとサビキコリ


クヌギの枝先にコバネイナゴを見つける、そしてその鼻先にはサビキコリ(コメツキムシの一種、茶色の虫が枝先にしがみついている)が・・・。面白いシーンに出会った。イナゴのピンと立った触角、つり上がった目、口のモグモグ感、そして前脚の立ち位置、かたやサビキコリはイナゴに背を向け何かを耐えている態度。どれをとっても怒ったイナゴがコメツキムシに説教をしているか、強面(こわもて)で言い寄っているとしか見えない。いったいこの二匹の間に何があったんだろう。僕たち人間が判らないだけで実際に彼らはなんらかの手段で会話をしているかも知れない。こんな場面に出くわした時には物語を考えてみればいい。君ならどんなお話を作る?【2008/10/09】
Photo : 左/コバネイナゴ、右/サビキコリ 2008/10/09 @滋賀県近江八幡市北之庄

2008年10月8日水曜日

第三十四夜/祈りのイモ虫(キアゲハの幼虫)

ある庭園でフェンネルの葉にキアゲハ(*1)の幼虫を見つける。第二十夜では、黒いクロアゲハの方がキアゲハよりも彩りがゆたかと書いた。しかし幼虫時代はクロアゲハよりもずっとハデで、毒々しささえ感じるほどだ。実際に食草のセリ科(ニンジンの仲間を食べる)の植物は幾分、葉に独特の風味(くせ)がある。おそらく幼虫はこの葉に含まれている「風味=くせ」を体内に蓄えていて、とてもまずいに違いない。やはりこの毒々しさは当ってるのか。鳥などの捕食者(ほしょくしゃ)に対して「私はとってもまずいよ」もしくは「私を食べるとひどいことになるよ」警告しているのだろう。アゲハチョウやクロアゲハの幼虫と模様はずいぶん違うが体型は同じ、やはり頭を触ると臭い角を出す。この幼虫は体の大きな割には食べている草の葉(ニンジンの仲間)が細いので、その葉先で止まっている姿は胸前で手を合わせ、なにかを祈っているかのようだ。【2008/10/08】
Photo : キアゲハの終齢(しゅうれい)幼虫 2008/10/06@兵庫県宝塚市 
*1 成虫は第十三夜をご覧下さい。

2008年10月7日火曜日

第三十三夜/コカマキリ

ブログを見た友人より是非「カマキリ」をとの要望があったので今夜はコカマキリ(小蟷螂)が登場。この小型のカマキリは、草原で見るオオカマキリやチョウセンカマキリの半分ぐらいの大きさでスリムな体型。草原よりも林縁や民家の周りでよく見る。前脚(鎌の部分)の内側に茶色とクリーム色の斑紋が特徴。形も大きさも色も違うが、ギョロリと向く様はやっぱりカマキリのそれだ。写真を撮るために近づくと最初は鎌を構えて威嚇(いかく)するが、スキをみてジャンプして逃げてしまう。意外にすばしっこいので写真を撮るには最初が肝心。【2008/10/07】
Photo : 2008/10/04 @京都市左京区真如堂

第三十二夜/いきもの速報「クロマダラソテツシジミ」

今日は仕事で宝塚にいった。そこで見たことも無い蝶を見つける、飛ぶ姿(雰囲気)がちょっと違う「???」。一応、仕事中なのでゆっくり写真も撮れない、幸い数枚だけ写真にきっちり納めることが出来た。さて、家にもどって写真を見ると一度だけマレイシアで見たことのあるチョウに非常に似ている。図鑑で確認すると「クロマダラソテツシジミ」と判明! この蝶は、過去に沖縄などで迷蝶(*1)として確認されている。2007年より沖縄本島、鹿児島以北で、さらに秋には関西でも見つかった。続いて2008年になって宝塚で確認された。日本で確認されてる場所は、極めて局地的、その分布をみると食樹(*2)のソテツの分布にあっている。もちろんソテツは宝塚には自生していないので、宝塚での発生は鹿児島あたりから庭園用に運ばれてきたソテツに幼虫か蛹が付いていたと考えられている。東南アジアの蝶なので寒さに弱いが、今年見つかった個体は、昨年確認された個体が繁殖している可能性が強い。はたしてこのままこの地に定着するのか、いずれ越冬中に死んでしまうのか注目される。しかし、まだまだ謎の多い蝶らしい。今後の動向が気になる(・・・のは僕だけか?)。
【2008/10/06】
Photo : 2008/10/06 @兵庫県宝塚市
*1 迷蝶:台風などの影響で本来の生息地から遠く離れた地域まで運ばれてきた蝶。多くの場合は、生息環境が適していないのでその発生は一過性に終わる。
*2 食樹(しょくじゅ):幼虫の食べる樹木、草本類(そうほんるい=草)を食べる場合は「食草(しょくそう)」と呼ぶ。

2008年10月6日月曜日

第三十一夜/クマバチ

石の上にクマバチ(♀)が一頭止まっている、動きは緩慢、もう飛ぶことは出来ないようだ。クマバチの体は、名前のように胸(背中)のところだけ黄色い毛だがあとは体も脚にも全身黒い毛がびっしりと生えて確かに熊のようだ。このクマバチはメス、巣の孔をなんども行き来したのだろう背中の黄色い毛はすっかりすり切れている。
クマバチは木造の建物(例えばお寺や神社)の垂木や柱、枯れた木の枝に直径10〜15mmぐらいの孔を掘って中に卵を産む。成虫で越冬するのでこの個体は昨年生まれて今年精一杯生きたのだろう。地域によってスズメバチを「クマバチ」と呼ぶので、このクマバチも危険だと思われるがこちらはいたっておとなしい。【2008/10/06】
Photo : 2008/10/04 @京都市左京区真如堂

2008年10月5日日曜日

第三十夜/ヒラタシデムシの幼虫

この奇妙なダンゴムシみたいな虫は、ヒラタシデムシの幼虫だ。親子共に生きものの死体や腐肉を食べている。いわばアフリカ・サバンナのハゲタカやハイエナの様な存在。背の低い草地に落ちている木の枝が唯一の高台なのか、その高台にのって体全身で餌の有りかを探っているようだった。触覚を前上方に広げ口をもぐもぐさせている、体はバランスをとって精一杯立ち上げている。この幼虫を見ると宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に登場する「王蟲(オウム)」を連想する。時々、王蟲はその体型からダンゴムシに思われるふしもあるが、本当はこのシデムシの幼虫こそオウムのモデルだろう。(映画を見た時にこいつが出ていると思った。こんなことは多分、だれも言っていないので今日が本説の公式発表かな)実際に食べるものも「腐海」のことばからイメージ出来る「腐肉」だし、その走る様子も実によく似ている。宮崎駿監督は、根っからの虫好きだ。この虫の存在ぐらいはご存知のはずだ。余談だが、「天空の城ラピュタ」に登場する「ロボット庭師」(手が長くて主人公たちを城に案内する)は、中国の伝説に登場する「セミ」に酷似している。さすが宮崎監督これもご存知だったようだ。こちらも未公表論。
【2008/10/05】Photo : ヒラタシデムシの幼虫 体長30〜35mm。2008/09/27 @京都御苑

2008年10月4日土曜日

第二十九夜/ニホンミツバチとキイロスズメバチ

京都御苑の東辺・清和院御門近くのイチョウにニホンミツバチが営巣している。巣の入口は地際。どうしているかと見に行くと、巣の入口近くにキイロスズメバチの死骸がいくつも横たわっている。1週間前に行った時は見つけていないのでキイロススメバチがミツバチの巣を襲ったのは最近のことだろう。昆虫の中では驚異的に強いスズメバチだが、自然の中では強い者が必ず勝つとは言えない。ニホンミツバチは、巣を襲うスズメバチを多数の個体で団子状におおいかぶさり、体を動かすことにより発生した熱で温圧死させてしまう。これはミツバチ達がスズメバチの上限致死温度が自分たちよりも数度低いことを利用した抵抗・防御手段。このようなニホンミツバチだが本来はとてもおとなしく、指が触れるほど近寄っても、つまんだりいたずらしない限り刺されることはまず無い。【2008/10/03】
Photo : ニホンミツバチの巣の入口に横たわるキイロスズメバチの死骸 @京都御苑・清和院御門近く

2008年10月3日金曜日

第二十八夜/庭の極小戦闘機・イチモンジセセリ

今日は僕が好きな蝶の一つセセリチョウの仲間のイチモンジセセリ、幼虫がイネ、ススキ、エノコログサなど身近な野草を食べるので都会の真ん中から、田んぼや高原に至るまで様々な環境で見られ、個体数も極めて多い普通種(ふつうしゅ)。セセリチョウの仲間の触覚は、他の蝶のように丸くなくて先が飴細工のように伸びているのが特徴。頭でっかち、目は大きくしかも離れている、顔は細かな毛におおわれていてどことなくぬいぐるみのようだ。この蝶の特徴は、後翅に白い斑点がつながった一文字模様(これが名前の由来)、他のセセリチョウと同様、チョウにしては胴体が太く色合いも地味なので、よくガの仲間と間違われる。昼間、部屋の中に蛾が入ってきたといってよく騒がれるのがこれ。すごく速く、直線的に飛び、近くを飛びすぎる時は「ぶんーん」って羽音がする、まるで庭の極小の戦闘機みたい。茶色で地味な色の翅と体だが、太陽の光の具合によっては少し青みがかって見える時もある。なかなか渋さの効いた蝶である。【2008/10/03】
Photo : セージの花に来たイチモンジセセリ。この角度からみると一番、翅の模様がよく判る。@京都市左京区岡崎

2008年10月2日木曜日

第二十七夜/餌探しも大変だ・センチコガネ


先日、京都御苑でセンチコガネの死骸を園路で見つけた。頭に鋭利なもの(鳥のくちばしのような感じ)でグサリと刺したような跡がある。果たして鳥の仕業かどうかは判らない。このセンチコガネは、動物の糞を主食に腐ったキノコや果物なども食べている。生態的な話しの中で、(本来はもう少し説明がいるが)植物は「生産者」、動物が「消費者」と位置づけられている。このコガネムシは「消費者」の中でも、ゴミ・不要物(例えば、糞や死体)を消費する「分解者」。この分解者がいて初めて、自然の有機物が「生産者」に戻される。だからこのコガネムシがいることは健康な自然であることを意味する。このコガネムシは、ここの森の中で動物の排泄物を食べて分解を早くする大切な役割を持っている、といってもここでは主に犬の糞に依存しているようだ。しかし近年は、犬の飼い主の(糞の)始末が良いために少なくなっていると思える。たとえ犬の糞があったとしても最近のものは、ドライフードのために変な糞(飼い主にとっては固くて乾燥気味なので拾いやすい)が多く、しかも臭いも少ない。こんな糞はこの分解者が好きでないらしく、いつまでも放置状態にある。偶然だろうか、このセンチコガネの死骸は公衆便所の横で見つけた。この森の中で動物の糞を見つけるもの容易でなさそうだ。【2008/10/02】
Photo : 2008/09/27 @京都御苑・清和院御門近く

第二十六夜/今年もやって来たキチョウ

今年もキチョウが庭にやって来た。毎年、今の時期に咲くセージの花がお目当てらしい。セージの花の周りにいつも飛んでいる。時々、レモンやアジサイの葉っぱの裏に止まっているのは、越冬(えっとう)の場所を探しているようだ。なん箇所かの同じ葉っぱを交互に選んで止まると言うことは、キチョウの頭の中には庭の地図がちゃんと出来いると思って間違いない。キチョウは、モンシロチョウと同じシロチョウの仲間だが成虫で冬越しする変わり者。昨年は2頭(または2匹)がレモンの葉っぱに止まったまま、12月頃から春までいた。不思議なことにこの黄色い翅が保護色になり、葉っぱの裏に止まっているとなかなか見つけられない。さて今年の個体はどこで冬超しをするのか楽しみだ。今のキチョウは、春までの三ヶ月間寒い季節を乗り切るために11月末まで咲き続けるセージの蜜をせっせと吸い続けるだろう。【2008/10/01】
Photo : セージの密を吸うキチョウ@京都市左京区岡崎

2008年10月1日水曜日

第二十五夜/マシュマロのようなオオゴムタケ

京都御苑・母と子の森の朽木でキセルガイを探していた時におもしろものを発見。それは朽木のほどよくこなれた部分から出ていた。形は火鉢、質感は黒いマシュマロのような感じである。触ってみると想像通り少し固いがマシュマロの感触。小さなキノコらしい。早速、写真をキノコ専門家のS先生に送る。のちに「オオゴムタケの幼菌(らしい)」と返事を頂く。名前に加えてキノコをカットすれば中身は透明性のゼラチン質の組織が見え、火鉢状の内側に胞子を作るとも教えて頂いた。調べてみると「チャワンタケ」の仲間とある、火鉢ではなく「茶碗」だった。しかし、じっくりと見ていると水木しげるの描く妖怪のような気配があって、それは今にも歩き出しそうだった。京都御苑は歩く先から面白い生きものと出会える。【2008/09/30】
Photo : 2008/09/27 オオゴムタケ 直径25mm 高さ15mm程度@京都御苑・母と子の森