2008年10月16日木曜日

第四十一夜/キジバト

大好きな俳優・緒方拳さんがさる5日に世を去った。人間の死って突然来るものなのだと思う。こんな時、自分もいつか体験する死におきかえて考える。以前、自宅の近くの真如堂の森でうずくまるキジバトを見つけた。体には外傷の一つも見当たらないがまったく身動き一つしない。鮮やかな目の瞳孔にはあきらめや怯えの表情も無い、それどころか穏やかな表情だった。自分にやがて訪れる「なにか」をすでに悟っているのか。僕はしばらくこのキジバトのそばにいたが、なにもせず森を後にした。こんな時はいつも、今までに自分の手の中で息を引き取っていった数多くの鳥達のことを想い出す。そしてこの森を通る度に死んでしまった鳥たち(何度か埋めた森でもあるから)やこのキジバトのことを想い出す。
【2008/10/16】Photo : キジバト@京都市左京区真如堂2007年秋

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