2008年10月10日金曜日

第三十六夜/いつも三歩先行くハンミョウ

ハンミョウは真夏を代表する昆虫だと思う。お盆の頃、墓参りに行くといつも墓地の路やお寺の境内で見られた甲虫だ。こちらが歩く足下から飛び立ち、数メートル飛ぶと地面に止まり、こちらに体を向ける。こちらがまた近づくと再び同じように飛び立つ。まるでこちらの行き先を知っているようだ。この動作を何度となく繰り返すので「ミチオシエ(みち教え)」と呼ぶのだと子どもの頃、父に教えてもらった。この虫に出会うといつもあの頃の炎天下の墓参りを想い出す。特異でハデな体色も太陽の下、照り返しの強い砂利の地面に止まっていると保護色になる。一旦地面に止まると見つけにくい。飛び立って初めていた場所を知ることになる。顔の写真は撮れなかったが、鋭い大アゴを持っていてなかなか迫力のある面構えだ。成虫はハエなどを、幼虫は地面に開けた孔にひそみ近づく昆虫を食べる。今回は炎天下、自分とカメラのバッテリー切れで負けた。やっと撮った一枚、飛び立とうとするハンミョウの後ろ姿。【2008/10/10】
Photo: 2008/10/04 @京都市左京区真如堂墓地

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