2008年10月7日火曜日

第三十二夜/いきもの速報「クロマダラソテツシジミ」

今日は仕事で宝塚にいった。そこで見たことも無い蝶を見つける、飛ぶ姿(雰囲気)がちょっと違う「???」。一応、仕事中なのでゆっくり写真も撮れない、幸い数枚だけ写真にきっちり納めることが出来た。さて、家にもどって写真を見ると一度だけマレイシアで見たことのあるチョウに非常に似ている。図鑑で確認すると「クロマダラソテツシジミ」と判明! この蝶は、過去に沖縄などで迷蝶(*1)として確認されている。2007年より沖縄本島、鹿児島以北で、さらに秋には関西でも見つかった。続いて2008年になって宝塚で確認された。日本で確認されてる場所は、極めて局地的、その分布をみると食樹(*2)のソテツの分布にあっている。もちろんソテツは宝塚には自生していないので、宝塚での発生は鹿児島あたりから庭園用に運ばれてきたソテツに幼虫か蛹が付いていたと考えられている。東南アジアの蝶なので寒さに弱いが、今年見つかった個体は、昨年確認された個体が繁殖している可能性が強い。はたしてこのままこの地に定着するのか、いずれ越冬中に死んでしまうのか注目される。しかし、まだまだ謎の多い蝶らしい。今後の動向が気になる(・・・のは僕だけか?)。
【2008/10/06】
Photo : 2008/10/06 @兵庫県宝塚市
*1 迷蝶:台風などの影響で本来の生息地から遠く離れた地域まで運ばれてきた蝶。多くの場合は、生息環境が適していないのでその発生は一過性に終わる。
*2 食樹(しょくじゅ):幼虫の食べる樹木、草本類(そうほんるい=草)を食べる場合は「食草(しょくそう)」と呼ぶ。

0 件のコメント: