2008年9月27日土曜日

第二十三夜/時期遅れのアブラゼミ












 京都御苑の森の中を散歩していると園路の真ん中の小さな孔に何かが引っ込んだ。近づくと孔の中にはセミの幼虫が外の様子をうかがっている。時々頭を出して周りを見ている。人が近づくと孔の奥のほうに隠れる。セミは羽化のために地表面まで孔を掘って来たけど、なんとそこは園路のど真ん中だったという訳。孔の際で静かに待ってみた。地面の振動も影響するようでかすかな振動で出て来ない。さらに待つこと数分、セミの幼虫は孔から出始めた。途中で体のどこかが引っかかって上手く抜け出せない。こうなればもう孔には戻れない、身をくねって脱出を試みている、スポッと抜けたかと思うと勢い余って背中からひっくり返ってしまった。気を取り直し、周りを見渡し今度は近くの木まで走り始めた。結構、よく周りの様子が見えているらしい。セミには気の毒だが笑えるシーンだった。もうセミの声はぜんぜん聴こえない、このセミはたして大丈夫なんだろうか。【2005/09/27】
Photo上から順番に:
1)大丈夫かな?
2)今だ!よし出るぞ!
3)よいしょ、よいしょ、
4)よいしょ、もう一息、
5)出た!こてん!あれっ?
6)あそこに木がある急げ! 
アブラゼミ(♀)@京都御苑

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