2008年9月19日金曜日

第十七夜/南から来たナガサキアゲハ

近年、南から生息域を広げてくる昆虫が多い。人為的に生息域を広げた訳ではなく、自らの力で風に乗り、海を越え、あるいは陸地伝いに転々と棲み場を広げて来た。先に紹介したツマグロヒョウモンのようにこの黒い大型のアゲハチョウも同じ。10年近く前から関西でも目につくようになり、今では確実に生息している。もともといた大型の黒いアゲハチョウ=クロアゲハは林縁もしくは林間の少し暗い・涼しい場所を好んで飛ぶのに対して、このチョウは夏の暑い日に炎天下を飛ぶことで目にすることが多い。例えば夏の学校のグラウンドを横切る黒いチョウをみればおそらくこのナガサキアゲハだろう。一見、クロアゲハに似ているが、後翅の端部が長くなっている(尾状突起といいます)クロアゲハに対して、こちらは端部が丸く、尾っぽのようなものが無い。雄の裏翅の基部には赤い紋がある、雌は後翅に白と赤い紋があるので簡単に区別がつく。写真の個体(ナガサキアゲハ♂)は、羽化時のトラブルだろうか、失敗し前翅が十分に伸びきらず硬化してしまった、残念ながら飛ぶことは出来ない。草むらを歩いていたためせっかくの美しい翅もぼろぼろになっていた。【2008/09/20】
Photo:@近江八幡

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