2008年9月5日金曜日

第五夜/北へ向かえ〜旅するウスバキトンボ


街の芝生の広場や畑や水田など開けた緑地にトンボの群れが目立つようになってきた。ふわふわ(ゆるゆる?)と風に乗り飛び続けている。なかなか枝に止まらない。一見、赤とんぼ(アカネ)のようだがこれは、ウスバキトンボ(薄羽黄とんぼ)、分類上では別の仲間。寒さが苦手で関東あたりでも越冬ができない。そのため毎年、東南アジアから(約1ヶ月で成虫になれる成長を活かして)世代交代を繰り返しながら、風に乗ってどんどん北上していく。全トンボ類のなかでもっとも分布の広いといわれる種類。(特にお盆頃におびただしい数が発生するので「精霊トンボ」とも言われる。)毎年、南から命をつないで北に向って旅する、秋には逆に南に向って子孫を残すこと無く命を絶っていく、なんとも寂しい気がするがこの小さな昆虫の力に感動する。地球の温暖化に伴い越冬の地も北上し、ますます北に向うのだろう。かれら一匹一匹が自分の子孫を残そうする旅に気候変動が追い風となってきた。【2008/09/05】
Photo上:風に乗り飛び続けることに適した体の構造、体の割に大きな翅を持っている、体の割にきゃしゃな脚なので枝に止まるのも上面に止まらず重たそうにぶら下がっている。
Photo下:胸から腹(尾)にかけての模様はなんだか美しい虎皮のようだ。

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