2008年9月13日土曜日

第十一夜/オニヤンマの産卵

今頃、里山に行けばきっとオニヤンマの産卵に出会えるだろう。写真は数年前、稲刈りに田舎に出かけた時に写したもの。田んぼ道を歩いていると、前から飛んできたオニヤンマが道脇の水路に急降下した。水路は幅・深さ共に75cmぐらいの狭いもの、周りからは草が生い茂ってよく見えない。そこで僕も水路に降りてみた。さて中に降りてはみたが人間にとって身動きするのも一苦労。そんな僕を横目に草が茂る狭い水路の中で大きなトンボがホバリングしながら行ったり来たり。普段は高速で直線的に飛ぶオニヤンマもこんな器用に飛べるんだと感心する。オニヤンマは産卵場所を探していた。しばらくすると体を垂直におこし、一定のリズムでお尻を上下に水底の砂に差し込んで産卵を始めた(水深約3cm)。大きなトンボの産卵場所としてはあまりにも狭いが、確かにオニヤンマのヤゴはこんな場所で沢山見つけることができる。水田と林との間に流れる細流、比較的緩やかな流れを持ち、底が砂地でないといけない。ただし水深はさほど必要ではない(5cmあれば十分)。産卵を見ている時は気づかなかったが、後で写真をみると柴栗(野生のクリ)が一個写っていた。まさにオニヤンマの棲む環境を表している。樹木が上部に枝を延ばす山際の砂底の細流。成虫はこんな場所を縄張り(テリトリー)に持ち、細流にそって一日になんどもなんども往復する。写真の写りは良くないが、産卵場所の環境をよくあらわしているのでこの一枚を選んだ。さて産卵をみた後、水路底から田んぼ道に上がった。僕はそこの近くに違う生きものを見つけた。ちょうどマムシが一匹ひなたぼっこしていたのだ。考えてみればマムシもこんな里山環境に棲む生きものなんだと・・・先にマムシに気づかないでよかった。やれやれ。【2008/09/13】

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