体長60cmほどの大きなナマズの死体を食べているトビ(Milvus migrans)を見つけてやって来たハシブトガラスとアオサギ。この光景を見ているとそれぞれの鳥の性格が現れているようだ。トビの前で早く代われと言わんばかりに鳴くカラス(かなり直接的なアプローチ)。かたやトビの後ろからそっと忍び寄り隙を伺うアオサギ(背も高いのでどこか威圧感もある、いざとなればトビより強そう)。会話が成り立っているのかどうかは判らないが何らかの意思疎通はありそうだ。しばらくしてカラスはいったんあきらめ近くの木の上に移り、アオサギは依然として後ろから無言の圧力をかける。結局、トビはアオサギに餌を譲った、しかしさすがのアオサギもこの大きさの獲物は丸ごと食べきれし、ついばみはするがサギのくちばしでは歯が立たない、最後はカラスが食べることとなった。結局、一人勝ちではなく、3羽の胃袋にいくらかが収まった。なかなか上手く出来ている。Photo:2014/02/22 @鴨川、京都市
2014年2月23日日曜日
2014年2月22日土曜日
第五百七十四夜/早春のヨシ原
今日は小雪が舞ったがヨシ原には、確実に春の気配がする。ウグイスのさえずりが聞こえ、カイツブリ(Tachybaptus ruficollis)の羽色もほぼ夏羽になった(写真下)。間もなくハイイロチュウヒが帰路につき、ヨシ刈りが最盛期を向え、ヨシ焼きが始まる。今日は、ハイイロチュウヒ、チュウヒ、コガモ、キンクロハジロ、マガモ、オオバン、バン、ホオジロ、ツグミ、カイツブリが観察できた。Photo:2014/02/22 @西の湖、近江八幡市
2014年2月19日水曜日
2014年2月18日火曜日
第五百七十二夜/ミコアイサの警戒心
チュウヒを見ようと土手に立った時にすぐ下の水際から飛び立ち、近くの水面に着水したカモがいた、ミコアイサ(Mergus albellus)の♀だった。カメラを取り出すがものすごく警戒心が強くようだ、カメラを構える度に飛び立ち、結果ずいぶん遠くまで行ってしまった。近くにいたキンクロハジロの群れに混ざってからは少し落ちついたようだが、まったく残念。写真では豆粒の様にしか写っていない。Photo:2014/02/17 @蛇砂川、近江八幡市
2014年2月14日金曜日
第五百七十一夜/冬のツバメはどこに
久しぶりに鴨川も雪景色。先日(2月10日)、カワアイサを見た時に、川面を一羽のツバメが飛び回っているのを見た、元気に虫を獲っているようだった。秋に南の国に渡らずに一羽で越冬しているのだろうか。 そのツバメを探すがさすがに見つけることは出来なかった。元気でいることを望む。今日は、鳥たちの姿もほとんど見れず、カモが数羽泳いでいるに過ぎなかった。Photo:2014/02/14 @鴨川、京都市
2014年2月12日水曜日
五百七十夜/川岸にたたずむコサギの狙い
川岸にたたずむコサギ(Egretta garzetta)、単に休んでいる訳では無いようで時折、餌を探す様に歩くのだが思う様に魚が捕れないようだ。きっと水温の低下で魚が水底の方に移動したからかもしれない。サギ類は自分の脚の立つところでしか魚を捕れないので、魚が深みに移動すると捕食が難しくなる。しばらく観察すると面白いことが起こった。カワウが近くにやって来て水に潜り魚を追いかけると魚達は水面近く、もしくは岸辺近くに逃げて来る。このコサギはその魚達を狙っていることがわかった。つまり小魚が多く、カワウがやって来そうな場所で、カワウを待ち、もしくはカワウの後をついて周り、カワウから逃れる小魚を狙ってるのだった。なかなか知恵者である。Photo:2014/02/12 @鴨川、京都市
2014年2月10日月曜日
第五百六十九夜/カワアイサ
歯医者の帰りに鴨川沿いに歩いて帰る。やや大きめの白い体が目立つカモを見つける。カワアイサ(Mergus merganser)のペアだった(写真では右が♂、左が♀)。クチバシは特徴的で、よく見るマガモやカルガモのような扁平な形でなくて、細長く伸び、先端がほんの少し鍵状に曲がっている。潜水が得意でこのクチバシで魚類を捕らえるのだろう。クチバシはカモと言うよりカワウに近い形だ。種類は違うが、食べ物によって同じような適した形になることがわかる。この場所には獲物となる魚が多いらしく、場所を変える事なく頻繁に潜水を繰り返していた。Photo:2014/02/10 @鴨川、京都市
2014年2月7日金曜日
第五百六十八夜/ハシボソガラスとニゴイ
現在、岡崎(京都市左京区)を流れる疎水の水が抜かれ浚渫作業が行われている。上流の白川から流れて堆積する砂の浚渫や護岸の石積み補修のために冬期に行われる。ブラックバスやブルーギルなどの魚の駆除も兼ねているようである。普段この水辺で暮らすカモ類やサギにとってもこの水抜きは都合がいいらしく水深が浅くなった場所で餌を採っていた。中でもこのハシボソガラス(Corvus corone)は新鮮なニゴイ(Hemibarbus barbus)を拾ったらしく。大きな魚体に止まり肉を食べていた。しかしウロコが硬いらしく、鰓の穴からクチバシを入れて食べていた。獲物の魚は大きく重いのでカラスの力では容易に裏むけられない。するとどうだろう、起用に片足で魚の一部を押さえ、水流の力をかりて簡単にこなしてしまう、しかもこれを繰り返す。さすがカラスである。ニゴイは、コイに似ているが「カマツカ」に近い仲間、春が「旬」と言うことなので少し早めの旬を楽しんでいるといったところである。近くの樹上では別のカラスが、すぐ横ではアオサギがこの獲物を狙っている。この魚、そう簡単には手放せない。Photo:2014/02/07 @岡崎公園、京都市
2014年2月5日水曜日
第五百六十七夜/カワセミの水浴び
調べもので植物園に行く。池の端には、長いレンズを付けたカメラがずらりと並ぶ、レンズの先には対岸にカワセミ(Alcedo atthis)♂が一羽、水面を伺う。皆さんのお目当てはカワセミだった。しばらく見ていると、カワセミは水面をじっと見据えたかと思うと、バシャリと飛び込み見事に小魚を捕らえた。水面近くの枝に止まり、一口で飲み込む。この間、カメラのモータードライブの音が続く。小魚を飲み込んだカワセミは、少し離れた枝に移り、枝下の水面に飛び込む水浴びを4回繰り返した後、近くのアラカシの木に身を潜めた。どうもその木が休息所のようである。カメラマンの群れから離れた位置でカワセミの捕食行動を見ていたのだが、その後の水浴びは僕のすぐ前で行われた。カメラマン達の存在を嫌ってのことかも知れない。小鳥の気持ちを察すれば、まあっそんなもんである。写真は、水浴びのために飛び込んだ水面から枝に戻るカワセミ。Photo:2014/02/05 @京都府立植物園
2014年1月19日日曜日
第五百六十六夜/コゲラ
京都市内も今冬初めての積雪。さすがに鳥達もすこし寒そうだった。桜の樹皮をしきりにつつき昆虫類を探すのはコゲラ(Dendrocopos kizuki)、しばらくすると疲れたのか休憩していた。近くにはやってきたシジュウカラ、エナガの混群と一緒に飛び去る。Photo:2014/01/19 @京都御苑、京都市
2014年1月14日火曜日
第五百六十五夜/スズメの香りって?
スズメ(Passer montanus)達が日光浴を楽しんでいる。それぞれ右側が暖かくなると向きを変え左側を暖める。なんとも気持ちよさそうだった。子どもの頃、スズメを飼っていた時に、体に鼻を埋めるとものすごく柔らかないい香りがすることに気付いた。一言で言えば「お日様の香り」、布団を干した時の香りである。天日干しの稲ワラの様でもある。いずれにしてもどこか懐かしく、柔かな香りである。こうやって野鳥を感じるのも悪くないが、残念なことにそうはさせてくれないのである。Photo:2014/01/14 @京都御苑、京都市
2014年1月8日水曜日
第五百六十四夜/ケブカカスミカメ
今日も寒い一日だった。こんな日はなかなか虫と出会えない。でも木の幹に目を近づけていくとやはり何かしらいるものだ。3〜4mmほどの小さなカメムシ、体の特徴でケブカカスミカメ(Tinginotum perlatum)と判った。鳥を探すために遠くを見たり、虫を探すために近くを見たり、良い目のトレーニングになりそうだ。Photo:2014/01/08 @京都御苑、京都市
2014年1月7日火曜日
第五百六十三夜/樹間に休むカワセミ
カワセミ(Alcedo atthis) と言うと水辺の鳥の印象を強いが、今日はアラカシに囲まれた樹林の中で休んでいた。もっとも近くには水辺があるのでここに立ち寄ったのだろう。少し休んだ後、イカルの群れがやって来たので、群れを嫌ったのかアラカシの樹林に消えて行った。写真の個体は、クチバシの下側が赤いので♀と判る。Photo:2014/01/07 @京都御苑、京都市
2013年12月18日水曜日
第五百六十二夜/さよならタマムシ
遺跡巡りで立ち寄った仏塔の隅でタマムシを拾った。ほとんど瀕死の個体である。上着のポケットに入れて持ち帰る。ホテルでポケットから取り出してみる、やっと生きているという感じ。もちろんまともに歩くことなんか出来ない。小さなタッパーにネムの木の葉と一緒に入れておく。大きさはヤマトタマムシほどだが、全体的にがっちりとした感じである。さてこのタマムシ、2、3日経つとすっかり元気になってしまった、糞も良くする。元気になったものを持ち去ることはしたくない、ホテルをチェックアウトするときにホテルの庭に放した。さよなら、元気で。Photo:2013/12/18 , Bagan,Myanmar
2013年12月15日日曜日
第五百六十一夜/エダシャクの仲間
どこにいても、どこを歩いても虫が目に入ってくるのは仕方が無い。もちろん実際に虫が目に入ってくるんじゃなくて、「虫の姿が目に映る」ということだけど。熱帯と言えども乾期は虫が少ない季節。白いものがふわりと花を求めて飛んで来るとつい駆け寄ってしまう。今回は、エダシャクの仲間だった。それにしても虫が少ない。Photo:2013/12/18 @Pyin Oo Lwin, Myanmar
2013年12月13日金曜日
第五百六十夜/テナガザルと遭遇
森を歩いていると突然、比較的近くの木立から「ホウホウ・・ホウホウ・・」と大きなかけ合いの鳴き声がした。この声は昔、ボルネオの森でも聞いたことがある。だからこれがテナガザルの声であることはすぐに判った。ただどの梢で鳴いているかが判らず、時々する声だけたよりに探す。頭上でテナガザルが枝を飛び越えて行く音で場所が判った。地上より20メートルほどの梢で2頭のテナガザルがこちらを見ていた。完全にこちらの姿は見られている。こちらを気にしながらも2頭のテナガザルは時折、森中に響く声で鳴き合っていた。1キロほど先の森からも同じ声が聞こえていたので別の個体がいるはずである。このテナガザルは、テナガザルの中では最も北西部に分布し、インド北部からミャンマーにかけて生息するフーロックテナガザル(Hoolock)。テナガザルの声は、約1時間ほど続いたが午前10時30分になるとぴたりと止み。やがて居場所も判らなくなった。距離にして約25メートル、野生のテナガザルが至近の距離で見れたことはラッキーだった。残念なことにこの時は、コンパクトデジカメしか持ち合わせておらず、写真は見ての通りであるが、肉眼にしっかりと焼き付けて来た。奥の黒い個体が♂、こちらを向いて宙を飛んでいる白っぽい個体が♀。Photo:2013/12/13 @Pyin Oo Lwin, Myanmar
2013年11月15日金曜日
第五百五十九夜/意外なところにゴマダラチョウ
今日は中学校からの親友である歯医者に行った。暖かなお天気だったので散歩して自宅まで歩いて帰った。帰り道の歩道のそばに生えている高さ45cmほどのエノキの苗木に目がいった。少ない葉のほとんどが「虫食い葉」になったいたからである。歯医者の帰り道といういわけではなく、なんとなく気になったからである。すぐにその理由が判った、ゴマダラチョウの幼虫がいたからである。人も車も多いこんな歩道のそばの、しかも小さな苗木にいるとは驚いた。さて皆さんはどこにいるか判りますか? Photo:2013/11/14 @京都市
2013年11月13日水曜日
第五百五十八夜/お口が魅力のハエ
このハエは、いつみてもおもしろ顔をしている。愛嬌のある丸い顔の先から取って付けたように長いクチバシ状に口が延びている。ピノキオのようでも、天狗の様でもある。ハエの名は、クチナガハリバエ(Prosena siberita アシナガヤドリバエ亜科) 、興味深いのはこの顔だけでなく、成虫が産んだ卵から孵った幼虫は、自分でコガネムシ科の幼虫を探し寄生すると言う。土中のコガネムシの幼虫をどうやって探そうというのか?なんとも不思議な能力を持っている。Photo:2013/11/12 @京都御苑、京都市
2013年11月12日火曜日
第五百五十七夜/晩秋の蛾・ミノウスバ
晩秋に発生する蛾・ミノウスバ(Pryeria sinica Moore マダラガ科)の産卵を見る。♀はニシキギの枝先にまとまった数の卵を産み、産卵後、尾の毛束を卵の上に貼り付ける。卵はこのまま冬を越し、春にふ化した幼虫はニシキギの新葉を食べ、6月頃に蛹になる。幼虫が多発するとニシキギの葉はほとんど食べ尽くされ、夏なのにニシキギには一枚の葉も無く枝だけになってしまう姿を度々見にする。産卵する♀の近くでは、同じ様に何頭もの♀が産卵していた。近くには交尾しているペアや、尾先を背面にそらせた特徴的なポーズをとる♂も沢山いた。今日の気温は8°C、本来なら飛ぶ個体もいるはずだが、さすがに寒いのかどれも枝先でじっとしていた。Photo:2013/11/12 @京都御苑、京都市
2013年11月5日火曜日
第五百五十六夜/キバラヘリカメムシ
今日は、暖かく気持ちのいい秋の一日だった。今日みたいな日は、虫達もよく活動する。テングチョウ、ムラサキシジミ、オオアオイトトンボが飛び出した。クサギの葉上で日光浴をするキバラヘリカメムシ(Plinachtus bicoloripes)の幼虫が下からシルエットになって見えた。隣のニシキギでも日光浴をしたり、赤い実に口吻を差し込んで汁を吸っている成虫も多数いた。本種は、成虫越冬なのでこの幼虫もあと一回の脱皮で冬を迎えるのだろう。下は日光浴をする成虫。腹部の縁の黄色と黒色のストライプがなかなかきれい。Photo: 2013/11/05 @京都御苑、京都市
2013年11月3日日曜日
第五百五十五夜/唐笠茸(からかさたけ)
いかにもキノコと言う形のカラカサタケ(Macrolepipta procera)が草地にいくつも生えていた。カラカサタケは高さが30cm以上、カサの直径が20cmにも達する大型の種で、表面の色は淡い褐色、その上に表皮が破れてできた濃褐色の鱗片が散らばる。笠の下の柄には白いツバがつき、指輪のように上下に動かすことができる。だからツバと言うよりもまるで「腹巻き」である。
カラカサタケの肉は白色で味や匂いは殆どなく、変色も見られず、汁物、焼き物、揚げ物などで食べることが出来るが、生で食べると中毒を起こす危険性があるという。キノコは上から見るよりも見上げる方が面白い。Photo:2013/11/03 @京都御苑、京都市
カラカサタケの肉は白色で味や匂いは殆どなく、変色も見られず、汁物、焼き物、揚げ物などで食べることが出来るが、生で食べると中毒を起こす危険性があるという。キノコは上から見るよりも見上げる方が面白い。Photo:2013/11/03 @京都御苑、京都市
2013年10月26日土曜日
第五百五十四夜/深まる秋とオオアオイトトンボ
久しぶりにフィールドの里山に行くとオオアオイトトンボ(Lestes temporalis)を数多く見ることが出来た。大型のトンボのようにあちらこちらと飛び回らないので目立ちはしないが、よく見ると林縁や水辺の草地でフワフワと飛んでいたり、草の葉先に休んでいる。産卵を見たかったがあいにく見れなかった。イトトンボの写真を撮っていると周囲にシカの体臭を感じた。先ほどまでシカがいたに違いない、足元にもシカの新しい足跡が無数にあった。写真の個体は♀。
2013年10月12日土曜日
第五百五十三夜/自分はなに色?セスジツユムシ
セスジツユムシ(Ducetia japonica)には緑色型と茶色型があるのだが、彼らは捕食者から身を守るために自分の体色に合わせた場所をちゃんと心得ているようだ。写真の茶色型のセスジツユムシ(♀)は草の上に落ちたクヌギの枯葉の上に止まっていた。写真を撮ろうと近づくとそれを嫌って少し動いてしまった。逃げる時も相手よりもあまり早く動くと自分の居場所を知らせてしまう、それを嫌うようにそろりそろりとゆっくり逃げるようだ。Photo:2013/10/10 @京都御苑、京都市
2013年10月10日木曜日
第五百五十二夜/不思議な色の蛹
偶然に自然状態でのクロコノマチョウ(Melanitis phedima)の蛹を見つける。蝶の蛹を自然下で探す事は簡単なことではないが、ふとしたきっかけで見つける事はたびたびある。自分の目が意識の外で絶えず探しているのかもしれない。クロコノマチョウの蛹は、透明感のある美しい鮮やかな黄緑色で、光にすかせば翅脈だけがうっすらと浮かびあがり、体自体はゼリーのように透けてしまう感じ。多くの蝶の蛹と同様にこの蛹も硬いのだが、その質感はとても柔らかなイメージである。どことなく品のよい和菓子の様である。どうすればこのような色が生まれるのか不思議だ。Photo:2013/10/09 @京都御苑、京都市
2013年10月9日水曜日
第五百五十一夜/まちで暮らすのは大変・モンシロチョウ
通りがかった園芸店の脇で舞うモンシロチョウ(Pieris rapae)。花も無いのに舞うにはワケがあって、この蝶は店の脇に売れ残り、ほとんどゴミ同然の放棄状態になっている野菜苗に産卵をしていた。モンシロチョウってどこにでも居ると思うのだが、街中からどんどん農地が消えていく状況下では、産卵環境にも厳しい事が判る。以前、スーパーマーケット店頭で野菜クズが入った箱の中にあるダイコン葉に産卵している母蝶を見た事がある。その時、トラック(ゴミ回収車)がやって来て作業員の方が箱を荷台に積みはじめたが、なおも母蝶は荷台に積まれた箱の周りを飛び続けていた。街中の街路樹のクスノキを食樹とするアオスジアゲハや園芸ブームで多く売られるスミレ類を食草とするツマグロヒョウモンの様に市街地で増えて来た種もあれば、モンシロチョウやキチョウの様に減ってしまった種もいる。馴染みが深い蝶ほどまちで暮らすのも大変と言う訳か。Photo:2013/10/09 @出町柳、京都市
2013年10月8日火曜日
第五百五十夜/寄生もつらいよ
今日は、路上で不幸にも踏まれて死んだハラビロカマキリを見つける、そばには体中より出て来たと思われるハリガネムシ(2匹)も死んでいた。
ハリガネムシは、水中で卵を産み→ふ化した線虫は草と共にバッタ(最初の寄主)などの昆虫に食べられ体内に入り込み→そのバッタを食べたカマキリ(最終的な寄主)の体内で成長→やがて大きく成長したハリガネムシは、カマキリの体より脱出し→水中に戻る→そして水中で産卵・・・と言う不思議で、かつ簡単でない、確率性の低い経路での寄生をする水生生物である。ハリガネムシは、水田などの止水域を生活の場としている。
ハリガネムシは、水中で卵を産み→ふ化した線虫は草と共にバッタ(最初の寄主)などの昆虫に食べられ体内に入り込み→そのバッタを食べたカマキリ(最終的な寄主)の体内で成長→やがて大きく成長したハリガネムシは、カマキリの体より脱出し→水中に戻る→そして水中で産卵・・・と言う不思議で、かつ簡単でない、確率性の低い経路での寄生をする水生生物である。ハリガネムシは、水田などの止水域を生活の場としている。
路上で死んだカマキリと共にどこから来たのだろうか興味深い。この近くの水場といえば鴨川か京都御苑の「トンボ池」、距離からするとトンボ池から路上までは200mほど、カマキリの能力からすると十分可能な移動距離である。つまり京都御苑の中にある水辺でもハリガネムシが生息しているという興味深いことが想像ができる。
さてこのハリガネムシ・・・最初の寄主がカマキリに食べられるよりも他の生物、例えば野鳥やカエルやハチに食べられる方が確率が高そうである。はたしてそれらの捕食者は「寄主」にならないのか不思議である。
残念ながら今回のハリガネムシは路上でひからびて水辺に戻れなかったと言うわけだが、明日台風の雨が降れば、生き返って雨水溜まりで産卵となるかもしれない・・・少々怖いがそのぐらいの能力はありそうだ。Photo:2013/10/08 @京都御苑、京都市2013年10月6日日曜日
第五百四十九夜/イソシギ
鴨川の瀬で水際を尻を上下に振り、歩き回り水性昆虫を探すイソシギ(Actitis hypoleucos)を見る。チーリーリーと細くのばす声と共に飛び出し、ああっそこに居たのか・・・と初めて気付く。長くは飛ばずにすぐに、近くの水際に下りるのだがうっかり目を放すと、どこにいるのか判らなくなってしまう。なかなか愛らしい鳥で、長く見たいのだけどすぐにどこかへ飛んで行ってしまう。Photo:2013/10/05 @鴨川、京都市
2013年10月4日金曜日
第五百四十八夜/カルガモの食事
夕方の散歩で鴨川に行く。アオサギ、コサギの群れ、イソシギ、コガモ、トビ、カラス、セグロセキレイ、スズメの群れ、カルガモの群れ・・・を見る。なかでもカルガモ(Anas poecilorhyncha)の食事は興味深かった。水辺、河原ではなく、川堤の遊歩道横の草むらでイネ科の植物の穂先につく種を食べている。ランニングの人、イヌの散歩、自転車・・・多くの人が行き交う横の草むらでである。数えてみると全部で23羽。今年、育った子どもも合わせて複数のファミリーだろう。昼間は川面で休み、夕方になると岸辺や土手上の草地に上がり、食事をする、カモが昼間よりも夜間に行動する事がよく判る。一羽だけ、ビッコをひいている個体がいた、若い個体で片足の指が中程から全て無くなっていた。Photo:2013/10/04 @鴨川、荒神口、京都市
2013年10月2日水曜日
第五百四十七夜/ハリカメムシの幼虫
カメムシって大変に嫌われてる、しかもこの嫌われ方は「えん罪」的である。確かに腹部をつかむと臭い匂いを出すこともある。その一番嫌われる匂いを実体験した人はどのぐらいいるのだろうかと思う。僕はむしろ興味深くて面白い昆虫である・・・と思う。見ている分には嫌な匂いも出さないし、それどころか美しい。興味深いと思うのは、この虫はセミの仲間で(むしろセミがカメムシの仲間というほうが正しい)「不完全変態」(蛹の段階を持たない)である。蝶の様に蛹の前後で驚く程の様変わりがないものの、幼虫時代は、親(成虫)と色も形もけっこう違うのである。写真のカメムシは、ハリカメムシ(Cletus schmidti)の幼虫である。背中の刺と触覚の節にある扁平な膨らみが面白い。成虫の様に自由に飛ぶことが出来ないので、この形で目をごまかす様に葉っぱの先端の枯れているところにいるのだろうか。Photo:2013/10/01 @京都御苑、京都市
2013年10月1日火曜日
第五百四十六夜/水浴びをするアオサギ
今日は、鴨川の端でお昼のサンドイッチを食べた。川を見ていると、少し離れた瀬でアオサギ(Ardea cinerea)が水浴びを始めた。それは見るからに気持ちよさそうな水浴びだったので写真を撮ろうかとカメラを出したらこちらを意識しはじめた。アオサギは肉眼で見ている分にはいいのだが、双眼鏡やカメラをだすと途端に警戒心が強くなる。サンドイッチを食べて横向きながら視界の隅で観察する。すると水浴びを再会する・・・そして隙を見てカメラで撮る,この繰り返しだ。驚いた事には、アオサギが水浴びをすると体の周囲にグレーの細かな泡と汚れが水に溶け出すのだった。最初は水中で糞でもしたのかと思う程の汚れが漂った。しかし何度も見ているうちにどうもそれは糞ではなく羽の汚れの様だ。それにしても汚い。何度も水につかり、バタバタと水を浴び、クチバシで翼の羽の一枚一枚を、そして脚の指先で首筋を気持ちよさそうにかき、やがて近くの岩の上に移り体を乾かしはじめた。さらに興味深い事は、今度はコサギがまったく同じ場所に来て、同じ様に水浴びを始めた。広い川のどこでも水浴びは出来ると思うのは人間の思いで、実はサギにとって水浴びポイントと言うものがちゃんと存在するらしい。Photo:2013/10/01 @鴨川、京都市
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