2013年12月13日金曜日

第五百六十夜/テナガザルと遭遇

 森を歩いていると突然、比較的近くの木立から「ホウホウ・・ホウホウ・・」と大きなかけ合いの鳴き声がした。この声は昔、ボルネオの森でも聞いたことがある。だからこれがテナガザルの声であることはすぐに判った。ただどの梢で鳴いているかが判らず、時々する声だけたよりに探す。頭上でテナガザルが枝を飛び越えて行く音で場所が判った。地上より20メートルほどの梢で2頭のテナガザルがこちらを見ていた。完全にこちらの姿は見られている。こちらを気にしながらも2頭のテナガザルは時折、森中に響く声で鳴き合っていた。1キロほど先の森からも同じ声が聞こえていたので別の個体がいるはずである。このテナガザルは、テナガザルの中では最も北西部に分布し、インド北部からミャンマーにかけて生息するフーロックテナガザル(Hoolock。テナガザルの声は、約1時間ほど続いたが午前10時30分になるとぴたりと止み。やがて居場所も判らなくなった。距離にして約25メートル、野生のテナガザルが至近の距離で見れたことはラッキーだった。残念なことにこの時は、コンパクトデジカメしか持ち合わせておらず、写真は見ての通りであるが、肉眼にしっかりと焼き付けて来た。奥の黒い個体が♂、こちらを向いて宙を飛んでいる白っぽい個体が♀。Photo:2013/12/13 @Pyin Oo Lwin, Myanmar

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