2013年10月8日火曜日

第五百五十夜/寄生もつらいよ

 今日は、路上で不幸にも踏まれて死んだハラビロカマキリを見つける、そばには体中より出て来たと思われるハリガネムシ(2匹)も死んでいた。
 ハリガネムシは、水中で卵を産み→ふ化した線虫は草と共にバッタ(最初の寄主)などの昆虫に食べられ体内に入り込み→そのバッタを食べたカマキリ(最終的な寄主)の体内で成長→やがて大きく成長したハリガネムシは、カマキリの体より脱出し→水中に戻る→そして水中で産卵・・・と言う不思議で、かつ簡単でない、確率性の低い経路での寄生をする水生生物である。ハリガネムシは、水田などの止水域を生活の場としている。
 路上で死んだカマキリと共にどこから来たのだろうか興味深い。この近くの水場といえば鴨川か京都御苑の「トンボ池」、距離からするとトンボ池から路上までは200mほど、カマキリの能力からすると十分可能な移動距離である。つまり京都御苑の中にある水辺でもハリガネムシが生息しているという興味深いことが想像ができる。
 さてこのハリガネムシ・・・最初の寄主がカマキリに食べられるよりも他の生物、例えば野鳥やカエルやハチに食べられる方が確率が高そうである。はたしてそれらの捕食者は「寄主」にならないのか不思議である。 
 残念ながら今回のハリガネムシは路上でひからびて水辺に戻れなかったと言うわけだが、明日台風の雨が降れば、生き返って雨水溜まりで産卵となるかもしれない・・・少々怖いがそのぐらいの能力はありそうだ。Photo:2013/10/08 @京都御苑、京都市

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