シジミチョウの中でもとりわけ美しいグループがある。♂の翅の表面が緑色に輝くミドリシジミ類(ゼフィルスと呼ばれる)で日本の蝶の中でも最も美しいことで人気がある。中高生の頃、このチョウを採集するために梅雨時にもかかわらず毎週山に通った。標本を作るに特徴的な翅表面の緑色と後翅の尾状突起が完璧にそろう事(これを完品=カンピンと呼んだ)が絶対条件。だがフィールドで採集する個体では非常に難しい。そこで完品を得るために晩秋から冬にかけて山に行き、卵を採集する。卵は春、食樹(幼虫の食べる樹木)の芽吹きにあわせてふ化する。だから春から梅雨明けにかけては自室の机の上はシャーレ(幼虫を飼育する容器)が200個以上も積まれるようになる。週末のフィールド通いも忙しい、毎日の幼虫の世話も忙しい、世話を怠ると病気もでる、餌の確保も大切だ、その上、生態的な記録もとらないといけない、よなよな顕微鏡で幼虫を覗いているわけだ・・・これは自分にとって何ものにも代え難い幸せな時間、他人から見れば完全に病気以外のなにものでもない。さてこのミドリシジミの仲間、フィールドでの採集も難儀だ、コナラ等の樹木の樹冠を居場所とするので捕虫網も10mの長さのものを振り回すことが必要。絶えず樹冠のあたりを見ていて、素早く動くチョウをめがけて「よいしょ、えいや!」と振り回す訳だ、体力と視力がもの言う。子どもの頃から小さな昆虫を追いかけたお陰だろうか「動体視力」にはやや自信がある。だからスポーツ観戦時もその動体視力がもの言う。今日は車を運転しながら、路肩の栗の花に吸蜜に来たミドリシジミを見つける(もちろんよそ見でなくて)。後続車がいるので路肩で止まりたいが止まれない。いったん通り過ぎてUターンして戻ると・・・既に飛び去っていない。こうなれば直感で、チョウが止まりそうな枝葉を探す・・・やっぱりいた。ミドリシジミ(♂)が葉に止まりテリトリー(縄張り)を見張っている。周辺はハンノキ林もある、きっとどこかにもっといるはずだ、この個体の状態からすると来週からは♀も登場するに違いない。Photo:2011/06/26 @近江八幡市、滋賀県2011年6月26日日曜日
第二百九十八夜/ミドリシジミ
シジミチョウの中でもとりわけ美しいグループがある。♂の翅の表面が緑色に輝くミドリシジミ類(ゼフィルスと呼ばれる)で日本の蝶の中でも最も美しいことで人気がある。中高生の頃、このチョウを採集するために梅雨時にもかかわらず毎週山に通った。標本を作るに特徴的な翅表面の緑色と後翅の尾状突起が完璧にそろう事(これを完品=カンピンと呼んだ)が絶対条件。だがフィールドで採集する個体では非常に難しい。そこで完品を得るために晩秋から冬にかけて山に行き、卵を採集する。卵は春、食樹(幼虫の食べる樹木)の芽吹きにあわせてふ化する。だから春から梅雨明けにかけては自室の机の上はシャーレ(幼虫を飼育する容器)が200個以上も積まれるようになる。週末のフィールド通いも忙しい、毎日の幼虫の世話も忙しい、世話を怠ると病気もでる、餌の確保も大切だ、その上、生態的な記録もとらないといけない、よなよな顕微鏡で幼虫を覗いているわけだ・・・これは自分にとって何ものにも代え難い幸せな時間、他人から見れば完全に病気以外のなにものでもない。さてこのミドリシジミの仲間、フィールドでの採集も難儀だ、コナラ等の樹木の樹冠を居場所とするので捕虫網も10mの長さのものを振り回すことが必要。絶えず樹冠のあたりを見ていて、素早く動くチョウをめがけて「よいしょ、えいや!」と振り回す訳だ、体力と視力がもの言う。子どもの頃から小さな昆虫を追いかけたお陰だろうか「動体視力」にはやや自信がある。だからスポーツ観戦時もその動体視力がもの言う。今日は車を運転しながら、路肩の栗の花に吸蜜に来たミドリシジミを見つける(もちろんよそ見でなくて)。後続車がいるので路肩で止まりたいが止まれない。いったん通り過ぎてUターンして戻ると・・・既に飛び去っていない。こうなれば直感で、チョウが止まりそうな枝葉を探す・・・やっぱりいた。ミドリシジミ(♂)が葉に止まりテリトリー(縄張り)を見張っている。周辺はハンノキ林もある、きっとどこかにもっといるはずだ、この個体の状態からすると来週からは♀も登場するに違いない。Photo:2011/06/26 @近江八幡市、滋賀県2011年6月18日土曜日
2011年6月9日木曜日
第二百九十六夜/ゲンジボタルの乱舞
ホタルの乱舞っていう表現はたびたび聞くけれど、出張先で出会ったゲンジボタルは本当に乱舞していた。しかも驚く事に街の真ん中を流れる川でのこと。ここは山口市役所、県庁からほど近い一ノ坂川。ここのゲンジボタルは天然記念物となっている。聞けば今年のホタルの発生はとても多く、ピークは3日前だったと言う。その日は2000頭を越えたらしい。ホタルは辺りが暗くなると徐々に飛び始め、午後8時頃から活発さを増し、9時頃をピークに行動する。橋の上から眺めていると、岸辺の草地や樹木に止まっている数匹のホタルの発光は別の個体の発光を誘うように、徐々に多くのホタルが発光し、飛翔を始める。時折、両岸の道や橋を通過する車の強い人工の光が川面まで達するとホタルの発光はいったんそれにかき消されるが、暗くなると再び発光が始まる。カメラに三脚をセットし、ホタルの光の軌道を写そうとするが、通過する車のライト、ホタルを写真に収めようとするストロボが障害となって思うように撮れない。なにせホタルの弱光を撮るには、絞りを開放にした上に、1分以上の露光時間が必要だから(写真:絞り2.8、露光時間60秒)。僕が訪れた夜の個体数は約800頭、はたして2000頭の乱舞はどれほどのものなのか想像もつかない。ちなみにホタルの発生する川の周辺の道路や橋は、ホタルに影響に無いオレンジ色の保安灯を使う等の配慮がされていた。ゲンジボタルの発光は2秒に1回(西日本)、ヒメボタル(第二百九十三夜)のフラッシュ光と違い、光の軌道「スッ〜、スッ〜」と尾を引くように写る。Photo:2011/06/08 @一ノ坂川、山口市ホタルの記録はこちらをどうぞ http://www.c-able.ne.jp/~denshou/hotaru/nippo11.htm
2011年6月4日土曜日
2011年6月3日金曜日
2011年6月1日水曜日
第二百九十三夜/人知れず過ぎるヒメボタルの夜
京都・桂川の河川敷にヒメボタルを見に行く。このホタル、ゲンジボタルやヘイケボタルのように川岸ではなく、樹林地の林床部に生息する。何故かと言うと、幼虫はカワニナを食べて生長するのではなく、オカチョウジガイ(陸貝)を食べるため。この陸貝の仲間は湿った林床部を生活の場とする。ちなみにデンデンムシ(カタツムリ)も陸貝。ヒメボタルの発光は、すこし黄色がかったストロボ光(パッ、パッ、パッ、パッ・・)で歯切れ良く明滅を繰り返す。まるでクリスマスツリーだ。10時頃から活発になり夜12時をピークとするらしい、かなりの夜更かし型。11時頃はまだ下草に止まって光っていたホタルも12時頃になると、地上20cm程度の高さを緩やかに飛び始めた。オスは飛翔しながら発光するが、メスは草木につかまった状態で発光する。ちなみにメスは後翅が退化して飛べない。写真の中で同じ位置で強く光っているのが♀の光、空中にある細かな光の点そして光の軌道がオスの発光。樹林地のなか凄まじいばかりの光だった、ここは知られている生息地では日本で一番広く個体数も多いという、ただしこの生息環境が今後も守られると言う保証はどこにも無い。幸いこの生息地は研究家達により生息調査・保護活動が続けられている。活動が夜遅く人に知られる機会に乏しい、河川の水質汚濁に左右されない事などを考えると以外に身近な場所で生息をしているとも考えられる。しかしこのことは人知れず生息地が開発され、絶滅していることでもある。ながらく都市人にとって水際も山際も無駄な土地として扱われてきた、悲しい事に今でもそれは同じ。興味深い事にこんな場所こそ環境の多様性を持ち、面白い生きものがいっぱい暮らしている場所なのだ。僕たちはある場所や環境を語る時に、様々な季節、様々な時間を費やし多様な感覚を駆使しない限り、判った・知ったなんて安易に言ってはいけないのだ。この地を守っているボランティアの方々に感謝。真っ暗な樹林地でヤブ蚊に耐えながら、10分露光してやっと撮れた。満足にホタルの光をとらえようとすると20分以上の露光が必要。Photo:2011/05/31 桂川河川敷、京都市2011年5月29日日曜日
2011年5月26日木曜日
2011年5月25日水曜日
第二百九十夜/トビとスズメ
琵琶湖岸の道を車で走っている途中、道端にトビの巣を見つける。巣は道路から5mぐらい離れた松の木、巣の高さは地面から7m程度。ちょうど親鳥がヒナに餌を運んできたところだった。車を止め、近づくとすでに食事は終わり、2羽のヒナ鳥は体を巣に隠すようにこちらをうかがっている。しばらく見ていた時、巣材の下枝の間からスズメが出入りしている事に気付いた。写真にスズメが写っている。スズメとトビのヒナ鳥との距離は1m程度だろう。猛禽類の巣の近くに小鳥が巣を造る事は聞いた事はある。スズメの巣はよくカラスに襲われる、小鳥が他の捕食者から身を守る知恵だろう。それにしてもスズメもなかなかの知恵者である。Photo:2011/05/25 @中主町、滋賀県2011年5月24日火曜日
2011年5月21日土曜日
第二百八十八夜/マガリケムシヒキ
水辺の草地でアブが盛んに小さなムシを捕らえている。このアブの名は「マガリケムシヒキ」という体長15~20mm。全体は黒く、胸部背に灰白の模様があり、肢の脛節は黄褐色をしている。♂の腹部先端は丸く、♀は細く尖っている、だから写真の個体は♀である事がわかる。成虫はヨコバイ、ハエ、ガガンボ、ハナアブなどの小型の昆虫を捕らえて体液を吸うが、幸い人の血は吸わない。名前の「マガリケ」は♂♀共に頭部裏にある、前方90度に曲がった毛を持つ事から名前が付けられている。♂♀の腹部の形も曲がった毛も他の人にとっては、どうでもいい食えない話だけど、やっぱり自分の目で実際に確かめたくなる。Photo:2011/05/20 トンボ池(一般公開の日)、京都御苑2011年5月19日木曜日
2011年5月18日水曜日
第二百八十六夜/ムクドリとミミズ
葵祭りを観に京都御苑に行く。祭りの後、御苑を散歩。松林の草地でムクドリが大きなミミズを仕留めたようだ。見ているとなかなか苦戦している。食べずにぐるぐると振り回している。半分に切ろうとしているのだろうと見ていると、なんと振り回している間にミミズの両端をくわえることに成功。つまり輪っか状にくわえたかったのだ。なかなか器用だ。やっと輪っかにしたところで、今度はまっしぐらに林めがけて飛んで行ってしまった。きっと巣にはお腹をすかせたこども達が待っているのだろう。葵祭の観覧の最中に後ろのご夫婦「あの人より、トンビの方がきれいだね・・・」。なにも人とトンビを比べることは無かろうにとその方向を見ると、時代装束の列の上にはトビが風に乗っていたのだった。確かに暑い中ではあるがだらだらとやる気無く歩く祭り人よりもトビの方が明らかに美しい身のこなしで新緑の空を舞っていた。判らないでもないご意見だった。Photo:2011/05/15 @京都御苑、京都市2011年5月12日木曜日
第二百八十五夜/コチドリ
仕事先、車で移動中に見つけたコチドリ。水田の畦の上を右へ左へ、あっちにこっちに、こちらのすぐ側まで来たと思うと、向こうへ飛び去り、再びこちらへ忙しく動き回っている。双眼鏡で見ているとしきりに地面をつつき何かを食べている。なかなかかわいらしいチドリである。小学生の頃、釣り好きのH君が僕の家にこのチドリのひな鳥を持ってきた。河原で拾ったので保護した、飼えというのである。その頃、僕に家にはいろいろな小鳥がいた。だから僕に渡せばなんとかなるだろうと言う訳だ。河原の小石にも似た模様の羽で全身を覆った手の中にすっぽりと収まる小さなひな鳥は居間の畳の上を元気に走り回るのだが、いっこうに餌を食べない。ついに朝にはホコリのように箱の隅で動かなくなっていた。チドリの仲間の巣は、地面に小石を敷きならべたくぼみで、そこに卵が産み落される。ひな鳥は、ふ化後しばらくすると歩き出し、親鳥と共に行動し、餌を食べる。スズメの様に巣立ちなんて事はしない。ふ化した時は、すでに目も見え、しばらくすると走り回るほどの状態になる。鶏のヒヨコと同じである。H君は迷子のひな鳥を保護したのではなく、おせっかいにも地面に隠れていたものを連れ帰ったという訳だ。これからの季節、小鳥の巣立ちビナが多くなる。車が走る道路上にいた時は別としても、人間が善かれと思って手を出してはいけないのである。Photo:2011/05/12 @守山市、滋賀県2011年5月2日月曜日
第二百八十四夜/モンカゲロウ
水辺のキショウブ葉上に大型のカゲロウを見つける。体色などの特徴からモンカゲロウだろう。足は細くきゃしゃなのに前脚だけは長く発達しており、止まっている時に前脚を前方の空中に突き出すようにしている。これは大きな触覚のように見える。このカゲロウの仲間は幼虫期を水中で過ごし、成虫になるのだが、完全な成虫の前に「亜成虫」と呼ばれる時がある。水中からいったん羽化し=亜成虫、そのあとすぐにもう一度羽化して「成虫」になる。一度、羽化し翅が伸びた後にもう一度脱皮する昆虫は他にいない。成虫は餌を取らず、交尾を終え、水中に産卵すると、ごく短い成虫期間を終える。翅をもった期間は、まったく生殖のためだけに陸上に現れるということだ。はかないものの例えに「かげろう」があるが、これは成虫の期間の短さがその理由とも言われるが、幼虫期にほぼ一年過ごしているのだからけっしてはかなき命と言う訳ではなさそうだ。Photo:2011/05/02 @京都御苑、京都市2011年5月1日日曜日
第二百八十二夜/クロスジギンヤンマの産卵
なんだか暑くなったり寒くなったり、日ごとに入れ替わる天候に今年の春はちょっとおかしいと思うのは人間だけか。外では野鳥の子育てが盛んだし、水辺でもトンボの産卵が始まっていた。でもこのクロスジギンヤンマ(♀)の産卵早くないか? 植物園の小さな睡蓮池で盛んに産卵を繰り返す。一度、産卵し始めると水中の植物生体内に産卵するために比較的時間が必要、そこで注意深く近づく事で、ほとんど接写状態の写真も収めることが出来た。でもこのぐらいの適度の距離が周りの環境も判っていいと思う。*このクロスジギンヤンマは、第215話(2010/06/10)と、2回目の登場となりました。Photo:2011/04/30 @京都府立植物園2011年4月27日水曜日
第二百八十一夜/ツマキチョウ
春先に現れる小さなシロチョウの仲間のツマキチョウ。名前の由来は前翅のつま先の黄色から。この蝶、ちょうど今頃2〜3週間程度現れて来年の春まで現れない年1回の発生。食草に産みつけられた卵から生まれた(ふ化)幼虫は、食草のハタザオの仲間、イヌガラシ、ナズナ、ダイコンなどを食べ、梅雨入りまでには蛹になってしまう。学生の頃、この卵を沢山採集して多くを蛹まで育てた。ある年の事、夏〜冬を乗り切った蛹達からは翌春、きれいな成虫が羽化した。しかし、たった1個の蛹だけは夏まで待っても羽化することはなかった。きっと死んでしまったのだろうと思い、その蛹を本棚に飾っていた。夏が過ぎ、秋が過ぎ、年末の大掃除の時も片付けられる事がなかった蛹。次の春、つまり蛹になってからまる2年が経った日。外出から戻り部屋に入った時にそこに一頭のツマキチョウが舞っていたのだった。「あれれ?」・・・「おおっ!」生きものってすごいなと思った。室内は自然界に比べれば外敵はいないかもしれないが生きものにとって劣悪な環境、その中で丸2年間耐えてきたのだった。全部がいっせいに成虫にならずに大きな時間差を持って成虫になる事によって子孫をつなぐ。決してめずらしくない、どこにでもいる小さな蝶をこの時から僕は特別な目で見るようになった。当時の図鑑にはこんな事例は書かれていなかったが、近年の本には「稀に二冬あるいは三冬を過ごして羽化する場合もあることが報告されている」と書かれている。写真の吸蜜植物はウマノアシガタ。Photo:2011/04/26 @京都御苑2011年4月5日火曜日
2011年3月29日火曜日
第二百七十九夜/虎斑木菟

虎斑木菟と書いて「トラフズク」と読む。「虎のような斑紋を持つミミズク」という意味である。ミミズクとは、頭に耳のような冠羽をもつフクロウの総称。今日はこのトラフズクの姿をやっと写真に収める事が出来た。今年になって6羽程度の集団越冬の木を見つけた。しかしいざ写真を撮る段になってみるといなかったり、こちらの気配を察して飛び去ったりして写真にすることが出来なかった。ねぐらの近くには沢山のペリット(消化できないものを塊にして吐き出したもの)が落ちている。その一つを拾ってみると、ご覧のようなネズミの頭骨(黄色い鋭いものが前歯)と毛を見る事が出来る。このペリットは一見動物の糞のように見えるが無臭。毎日拾って水にさらせばその内容物が判別できるし、一日どれぐらいのネズミを食べているかも判るだろう。このミミズク、食べ物のメニューはそれほど広くないようで、転がっていたペリットのほとんどはネズミの毛玉だった。どれほど多くのネズミを周辺の田畑から獲ってくるのかとても興味深い。Photo:2011/03/29 @浅小井、近江八幡市、滋賀県2011年3月22日火曜日
第二百七十八夜/国鳥・キジ

川岸の草地を歩いていた時、クズの枯枝の向こうから赤い顔とにらむような黄色の鋭い目が見えた。キジだ!近すぎる。こちらが動けば対岸に飛び去るのは間違いない。体をかがめ向こうが動き出すのを待つしかない。しばらくじっとしているとこちらを伺いながらゆっくりと現れた。顔の様子から先ほどまでの警戒心は伺えない(瞳孔の鋭さが消えている)。時折、地面をつつくように何かを食べている。互いの間の草がキジの顔に重なってよく見えない。欲を出してしまった・・・体を動かした瞬間にキジは小走りとともに、大きな羽音を残して対岸の葭原に飛び込んでしまった。写真のキジは♂で、顔の赤い部分(鶏のトサカにあたる)は皮膚が露出していて、耳のように見える冠羽も目立っている。これは繁殖に入っている証拠。キジはテリトリー(縄張り)が強いので多分ここにくればいつも見れるはず。Photo:2011/03/22 @浅小井、近江八幡市、滋賀県2011年3月21日月曜日
第二百七十七夜/ヒヨドリと個性
2011年3月19日土曜日
第二百七十六夜/ツグミの仲間のイソヒヨドリ
造園工事現場にやってきた珍客イソヒヨドリ(♂)。頭から胸、背中にかけて綺麗なブルー、お腹の辺りは茶色のコンビカラー。職人さんが運んでくる土がお目当てのようで、見ているとミミズとコガネムシの幼虫をついばんでいるようだ。名前に「ヒヨドリ」と付くが行動を見ていると「ツグミの仲間」である事が判る。その動きはとても面白く、立ち止まり胸を張ると次に頭を地面につけるようにしてお尻を高く上げる。地面にいる時はこれを繰り返す。ムシを食べた後は近くの屋根や柵の上で次に運ばれてくる土砂を待っていた。平気で車の下にも入り、この時もカメラに気付くと車の下に隠れた。素知らぬ振りをして樹木や土をいじっていると、すぐ後ろまできていた。あまり人を怖がっていないようだ。Photo:2011/03/18 @守山市、滋賀県2011年3月13日日曜日
第二百七十五夜/シメ
ニュースで報じられてる東北関東大震災の悲惨な状況を疑うばかりの穏やかな一日。いろいろなことを思い浮かべながら京都御苑を歩く。こちらが無心で歩いているからか普段は臆病なシメ(文鳥をひと回り大きくしたような野鳥)が目の前の草地で餌を食んでいた。地面に転がった松ぼっくりから種を取り出しているようだ。この野鳥は、ヨーロッパ中部および南部からロシア南部を経て中国東北部、サハリン、カムチャツカ半島までの、ユーラシア大陸中部域に広く分布する。北方で繁殖した個体は、冬季南方へ渡る。日本では北海道や本州の中部以北で繁殖するほか、冬鳥として本州以南に渡来する。もうしばらくするとふるさとに繁殖のために旅立つ。冬場は肌色だったクチバシの色が変わりだしている、はやくも繁殖期の姿が現れてきた。Photo:2011/03/13 @京都御苑、京都市2011年3月9日水曜日
第二百七十四夜/二種のタカに魅せられる



今日は葭原一帯に強い風が吹いていた。時折吹く強い風で車が揺れる程。ハイイロチュウヒを見に行ったが見当たらず、変わりにミサゴ(写真上)とノスリ(写真下)が元気よく飛び回っていた。ノスリは獲物でも見つけたのかすごい勢いで葭原に見え隠れした。近くの畑地にはチョゲンボウが地面にとまっていた、強い風を避けているかのようだ。さて仕事でいったん葭原を去り、日暮れにもう一度同じ場所を訪れた。この時間タカ達の姿は無かったが、トラフズク(フクロウの仲間)が複数羽、葭原を元気に飛び回っていた。このトラフズク、越冬時(冬場)は少数の群れで同じ木に止まる習性が有る。実は先日、この群れを葭原近くの木に見つけたのだ。今日も昼間確認すると確かに枝に止まっていたが、夕方にはすでに活動を始めたようでいなかった。日暮れの葭原と畑地に飛ぶトラフズクを双眼鏡で追いかけるが、しばらくしてすっかり日も暮れ見えなくなった。今日はなかなかラッキーな一日。Photo:2011/03/09 @近江八幡市、滋賀県
2011年2月25日金曜日
第二百七十三夜/トビは油揚をさらうか?
その体験は突然きた、聞くに勝るその瞬時と迫力・・・「大切にしているものを横取りされてあっけにとられること」これを昔からトビに油揚さらわれると言う。現代では油揚ならぬサンドイッチやお弁当がさらわれると聞く。その事件が自分の身に起こった。相棒と二人、僕は鴨川の川面を遊ぶ水鳥を見ながらベンチでサンドイッチを食べようとしていた。「鳶には注意しないとな〜」と周囲を注意していたその瞬間、相棒が今まさに食べようと手にしたコロッケパンが消えた。不思議なことに「バッサ!」と言う羽音は事件の後で聞こえた。つまり羽ばたき一つせず背後から急降下したトビは大人二人の間(互いの間は50cmもない)をピンポイントでコロッケパンをつかみ獲った後に羽ばたき一つで0.5秒後には10メートル前方上空に舞い上がった、と言う訳だ。悔しいやら、感動やら、関心するやら、複雑な思いでトビとコロッケパンを見送った。一回280円の少々お高い餌やりだがすばらしい(?)体験になった。この餌の獲りかたは許しがたい、しかし立派な猛禽類としての運動能力を認めるには十分である。草原でうっとりしているネズミだったらこれでは歯が立たない。今度はカメラの上にパンを置いて、その瞬間を撮ろうか・・・なんてことを思ってしまう。さて、今回の体験で判ったことは「鳶に油揚・・・」のことわざに有るようにきっと昔から鳶はこんな餌の獲り方をしていたんだろうなと思った。Photo:2011/02/25 @鴨川、京都市2011年2月23日水曜日
第二百七十二夜/キツネの巣穴と昼間のフクロウ

仕事の現場でキツネの巣穴を見つける・・・といってもあまりにも判りやすい場所で驚く。さてここは今までなんども通った場所である。今まで気付かなかったことの方がおかしい。砂山に直径25cmぐらいの穴が3本、内2本が奥まであるようだ。穴の入り口には真新しい足跡が残る。肉球で出来たくぼみの砂はまだ湿り気があったから人の気配を察して巣穴に逃げ込んだのかもしれない。よくよく見ると巣穴の周りの砂は枯れ草の上に乗っている・・・ということは今年に入ってから掘られたものに違いない。キツネには気の毒だがこの場所は春にはグランドとして整備されてしまう。さてどうしたものか。この後、すぐ側で昼間に飛ぶフクロウを見た(めったなことでは見れないと思うのだが)、キツネがフクロウに化けて逃げていった? さほど羽ばたきもせず、羽音一つ立てずに樹々の間を滑らかに飛ぶその飛行に大変驚いた。フクロウが飛び去った辺りを見ると地面にいくつものペリット(餌動物の消化できない部分=毛、羽根、骨、うろこなどの塊)が見つかった。キツネの糞も沢山有る。見るとほとんどがネズミの毛と骨、キツネとフクロウどちらも知恵もの、両者ここではネズミが主食のようだ。Photo:2011/02/23 @浅小井、近江八幡市、滋賀県2011年2月17日木曜日
2011年2月15日火曜日
第二百七十夜/五位鷺(ゴイサギ)
普段なら夜行性の上、警戒心の強いゴイサギ(*)が真っ昼間にしかも人が近づいても逃げる気配もなく池に架かる端のたもとにたたずんでいる。側を通る人は「なれているのね」なんて言いながら写真に収めていくのだけれど、よくよく見れば生気がない。本来なら真っ赤に目立つ虹彩(目の白目の部分)も濁っている、目もどこか落ち込んで見える、ゴイサギの特徴でもある2本の白い冠羽(頭の飾り羽)も一本しかない、さらに見ると背中の一部の羽がなくなり、周りの羽がべっとりと汚れている。このゴイサギの冠羽の特徴からちょうど一週間前に写真に収めた個体と同じだった。一週間前は元気なようだったが、その頃からなにか体に不調があったことも想像できる。そしてこの一週間満足に餌も食べていないのかもしれない。一体このゴイサギの身に何が有ったのだろうか。背後からオオタカの一撃を喰らい、逃げてきたのか? なんとか元気になって欲しいと心から願う。*ゴイサギ:サギ科の鳥。全長58センチくらい。頭と背が緑黒色、翼は灰色、顔から腹は白く、頭に2本の飾り羽がある。幼鳥を星五位(ほしごい)、成鳥を背黒五位(せぐろごい)ともよぶ。夜行性で、水辺で魚・カエルなどを捕食。名は、醍醐(だいご)天皇の命によって捕らえようとすると素直に従ったので、五位を授けられたという故事に由来。
Photo:2011/02/15 @九條池、京都御苑、京都市
その後のゴイサギ:この写真を撮った夕方、近くの水路で力なくたたずみ、翌日別の水路で死んでいたことを知人から伝えられた。時勢がら死体は保健所に届けられ、インフルエンザの検査がされたそうだ。検査は陰性。その後、死体がどのような処分をされたかわからない、おそらくその亡がらは別の生きものの血となり肉となる野生の生きもの本来の最期とはならなかっただろう。一羽のゴイサギに起こった事件、それがもとで餌を採れず、加えて積雪に勝てなかったのか。自然界ではごく日常的な出来事、ならばこそせめて草むらで死なせてやりたかったなと思うのである。(2011/02/17)
2011年2月5日土曜日
第二百六十九夜/葦原のホオジロ
琵琶湖の内湖/西の湖のヨシ原を歩く。今日は(も)ハイイロチュウヒ(タカの仲間)をカメラに収めようと沢山のバーウォッチャーが土手沿いに並んでいた。人を避けてヨシ原のなかに入ってみた。背丈3mを越すヨシ原に足を踏み入れるとまるで迷路の様、遠くの山を目印にしないかぎり迷ってしまうだろう。時々、ヨシ刈りで出来たぽっかりとした空き地が現れる。そんな見通しの悪い場所ならではの出会頭系接近遭遇ってあるもんだ。ヨシ原を曲がったとたん地表から2m程度の高さでハイイロチュウヒがこちらに向かってきたのだから。互いの距離は5mほど、残念なことにカメラに三脚につけていたからさすがに写真は撮れなかった。ハイイロチュウヒも驚いて急上昇。しかし肉眼でしっかりとその姿は見せてもらった。2度目の出会いを期待したが、その後はこんなラッキーな出会いは無かった。周りのヨシ原に耳を澄ませば、パチパチと周囲から音がする。ホオジロ(写真)の群れが草の種子やヨシの茎を割る音だった。Photo:2011/02/05 @西の湖、近江八幡市、滋賀県
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