2011年6月9日木曜日

第二百九十六夜/ゲンジボタルの乱舞

 ホタルの乱舞っていう表現はたびたび聞くけれど、出張先で出会ったゲンジボタルは本当に乱舞していた。しかも驚く事に街の真ん中を流れる川でのこと。ここは山口市役所、県庁からほど近い一ノ坂川。ここのゲンジボタルは天然記念物となっている。聞けば今年のホタルの発生はとても多く、ピークは3日前だったと言う。その日は2000頭を越えたらしい。ホタルは辺りが暗くなると徐々に飛び始め、午後8時頃から活発さを増し、9時頃をピークに行動する。橋の上から眺めていると、岸辺の草地や樹木に止まっている数匹のホタルの発光は別の個体の発光を誘うように、徐々に多くのホタルが発光し、飛翔を始める。時折、両岸の道や橋を通過する車の強い人工の光が川面まで達するとホタルの発光はいったんそれにかき消されるが、暗くなると再び発光が始まる。カメラに三脚をセットし、ホタルの光の軌道を写そうとするが、通過する車のライト、ホタルを写真に収めようとするストロボが障害となって思うように撮れない。なにせホタルの弱光を撮るには、絞りを開放にした上に、1分以上の露光時間が必要だから(写真:絞り2.8、露光時間60秒)。僕が訪れた夜の個体数は約800頭、はたして2000頭の乱舞はどれほどのものなのか想像もつかない。ちなみにホタルの発生する川の周辺の道路や橋は、ホタルに影響に無いオレンジ色の保安灯を使う等の配慮がされていた。ゲンジボタルの発光は2秒に1回(西日本)、ヒメボタル(第二百九十三夜)のフラッシュ光と違い、光の軌道「スッ〜、スッ〜」と尾を引くように写る。Photo:2011/06/08 @一ノ坂川、山口市
ホタルの記録はこちらをどうぞ http://www.c-able.ne.jp/~denshou/hotaru/nippo11.htm

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