2011年5月2日月曜日

第二百八十四夜/モンカゲロウ

 水辺のキショウブ葉上に大型のカゲロウを見つける。体色などの特徴からモンカゲロウだろう。足は細くきゃしゃなのに前脚だけは長く発達しており、止まっている時に前脚を前方の空中に突き出すようにしている。これは大きな触覚のように見える。このカゲロウの仲間は幼虫期を水中で過ごし、成虫になるのだが、完全な成虫の前に「亜成虫」と呼ばれる時がある。水中からいったん羽化し=亜成虫、そのあとすぐにもう一度羽化して「成虫」になる。一度、羽化し翅が伸びた後にもう一度脱皮する昆虫は他にいない。成虫は餌を取らず、交尾を終え、水中に産卵すると、ごく短い成虫期間を終える。翅をもった期間は、まったく生殖のためだけに陸上に現れるということだ。はかないものの例えに「かげろう」があるが、これは成虫の期間の短さがその理由とも言われるが、幼虫期にほぼ一年過ごしているのだからけっしてはかなき命と言う訳ではなさそうだ。Photo:2011/05/02 @京都御苑、京都市

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