写真を整理していたらアオバズク(Ninox scutulata フクロウの1種)の羽の散乱シーンを思いだした。忘れていた訳ではないが、その時は結構ショックであまり見たくなかったからである。鳥が補食された痕跡はいくども見ているのでさほどのショックは無いが、ここのところアオバズクが狙われるケースが少なくないからである。狙う相手は、痕跡からおそらくオオタカであることは間違いない。アオバズクは個体数の少ない鳥である、にも関わらず、補食されるケースが割合として多いと言う事は、昼間は枝に止まり休むアオバズクはオオタカにとって捕らえやすい獲物なのか、それともアオバズクを補食すること、居場所を覚えた個体がいるのだろうか。いずれにしてもこの貴重なフクロウの1種を狙わず個体数の多いドバトや他の野鳥を捕らえたらよいと思うのだが(多分、日常的な獲物はドバトだろうが・・・)、これは人間の勝手な言い分であって、野生生物である以上、自分にとってコストがかからない獲物を狙うのが一番合理的である。他の小鳥や小動物を狩るアオバズクと言えども生き延びる事はたやすくないのである。合掌。Photo:2013/06/11 @京都御苑、京都市
2013年8月31日土曜日
2013年8月30日金曜日
第五百二十一夜/草間に潜むアオメアブ
草葉に止り近くを獲物を通るのを待っているアオメアブ(Cophinopoda chinensis)写真の個体は♂。金緑色から緑色に輝く大きな複眼、長い足、筋肉質の胸部・・・なかなかきれいな肉食性のアブ。名前の「アオメ」は複眼の色を表すが、角度によって緑から銅色まで複雑に変化する。草の葉上で待ち伏せし、昆虫を捕らえて体液を吸い、けっこう大きな獲物も捕らえてる。脚のとげとげは飛びながら獲物を確実に抱え込むのに役立ち、細い草葉に止まる時も上手く使っている、これはトンボやキリギリスと同じ。Photo:2013/08/29 @京都御苑、京都市
2013年8月29日木曜日
第五百二十夜/労働寄生をする小さなハチ
腹部を赤いインクビンにつけた様な体色のハチがいた。唐辛子の様でもある。単純ながらも不思議な色分けである。これは初めて見る種類。体長15mm程、一所に止まらず花の蜜を忙しく吸っているのですぐに見失ってしまった。でも特徴的な体色だけはなんとか写真に収めることが出来た。早速、調べるとハラアカヤドリハキリバチ(Euaspis basalis)と判った。このハチ、ハキリバチ科のオオハキリバチに労働寄生すると書かれている。聞き慣れない「労働寄生」とは、「宿主の体から直接栄養を得るのではなく、宿主が餌として確保したものを餌として得るなど、宿主の労働を搾取する形の行動を取ることを指す。盗み寄生とも言う。」とあった。しかしながら疑問は残る、今日見たハチは自分でちゃんと花の蜜を求め得ているではないか・・・。このハチの仲間=ハキリバチはその名から想像できる様に植物の葉を切り取り、それを竹筒などの穴に運び入れ、卵を産むための部屋を作り、そこに花粉を運び入れ卵を産みつける。だからこのハチの労働寄生とは、宿主=オオハキリバチが竹筒に運び入れた巣材と花粉の部屋に忍び入り、自分なりのアレンジを行い卵を産みつけると言うものらしい。つまり鳥の託卵にも似ている。巣も作らない、幼虫の餌も集めない・・・だけど他のハチが準備した産卵場所にちゃっかり潜り込み、自分の卵を産み付ける。これだけなら彼らは何もせず楽して産卵しているようだが、実際は「宿主=オオハキリバチ」の行動をちゃんと把握することに全てが懸かっている。宿主の行動が全てを左右する、これも決して楽ではない。なかなか上手くしたものである。やはり昆虫の世界はまったく不思議である。・・・が人間界での労働寄生ももちろんある、これを古くから「ひも」と呼ぶ。花はイヌコウジュ(シソ科)。Photo:2013/08/29 @京都御苑
2013年8月27日火曜日
第五百十九夜/モノサシトンボのペア
水辺の近くでモノサシトンボ(Copera annulata)のペアがいた。交尾中で一般的によく言われるハート形の状態である。セミの声もすっかり勢いが無くなったが、このモノサシトンボのシーズンも今年は後ひと月ぐらいだろう、このペアもこれから産卵に忙しいだろう。この母トンボ(写真の下)が産む卵は、年内に孵化し、幼虫(ヤゴ)で冬を越し、来年の5月頃成虫となる。Photo:2013/08/27 @京都御苑
2013年8月25日日曜日
第五百十八夜/雨のショウリョウバッタ
突然の強雨がショウリョウバッタ(Acrida cinerea)を打つ、外敵が来ると素早く飛び逃げさるオスの様に出来ない体の大きなメスは、近くによっても水に濡れた重い体を「よいしょ.よいしょ」と動かすのが精一杯だった。Photo:2013/08/25 @近江八幡市
2013年8月22日木曜日
第五百十七夜/ヒバリの寝苦しい夜?
ヨシ原にツバメ、スズメの塒(ねぐら)入りを見に行く。18時30分次々と小群で鳥たちがヨシ原にやって来て、ヨシの葉先に止まっている。まるで頭をたれる稲穂の様に小鳥がなっている。そばの農道の砂利道でヒバリ(Alauda arvensis)が砂浴びをしていた。砂浴びは昼間にするものとばかり思っていたので、この時間の砂浴びには驚いた。双眼鏡で見ると「ハアハア・・」と口を開けていかにも暑そう。鳥たちにも寝苦しい夜ってあるんだろうか。それにしてももう少しマシな写真撮れなかったのかと・・・自分に問わざる得ない。Photo:2013/08/22 @西の湖、近江八幡市
2013年8月20日火曜日
第五百十六夜/風に揺れる秋の気配
野生の生きもの達を見ていると暑い暑いと思うのは人間ばかりではない。いつまで暑い夏が続くのかと心配にもあるが、すこしばかり鳴き声に勢いが無くなったセミや、渡り準備をしている野鳥、そして植物の変化を見ていると秋が始まりつつある事に気付く。水辺でギンヤンマの黄昏飛翔が始まろうとする少し前にヨシ原に差し込む光と風、キンエノコロ(イネ科)の穂先が風に揺れとても美しく暑さを忘れさせてくれる。きっと生きもの達もどこかで同じこの風景を見ているはずである。Photo:2013/08/19 @西の湖、近江八幡市
2013年8月19日月曜日
第五百十五夜/なにか御用でも? オオタカとカラス
「なにか私に御用でも?」オオタカ(左)
「その獲物を置いてどこかに行っていただませんか!」ハシブトガラス(右)
今日、 川岸で見た光景。 小鳥を捕らえた、その姿をハシブトガラスのカップルに見つかってしまったのだろう。食事中、すぐそばでしつこく騒がれていたオオタカ(Accipiter gentilis)♂。カラスが直接的なちょっかいを出さなかったが、あまりのしつこさにさすがのオオタカも近くの河畔林に姿をくらしてしまった。こんな時のカラス達はしつこいのである。あまり騒がれると他のカラスも集まり、事が大きくなってしまう・・・タカと言えども多勢に無勢、しかも体の大きさではカラスに劣る、こんな時は逃げるが勝ちなのである。Photo:2013/08/19 @西の湖、近江八幡市
2013年8月18日日曜日
第五百十四夜/夕暮れとギンヤンマ(黄昏飛翔)
本日のフィールドノートより/ギンヤンマ(Anax parthenope)の黄昏飛翔
17時00分 オオタカ(♂)、ミサゴ(ペア)、トビ上空を飛ぶ。カワラヒワ・ツバメ・スズメ、小群毎(5〜10羽)に葦原に入る。 カイツブリ、バン、カルガモ水面を行き来。ウスバキトンボ群飛、ギンヤンマの縄張り巡回飛行、交尾、産卵、休息(写真)など多数観察。時折、トンボ同士がもつれ、足元に落ちて来たり、水面に落ちたりする。
18時30分 ギンヤンマの摂食飛翔、30頭以上の群飛。水田、草地、地面より2.0〜6.0m程度で盛んに餌を獲る。ギンヤンマに混ざり、時折オニヤンマ、ヤブヤンマ(翅が淡褐色)、コシボソヤンマもいるようだ。
18時45分 コウモリ(アブラコウモリ?)の飛翔多くなる。アオサギ横切る。
19時00分 トンボの群飛に代わり、コウモリが急に多くなる。
Photo:2013/08/18 @西の湖、近江八幡市
2013年8月15日木曜日
第五百十三夜/今年の樹液はいかがですか?
今年の樹液はいかがですか?「いや〜少なくって大変です」と返事が返って来た(〜気がした)。例年よりも雨量が少ないためか、クヌギの樹液の量がすくないみたい。わずかばかりの地際からしみ出す樹液にやって来たのはヒメスズメバチ(Vespa ducalis)とカナブン。このスズメバチは、オオスズメバチにくらべ腹部がスマートで、腹部の先が黒いことから他のスズメバチとは簡単に見分けられる。性質はこの仲間にしては比較的穏和、写真を撮るために20cmほど近づくが威嚇さえしなかった。幼虫のエサは、アシナガバチの幼虫や蛹なのでアシナガバチにとっては天敵と言うわけ。Photo:2013/08/15 @京都御苑、京都市
2013年8月13日火曜日
第五百十二夜/木陰で休むナガサキアゲハ
連日の35℃超え、さすがに日中元気なのはクマゼミぐらい。今日は木陰で休むナガサキアゲハ(Papilio memnon)♀に出会う。黒いアゲハチョウの仲間が林縁や樹林内の比較的暗い場所を好んで飛ぶのに対して、このナガサキアゲハは炎天下、グラウンドのような開けた場所でも平気で飛んでいる。もし炎天下のグランドを横切る黒い蝶がいたら、それはたいていはナガサキアゲハのオス。ただしメスはあまりそのような場所を好まないようで、そのためかオスよりもずっと見る機会が少ない。ナガサキアゲハのメスは、後翅の白紋が美しい夏を代表する大型のアゲハチョウ。このメスは、日陰で休んだ後はクサギの花の蜜を求めて飛んでいた。お腹がずいぶんと膨らんでいた、彼女がたっぷりと栄養を摂ったら、今度は大切な産卵が待っている。Photo:2013/08/13 @京都御苑、京都市
2013年8月6日火曜日
第五百十一夜/イボバッタ、葉の上では目立つ?
草の葉の上にいるイボバッタ(Trilophidia japonica)の幼虫。砂利のある地面では効果的な保護色も葉の上ではさほど意味がないが、じっとしていればけっこう目立たないものだ。しかし写真を撮ろうとして気付いた・・・イボバッタの体色と微妙なぶつぶつで上手くピントを合わせられない。ピントが合っていないようで合っている、またその逆も。たとえ彼らが緑の葉の上に止まろうとも、レンズで見る様に捕食者にも同じように見えているのかもしれない。たとえ居所がばれても、最後は自慢のジャンプで姿をくらませてしまう。Photo:2013/08/04 @京都御苑、京都市
2013年8月5日月曜日
第五百十夜/小さなセミの仲間・ヒシウンカ
木に幹にゴミの様につく小さなセミを見た。ヒシウンカの一種(Cixiidae)らしい。ルーペで見ると、体の特徴はセミそのものだが、体長は1cmぐらいで小さい、マダラの翅を持っていた。Photo:2013/08/04 @京都御苑、京都市
2013年8月4日日曜日
第五百九夜/セスジスズメ
用を足そうと入ったトイレで上を見るとセスジスズメ(Theretra oldenlandiae)が天井に止まっていた。なかなかきれいな紋様である。このトイレの近くの大木に営巣するアオバズク(フクロウの仲間)の食痕からはこのセスジスズメの翅が比較的多くの見つかる。Photo:2013/08/04 @京都御苑、京都市
2013年8月3日土曜日
第五百八夜/南から来た? ツマアカベッコウ
見かけた事の無いベッコウバチが大きなクモ(アシダカグモ Heteropoda venatoria)を運ぶ現場を見る。腹部先端のオレンジ色の特徴から
ツマアカベッコウ(
ツマアカコブベッコウ)
Tachypompilus
analis と判る。他にも、このベッコウバチは、本来、南西諸島が分布域の北限だったそうだが。温暖化で北上してきたと言う・・・真相はわからないが、どうりで見た事が無い訳だ。ハチは、大きなクモを神社の壁の上まで運び上げようとしている。ただ、獲物が大きく、かつ壁表面は漆喰で足場が滑るためだろう、クモ共々何度となく地面に落ちてしまう。それにしても母蜂の根気強さには驚かされた。このベッコウバチは捕まえた獲物に麻酔を施し、岩の隙間などに堆積したわずかな土に蜘蛛を埋め産卵するらしい。獲物のクモは麻酔をかけられたまま眠り、ハチの幼虫に生きたまま喰われる。Photo:2013/08/03 @京都御苑、京都市
2013年8月2日金曜日
第五百七夜/ムラサキシジミの母蝶
ムラサキシジミ(Narathura japonica)の母蝶が静かに、丁寧に、ゆっくりとアラカシの生垣の葉に卵を産みつけていた。生垣では春先から徒長した枝の高さを揃える刈り込み作業がされている。幼虫は新芽だけを食べるので、本来なら卵も新芽近くに産みつける。もし徒長した枝に卵を産みつけると、孵化する前に刈り込まれてしまうだろう・・・この母蝶はこのことを知っているかの様に刈り込まれない高さの葉に産みつけている。今、この位置に産みつけておけば、刈り込まれた後にすぐに出て来る新芽にも近く、ふ化した幼虫にも都合が良い。普通ならこんなごわごわの葉に産みつければふ化した幼虫はこの葉を食べる事は出来ないし、また新芽を探すにも困難な状況となる。むしろ産卵場所を同じ条件ではない場所にする事で、一時的な環境の変化にも耐えることが出来ると言う「生き残りのための戦略」だろうか。観ていてまったく不思議な光景だった。Photo:2013/08/02 @京都御苑、京都市
2013年7月31日水曜日
第五百六夜/モノサシトンボと樹林
薄暗い樹林の中に休むモノサシトンボ♂(Copera annulata)。水辺だけに住むかと思いがちだが意外に水辺を離れ樹林でも見ることが出来る。羽化後の成虫は性成熟するまでに時間がかかる。その間、外敵から身を守り、しっかりと食べ物を獲る必要がある。それには開放的な水際よりも樹林地の方が食料となる小さな昆虫が沢山いたり、捕食者の大きなトンボ等が飛びにくい環境なのだろう。トンボと言うと水辺と思ってしまうが、彼らにとって水辺〜草地〜樹林地が分断されない環境が無くてはならない。Photo:2013/07/31 @京都御苑、京都市
2013年7月26日金曜日
第五百五夜/コフキトンボ
仕事の帰り道にいつものヨシ原に立ち寄る。ヨシ原の中を流れる水路で出会った青白いトンボ=コフキトンボ♂(Deielia phaon)。長い水路に♂、♀共に1頭だけしか見かけなかった。強風の中、ヨシの茎に止まり、時折飛び去るが必ず同じ場所に戻って来た。Photo:2013/07/26 @西の湖、近江八幡市、滋賀県
2013年7月25日木曜日
第五百四夜/トンボの特徴はなにか?
トンボ(写真:シオカラトンボ♀(Orthetrum albistylum))の体は実に良く出来ている。特に複眼や翅の構造の特徴は図鑑に書かれているが、その脚も秀逸でありながらあまり書かれていない。その機能は、まず最初に獲物を捕らえる道具。小さな昆虫を飛びながら捕獲するための網の役目を持つ、6本の細い脚の間には獲物を取り逃がさないように細かや刺がある。次に休むための道具、トンボは細い草木の葉先・枝先に止まり休む。休む場所は風で揺れたりして不安定なところが多い、必ずしも水平な場所だけでなく、垂直の場所にも止まらなくてはいけない。しかも餌を食べる時は、前脚で獲物を抱えている。その時に脚の刺や長い後脚が上手く機能している。空中を自由に飛び、餌を捕らえるトンボにとって、翅と脚は切り離す事の出来ない身体構造と判る。Photo:2013/07/23 @仰木、大津市、滋賀県
2013年7月24日水曜日
第五百三夜/モズのはやにえ(早贄)
モズ(Lanius bucephalus)は捕らえた獲物を木の枝やフェンスなどの鋭いものの先に刺す「はやにえ(早贄)」という習性をもっている。今までに見た「はやにえ」のメニューは、カエル、オタマジャクシ、トカゲ、カナヘビ、ザリガニ、フナ、バッタ、オケラ、ミミズなどの昆虫類や小動物である。今までに多くのはやにえを見たけれども、実際に彼らが獲物を枝先に刺す行動を見たのは今日が初めて。ギチギチ・・と言う独特の鳴き声の主を見ると、ヒグラシを捕らえたモズが柿に止まっている。食べるのかなと見ているとそばの竹林のてっぺん辺り(地上高さ15mほど)に飛び移り、上から3段目ほどの枝に刺し始めた、何度か刺したりくわえたりを繰り返し、ちゃんと刺さったか(?)を確認して飛び去った。この行動をずっとフィールドスコープで観察できた。よく見る「はやにえ」は地上高さ3m程度までだが、こんな高さにもあるのかと驚いた。「はやにえ」の理由はよく判らないが、縄張りの印とも獲物が少ない冬期の貯食とも言われている。しかし今は、獲物は豊富な時期、冬の貯食を今からするとも思えない、場所は周囲から目立ちカラスやヒヨドリも止まったり通過する場所である。夏のはやにえは、モズの縄張りのためのマーキングなのだろう。Photo:2013/07/23 @仰木、大津市、滋賀県
写真上:ヒグラシを枝に刺すモズ
写真下:上から3段目の枝に刺されたヒグラシ(枝の小さなこぶの様に見える)
2013年7月23日火曜日
第五百二夜/ハラビロトンボ
谷戸に広がる棚田を歩く。本来は農業作業路とあぜ道が棚田を縫う様にあるはずなのだが、現在はイノシシ・シカ被害防止のために田んぼの周りはびっしりと電気柵と金網柵で囲われている。こっちの路からあっちの畦に行こうと思うのだが実際はいけない。自由に行き来できるのは鳥か虫ぐらい。あぜ道から金網柵の向こうに行かずに、止まってくれたのはハラビロトンボ♀(Lyriothemis pachygastra)、周りにはよく似た色調のシオカラトンボも沢山いたが、一見してその腹部の幅の広さで区別が出来る。今の水田は稲穂が延びるまで畦の草刈りが大切な作業中で、あちらこちらで刈り取った草を燃やす煙が上がっていた。Photo:2013/07/23 @雄琴、滋賀県
2013年7月20日土曜日
第五百一夜/ヨシ原とセセリチョウ
夏のヨシ原は高さ3mを越す高さまですっかり成長し、中に入ると視界が利かないが、ここはヨシ原の中に田んぼと水路があり、風が気持ちよく流れ開放感があるので好きな場所である。残念ながら意外に生きものの姿は見えない、時折オオヨシキリやホオジロの鳴き声が聞こえたり、イタチがちょろりと畦道を横切ったり、頭上をカルガモが飛ぶだけ。足元をちらりちらりと飛ぶのはイチモンジセセリ(Parnara guttata)とアオモンイトトンボぐらいだった。でもそれで十分満足な時間。Photo:2013/07/20 @西の湖、近江八幡市、滋賀県
2013年7月18日木曜日
2013年7月16日火曜日
第四百九十九夜/ほっといてくれないかな?
人間達は、私をアオバズク(Ninox scutulata)と呼びます。ただ今、子育て中。昼間は外敵から巣を守るために近くで見張り、夜はひな鳥のための餌獲りに忙しいのです。ゆっくり休もうと・・・眼下を見るとそこには鳥好きと称するギャラリー(その大半は「鳥の写真撮り好き」と言える人達)が黒くて長いものをこちらに向けています。その真ん中がギラリと光っているので正直、怖いです。今日もギャラリーの人間達が私のいる近くでいろいろな話をしています。人間達は気付いていませんが、私たちは耳がいいので声がよく聴こえます。そして周りを大勢で歩かれると地面の振動が木の根から幹に伝わり巣穴まで響きます、巣穴の中の子ども達もびっくりしています。皆さんどうかそっとしておいてください・・・というか、「ほっといてください!」(アオバズクの声を訳しました)
観察談:一人で静かにアオバズクを観察していると、かれらがリラックスしているのが判る。両目をつむる時間が長く、片足で止り、休憩しているのだ。時折、カラスの声に反応するが、すぐにもとの休息に戻る。僕は多くのギャラリーがいると本当に不愉快になる。ギャラリーの中には心ない人たちもいるだろうが、人間が集まり直視する、つまりアオバズクにとって多勢から一方的に見られると言うことが相当なストレスになっているはずである。観察のコツは、見て見ぬ振りをすることである。Photo:2013/07/16 @京都御苑、京都市
2013年7月13日土曜日
第四百九十八夜/不思議な色のキノコ
乾いた樹林の地面に直径3~5mのキノコの菌輪が出来ていた、姿をすっかり地面に表しているものよりのまだ頭に枯葉をのせたものの方が多い。そのキノコは、不思議な色をしていた、表面はうっすらカビを生やしたお餅状、しかし裏を見るとひだの色が凄く綺麗な薄紫色。早速、写真をキノコの小寺先生に送り見て頂く。これはウスムラサキシメジ(Lepista graveolens)という比較的珍しいキノコで、胞子が星型という珍しい形状とのこと。キノコはまったくお手上げである。Photo:2013/07/09 @京都御苑、京都市
2013年7月12日金曜日
第四百九十七夜/セミの梅雨明け宣言
ちょうど10日前の7月2日、空を見て梅雨が明けたと直感した。その日の午後、今年初めてクマゼミの初鳴きを聞いた。そして6日後、気象庁から近畿地方が8日頃梅雨明けしたと伝えられた(たいした気圧配置の変化もないまま)。ここ数年、生きものの様子から梅雨明けが判る様になってきた。もちろん天気図見たり、空の様子を見たりするのだけど、多分、気象庁より正確(と思っている)。
今夜は外出からの帰り道、アオバズクの鳴き声を聞こうと思い、アオバズクの営巣場所に立ち寄るが姿も見えず、声も聞けず。きっとどこかでどんどん羽化するセミをヒナ鳥に運んでいるのだろう。よく見ればあちこちでセミの幼虫が地表にはい出し、石積みや樹木を登っている。歩道に迷いでて踏みつぶされている個体も多い。歩道の縁石でもクマゼミ(Cryptotympana facialis)の羽化が見れた。果たしてこの幼虫、卵から孵化し、何年間地中にいたのだろうか? 実はこのクマゼミ、身近すぎる存在故かあまり調べられていないようだ。羽化時に雨に打たれると死活問題のセミ達、確実に気圧の変化を感じて羽化のタイミングを計っているに違いない。Photo:2013/07/12 @京都御苑、京都市
今夜は外出からの帰り道、アオバズクの鳴き声を聞こうと思い、アオバズクの営巣場所に立ち寄るが姿も見えず、声も聞けず。きっとどこかでどんどん羽化するセミをヒナ鳥に運んでいるのだろう。よく見ればあちこちでセミの幼虫が地表にはい出し、石積みや樹木を登っている。歩道に迷いでて踏みつぶされている個体も多い。歩道の縁石でもクマゼミ(Cryptotympana facialis)の羽化が見れた。果たしてこの幼虫、卵から孵化し、何年間地中にいたのだろうか? 実はこのクマゼミ、身近すぎる存在故かあまり調べられていないようだ。羽化時に雨に打たれると死活問題のセミ達、確実に気圧の変化を感じて羽化のタイミングを計っているに違いない。Photo:2013/07/12 @京都御苑、京都市
2013年7月11日木曜日
第四百九十六夜/クロイトトンボ
美しいブルーの小さなイトトンボ、クロイトトンボ(♀青型 Paracercion calamorum)。小さい上になかなか止まってくれない、その上このブルーの体が緑にまぎれてしまうので少し目を離すとすぐに見失ってしまう。糞虫の塚本先生のおっしゃる「生きものの曼荼羅」の中心にこのトンボをおいたときどんな生きものの関係図、環境の図柄が生まれるのだろうか・・・と考えると一日見ていても飽きそうにもない。Photo:2013/07/09 @京都御苑
2013年7月9日火曜日
第四百九十五夜/アミガサハゴロモ
小さな昆虫もよくよく見れば不思議な色彩と形に富んでいます。今日は、アミガサハゴロモ(Pochazia albomaculata)と出会った。体長1cm程、暗褐色~黒褐色で、前翅の前縁中央部にはっきりした白紋を持つハゴロモ(セミの仲間)。写真の個体は羽化直後だろう、翅の表面はうっすらとオリーブグリーンの粉でおおわれている、これも活動するうちに脱落してしまうから。なんだか米軍のステルス戦闘機に似ている。
2013年7月5日金曜日
第四百九十四夜/水辺のエイリアン?
生きものの姿が見れないと言って、そこに何も存在しない訳ではない。足跡、翅や時には食痕や死骸が、生きものの存在を教えてくれる。今日、見つけたこのヤゴの脱け殻(羽化跡)は、マルタンヤンマ(Anaciaeschna martini)の♀だった。脱け殻と言え、じっと見ていると何かが飛び出てきそうな面構え、その様相はエイリアンの様である。きっと早朝か夕暮れには、湿った空気の中をブルーの体を輝かせ飛び回っているのだろうと思うと楽しくなる。Photo:2013/07/05 @京都市
2013年7月4日木曜日
第四百九十三夜/キノコとトビムシ
梅雨入り後、たいした雨も降らずなんだかもう既に梅雨明けした感じである。こんなことも影響してか、地面に生えるはずのキノコも少なく感じる。そんな中にも一度、雨が降ればにゅこにょこと出て来るから面白い、実にたくましい。地面に一粒のドングリが転がる様に生えているのは、タマゴテングタケモドキ(Amanita longistriata)の幼菌。これから笠の部分を広げる。根元のツボの部分には沢山のトビムシの仲間が来ていた。キノコの一部を食べているのか、キノコが出す液を吸っているのか? さて、このキノコを人間が食べると腹痛を起こすことで「毒キノコ」とされている。でもトビムシ達は大丈夫のようだ。キノコもよく判らない、トビムシはもっと判らない。自然界の食物連鎖(循環)で、植物は「生産者」、動物は「消費者」までは学校で習った、でもこの2者では自然界の循環が完結できないことをキノコの佐野先生に教えて頂いた。ここでキノコが「還元者」として活躍する。つまり消費者が出したものを生産者が利用できる様に還元すると言う訳だ。Photo:2013/07/03 @京都御苑、京都市
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