2013年7月24日水曜日

第五百三夜/モズのはやにえ(早贄)

 モズ(Lanius bucephalusは捕らえた獲物を木の枝やフェンスなどの鋭いものの先に刺す「はやにえ(早贄)」という習性をもっている。今までに見た「はやにえ」のメニューは、カエル、オタマジャクシ、トカゲ、カナヘビ、ザリガニ、フナ、バッタ、オケラ、ミミズなどの昆虫類や小動物である。今までに多くのはやにえを見たけれども、実際に彼らが獲物を枝先に刺す行動を見たのは今日が初めて。ギチギチ・・と言う独特の鳴き声の主を見ると、ヒグラシを捕らえたモズが柿に止まっている。食べるのかなと見ているとそばの竹林のてっぺん辺り(地上高さ15mほど)に飛び移り、上から3段目ほどの枝に刺し始めた、何度か刺したりくわえたりを繰り返し、ちゃんと刺さったか(?)を確認して飛び去った。この行動をずっとフィールドスコープで観察できた。よく見る「はやにえ」は地上高さ3m程度までだが、こんな高さにもあるのかと驚いた。「はやにえ」の理由はよく判らないが、縄張りの印とも獲物が少ない冬期の貯食とも言われている。しかし今は、獲物は豊富な時期、冬の貯食を今からするとも思えない、場所は周囲から目立ちカラスやヒヨドリも止まったり通過する場所である。夏のはやにえは、モズの縄張りのためのマーキングなのだろう。Photo:2013/07/23 @仰木、大津市、滋賀県
写真上:ヒグラシを枝に刺すモズ 
写真下:上から3段目の枝に刺されたヒグラシ(枝の小さなこぶの様に見える)

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