2013年9月13日金曜日

第五百三十四夜/その名もエゴノキタケ

 なんだかエゴノキの元気が無いなと、見上げると枝に不思議なモノを見つける。熱帯の海にあるノウサンゴの様にも、大きなカイガラムシにも見えるが、キノコである事は間違いない。早速、キノコの先生に名前を教えて頂く。エゴノキの枯れ木に好んで生える、エゴノキタケ(Daedaleopsis styracinaだった、日本固有のキノコ(カイガラタケの仲間)と言う。なんとも判りやすい名前である。このエゴノキの樹勢のなさは、このキノコが付くことが原因ではなく、エゴノキの上部には大きな木が枝葉を茂らせている。この日照条件がエゴノキには適さず、枯死にいたる。そこにやって来たのがエゴノキタケである。キノコの少し右には、ハチだろうか、カミキリムシだろうか、すでに穴を開けてしまっている。この木が完全に枯れるのは時間の問題である。枯れた木を早く土に戻し、他の植物が吸収できる養分とするためにキノコの役割がある。それまでの少しの間もさまざまな生きものの食べ物や巣として利用される。自然の生き物はすべてつながっている。僕が観たいのはその繋がりなのである。Photo:2013/09/10  @京都御苑、京都市

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