2009年7月10日金曜日

第百十八夜/クモに擬態する蛾?

 1cmにも満たない小さな虫・・・これは何に見えるだろうか。体がオレンジ色をした方が下半身。オレンジ色をした体から左右の後脚をピンと空に伸ばし、絶えず微妙に振わせている。一見して動いてるものが蛾の種であることは判った。さらに僕は直感的にこの動作がカニグモの動きにとても似ていると思った(前脚=第一肢を伸ばして獲物を探る動き)。見れば見るほど不思議な動作だ、写真が動画でないのが残念。しかしこれを「クモへの擬態?」と思うには早い。なぜなら、擬態するにはその訳(理由)が必要だから。無防備な後ろ側から捕食者であるクモに狙われない様に?ならば捕食者のクモがこの動作と体色を見て「クモ」と思う様なクモが同じ環境にいるのだろうか? いやクモ以外の捕食者に「クモだ?」と思わせればそれでも良いのか。例えばカマキリの子どもがこの動作を見て「クモだ!」と思って襲わなければそれでも良いはず。なぜ下半身だけがこんなにも鮮やかで印象的な色彩なんだろうか。 擬態は考えすぎでこの動作は♀へのプレゼンテーション?・・・見れば見るほど不思議でしかたがない。早速、調べてみると、翅や脚の特徴から「カザリバ(飾羽蛾)の仲間」であるらしい。しかし、それ以上は判らない。図鑑には十分に出ていない。研究者のホームページで調べても確認されている種が全種記載されているとも限らない、しかも多くのカザリバガの写真に「未同定」とある。さらにはこの写真の個体と同じものも無い。同定をしようと思うと標本を作り研究者に持ち込むしかないだろうな〜。(といっても今度、見れるとも限らない)やっぱりフィールドは面白い、不思議なことがいっぱいあるなぁ・・・京都市内のど真ん中の京都御苑ですらこれだから。
追記:知人のFさんのお母さんからご指摘をいただいた。「この蛾は”ホソハマキモドキ”の仲間ではないのか?」調べてみると・・・なんと見過ごしていた。「ツマキホソハマキモドキ」を同定とします。蛾の動きもピッタシ合致している。みなさん大変に失礼しました。Fさんのお母さんありがとうございました。
Photo:2009/07/07 @京都御苑、京都市

2 件のコメント:

kao さんのコメント...

初めまして。夜な夜な白いシーツを眺めてむしデジに夢中になっております婆さんです〜〜笑
カブトムシの話は、私も去年山の道路に転がってる♂カブトムシの頭部(まだ動いていました)を見つけ、??だったのですが、これで納得出来、スッキリいたしました〜ありがとうございました〜〜(^_^)v
先ほどブログを拝見しましてすごいカブトムシ頭部群の迫力に感動・・・・;;^^

で、下を見ましたら7/7に私も山で出会ったメタリックな蛾の蛾像がありました。

お尋ねしましたら、ツマキホソハマキモドキ(ホソハマキモドキガ科)→http://www.jpmoth.org/Glyphipterigidae/Glyphipteriginae/Lepidotarphius_perornatellus.html

と教えていただきましたので、ちょっとお節介にブログ侵入させていただきました〜〜〜m(_ _)m

けったいな婆さんですが、娘繋がり、虫繋がりでこれからも宜しくお願いいたします〜〜m(_ _)m

KEROG さんのコメント...

カブトムシの頭部、すごいですね、不思議ですね。一日近く動いていますね(これを生きていると言えるかどうかは疑問ですが)。お時間ありましたらブログ覗いて下さい。