2009年7月12日日曜日

第百十九夜/カブトムシ死骸のミステリー

 すっかり梅雨明けの気配のある八幡山(滋賀県近江八幡市)に仕事の下見のために出かける。麓の公園の一番奥の園路でカブトムシの死骸が多数転がっているのに気づく。数えてみると少なくとも40個以上。全ての死骸に共通することは、1)ほとんど♂(♀は3個だけ)、2)腹部が無い(中には頭部がまだ動いているものも複数あった)、3)頭部や鞘翅(前翅)には鋭いもので刺したような傷がある、4)死骸の落ちている場所が比較的まとまっている。そこで推理する。♂のカブトムシが多いことは夜間に飛び回る個体が多いこと(♀は比較的土中に留まることから)、街灯に飛来するカブトムシを捕らえている。腹部が無いことは何者かが腹部を選んで食した、死骸に付いた鋭い傷は堅くて食べられない頭部と鞘翅(しょうし、さやばね)を取り除いた(調理した)時に付いた傷(例えばクチバシや爪の跡)。この周辺を見渡すと洞(うろ)を持った大径木がたくさんある。つまりこの状況から仕業は夜行性の鳥類だと思う・・・例えば昆虫類を好んで食べるフクロウの仲間、アオバズク(第百十二夜)。ちょうど今の季節は子育てに忙しい。育ち盛りのヒナ達の食欲を満たすには夜、保安灯に集るたくさんのカブトムシを捕らえるのは合理的。どれも比較的新しい死骸=これはカブトムシの成虫の発生時期(羽化)にあっている。これでカブトムシ死骸のミステリー話しは成り立ちそう。一緒に歩いたTさんはこれを見て「カブトムシってどんな味するんかな?」同じものを見ても考えることは人それぞれ違うんだなと・・・。
Photo:足下を見れば複数のカブトムシの残骸が目につく。@八幡山、近江八幡市

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