2012年8月15日水曜日

第三百八十六夜/昼間の羽化・アブラゼミ

 夏の御苑は人の話しも聞こえない程のセミの声。ニイニイゼミ、アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシと全て出そろった。普通は捕食者に見つかりにくい夜間に地上に現れ羽化する蝉も今日は明るい時間に見ることが出来た。羽化したばかりのアブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscataの体は透き通るような白さで、時間が経つとゆっくりと褐色の色味がついてくるが、複眼だけは最初から黒々としており十分な視力を持つと言われる。セミは短命と言われるが、実際は6年から7年間の幼虫期+3週間程度の成虫期、これは決して短命ではなく昆虫としてはむしろ長命である。
 小学3年生の頃、このアブラゼミを沢山捕らえて、複眼と単眼のそれぞれまたは両方にバンソコウを貼り(つまり目隠しをする)、放す実験(ほとんどイタズラ)をした。予想は大きく外れ、複眼にバンソコウを貼ってもセミはちゃんと飛んでいってしまうが、単眼に貼ると無茶苦茶な方向に飛んでいってしまうのだった。時には空高く舞い上がったかと思うと地上に向かってまっすぐに飛んできて地面に激突してしまうのだった。大変な殺生をした。アブラゼミを見るといつもこの時の事を思いだす。Photo:2012/08/15 @京都御苑、京都市

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