2012年8月18日土曜日

第三百八十九夜/ご先祖様の使い・ウスバキトンボ

 今日の夕立は、すごい雷雨と強雨だった。近くの草地で雨宿りのウスバキトンボ(Pantala flavescens)♂を見つける。このトンボは、全世界の熱帯・温帯に広く分布するトンボで、日本では夏から秋にかけて全国でどこでもみられる。「赤とんぼ」に似ているが赤とんぼの一種ではない。水辺から遠く離れて飛び回るので、街中でも目にする機会が多く、日中はほとんどの個体が飛び回っている。これはあまりはばたくこともなく、広い翅で風を捉え、グライダーのように飛ぶことができ、長時間・長距離の飛行ができるため。体の割に足はキャシャで草木の枝や葉先に翅面を上に向けて止まらず、写真のようにぶら下がる様に止まる。ウスバキトンボは寒さに弱く、幼虫は水温4℃で死滅するといわれる。毎年日本で発生する個体群は、東南アジアからの飛来に加え、八重山諸島で幼虫越冬したものが春先に成虫になり、世代交代を繰り返しながら、季節の移ろいとともに日本を北上してゆく。そしてほとんどの地域では越冬できずに死滅する。お盆の頃に成虫がたくさん発生し、ふわふわと飛び続ける彼らを「ご先祖様の使い」つまり「精霊とんぼ」とうまく言ったものだ。Photo:2012/08/18 @近江八幡市、滋賀県

0 件のコメント: