2015年8月31日月曜日

第七百六十二夜/アオモンイトトンボ

 睡蓮の葉の上で食事中のアオモンイトトンボ(Ischnura senegalensis)♂(写真上)。捕らえたものは小型のコオロギンの仲間・マダラスズ(Dianemobius nigrofasciatus)。飛んでいる時はなかなかかわいらしいイトトンボも、この時ばっかりはいっぱな捕食者。止まる時は普段、翅を閉じるのだがこの時は半開きにしていた、少し興奮しているのだろうか。写真下の赤い個体は未成熟な♀、なかなか美しいPhoto:2015/08/31@渉成園、東本願寺、京都市

2015年8月29日土曜日

第七百六十一夜/サトキマダラヒカゲ

夏の雑木林を代表する蝶の一つ、サトキマダラヒカゲ(Neope goschkevitschii。褐色で地味だが味わい深い紋様。後翅の縁に並ぶ目玉模様あたりに損傷した個体が多いってことは、やはり鳥たちはこの目玉を狙うのだろう。Photo:2015/08/27 @賀茂別雷神社(上賀茂神社)、京都市

2015年8月28日金曜日

第七百六十夜/ムラサキシジミの産卵

 アラカシの生垣でムラサキシジミ(Narathura japonicaの母蝶が産卵をしている。基本的に新芽付近に産卵をするので、定期的な剪定で卵も幼虫も受けるダメージは大きい。しかし、その状況を知ってか知らずか、良くしたもので母蝶は新芽だけではなく、奥まった部分の硬い葉の裏にも卵を産みつける。ここなら剪定をされてもダメージは受けないだろう。Photo:2015/08/27 @賀茂別雷神社(上賀茂神社)、京都市

2015年8月27日木曜日

第七百五十九夜/せせらぎで涼むキジバト

 今日はちょっと暑かった。キジバト(Streptopelia orientalisのカップルがせせらぎの浸かり涼んでる、気持ちよさそう。Photo:2015/08/27 @糺の杜、下鴨神社、京都市

2015年8月26日水曜日

第七百五十八夜/まちに下りて来たナツアカネ

 お盆を過ぎて急に秋らしい風が吹いて来た。風に乗って山から降りて来たのがナツアカネ(Sympetrum darwinianum。まだ暑いのか樹林地のなかで静かに休んでる、広場を群れで飛び回るのはウスバキトンボ。Photo:2015/08/26 @京都御苑、京都市

2015年8月19日水曜日

第七百五十七夜/アブラゼミの産卵

 アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscataの産卵。産卵管は、腹部の先端ではなく中央から伸びているのが判る。普段なら翅を山形にして止まるが、この時は左右の前翅をほぼ平にして止まっていた。普段であれば近寄るとすぐに飛び立ってしまうセミもこの時はまったく動じない。Photo:2015/08/18 @京都御苑、京都市

2015年8月8日土曜日

第七百五十六夜/夕陽をみるアオサギ

 西の空を染めようとする夕陽とアオサギ(Ardea cinerea。モミの頂きに止まり2羽が鳴き交わす。やがて仲良く飛び去っていく。Photo:2015/08/08 @京都御苑。京都市

2015年8月7日金曜日

第七百五十五夜/モリアオガエル何考える?

 モリアオガエル(Rhacophorus arboreusのオタマジャクシもすっかり若蛙となり水辺の草地でたくさん見ることが出来る。これからその多くは水辺を離れ、周辺の樹林地へと移っていく。2歳半ぐらいの小さなモリアオガエルがハスの葉のうえで何やら思案中? Photo:2015/08/07 @京都御苑トンボ池一般公開、京都市

2015年8月5日水曜日

第七百五十四夜/青空を飛ぶアオスジアゲハ

 ぎらぎらに晴れた夏空、見上げるとくらくらするほどまぶしく暑い! そんな中、暑さをものともせず元気に飛ぶアオスジアゲハ(Graphium sarpedon。夏の青空が一番い合う蝶。Photo:2015/08/04 @京都市

2015年8月4日火曜日

第七百五十三夜/ヤブヤンマの産卵

 薄暗い灌木の下、水際の湿った泥土に産卵するヤブヤンマ(Polycanthagyna melanictera を観る。地面近くをホバリングしながら適地を見つけると地面に降り、腹部の先で産卵に適しているか探る。やがて、産卵管を地面に差し込むと3〜5分かけて産卵する。これを数回繰り返し、近くの下枝にぶら下がり休息。土中に産まれた卵は、2〜3週間後に孵化し、小さなヤゴは水に入っていく。このシーンを是非見てみたいものだ。Photo:2015/08/04 @京都市

2015年8月3日月曜日

第七百五十二夜/街に棲むフクロウ/アオバズク

 今年も繁殖のためにやってきたアオバズク(Ninox scutulata)の子育ても第二段階、ヒナの巣立ちが始まり、無事に3羽が巣立ちをした。巣穴から出ると今度は、彼らを狙うオオタカが付近にいることもある。秋の渡りまでにしっかりと餌を食べ、体をつくる。近くで上空を警戒する雄親(写真)だけ写真を撮り、その場を離れる。子育て中の撮影は極力控えることにしている。Photo:2015/08/02 @京都市

2015年8月1日土曜日

第七百五十一夜/二つのハナムグリ

 それぞれ個別に見るとどちらがどうだったか忘れがちなのがこの2種のハナムグリ。左がシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea、右はシラホシハナムグリ(Protaetia brevitarsis。区別は、頭の先の形状(写真では見えない)と前翅の中央部の白い紋様(シロテン:点状の塊、シラホシ:線状につながる)が、そして前翅の前後にのびる表面の強い張り出し(シラホシ)・・・こうやっていてくれると判り易いんだが。コナラの幹に巻かれたカシノナガキクイムシ防止のネットの上から樹液を吸うハナムグリ。Photo:2015/07/28 @京都御苑、京都市

2015年7月28日火曜日

第七百五十夜/カツオゾウムシ

 全身にココアの粉をまぶしたようなカツオゾウムシ(Lixus impressiventris。死ぬと粉がとれて黒くなってしまうが、生きているときはこの粉がよく目立つ、しかもこの粉はとれてもまた出てくるという。さて何に役立っているのだろうか? Photo:2015/07/28 @京都御苑、京都市

2015年7月26日日曜日

第七百四十九夜/セミの羽化

 セミのシーズンが本格的になって来た、夕刻になると地面からたくさんの幼虫が現れ木に登り始める。幼虫の目は相当に良く見えて、登る木を選んでいるらしい、なぜなら木によっては全然ついていない木もあるから。単純に自分が地面にでて近くに木に登ると言うのとは違う感じ。写真のクマゼミ(Cryptotympana facialisの幼虫は、松の木に登り始めるとどんどん上を目指して登っていった、どこまで行こうと言うのだろうか。Photo:2015/07/26 @京都御苑、京都市

2015年7月22日水曜日

第七百四十八夜/ハイイロゲンゴロウ

 堤防上の道に開いた穴(わだち)には、台風のあとの雨水が溜まっている。地道なのでその水は泥で濁ってる。その中を慌ただしく泳ぐ昆虫がいる、ハイイロゲンゴロウ(Eretes sticticus)。時おり通過する車が水を蹴散らしいっそう濁らせる、水深が浅いので日中はほとんど温水状態、おそらく数日もすれば干上がってしまうだろう。だがそんな状態の中、かれらは元気にやっている。まったくその逞しさには驚かされる。こんなところにやって来る捕食者はセキレイぐらいのものか。こんな場所も環境に耐えれば安全の水辺か。Photo:2015/07/20 @蛇砂川、近江八幡市、滋賀県

2015年7月21日火曜日

第七百四十七夜/アカミミガメばかり

 橋の上から川面を見るとカメが日光浴。いたるところにカメを見るがどれもアカミミガメ(Trachemys scriptaばかり。そのサイズも、稚カメのミドリガメから甲長30cm近い大物までそろっている。在来種のイシガメ、クサガメは本種ほど日光浴は好まないのか、まったくいない。僕の子どもの頃は、ミドリガメがこれほど自然河川で見ることが出来るなんて思いもしなかった。Photo:2015/07/20 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年7月20日月曜日

第七百四十六夜/チョウセンイタチ

 ヨシ原の農道を歩いていると前からひょこひょこと歩いて来たチョウセンイタチ(Mustela sibirica 英:Siberian Weasel)。餌を探しているのだろう、こちらに気付かずにどんどんやって来る、ようやくこちらの存在に気付き立ち止まり地面に座る。しばらく観察し合い、イタチはあぜ道を歩き去った。その後、同じ場所でタヌキと出会い、タヌキもまたあぜ道を歩き去った。彼らだって歩き易いところを歩くんだな。Photo:2015/07/20 @西の湖、近江八幡市

2015年7月15日水曜日

第七百四十五夜/オオタカ

 オオタカ(Accipiter gentilisがドバトを狩った。その後、複数のカラスに追われながらなんとかツバキの木立に逃げ込んだ。この個体は2週間前にほぼ同じ場所でスズメを獲った、1週間前はアオバズクの♀、そして今日。近くにはカラスの幼鳥が食べられた痕跡もある。この個体の狩り場がほぼ判った。上空のカラスを警戒しながら木立の下で30分以上もかけてドバトを食べる。まず腹部の羽毛を取り除き、腹部の内蔵と胸部の肉を食べていた。その後、カラスが去ったのを見定めてモミノキ林へと獲物を運び去った。後はゆっくりと樹上で食べるのだろう。Photo:2015/07/15 @京都御苑、京都市

2015年7月14日火曜日

第七百四十四夜/ベッコウハゴロモ

 ベッコウハゴロモ(Ricania japonicaを後ろから見る。前や上から見ると翅にある目玉のような紋様が睨んでいるような印象がある、さて後や下から見るとどうだろう。こちらからは翅の紋様が透けて、なにやらかわった視線を感じなくもない。小さな虫達は、このように紋様をうまく使って外敵から身を守っているのかも知れない。Photo:2015/07/14 @京都御苑、京都市

2015年7月13日月曜日

第七百四十三夜/長い間ありがとう・イシガメ

 6年前、知人が死にそうなほど弱ったイシガメ(Mauremys japonicaの子どもを水辺で拾った。鉄分の多い水溜まりだったので顔も肌も全身鉄錆色、おそらく内蔵も鉄錆だらけだったかも知れない。成長記録でも付ければいいと思い持ち帰った。最初は餌もほとんど食べる事が出来無かったが、少しずつ元気になった。その稚カメも今では甲長も約9cm、7歳になった。人間の子どもだったら小学校に上がる年齢、そこでその時の水辺にもほど近い西の湖の水路に還す事にした。岸辺に放すとしばらく甲羅干しを行い、するりと水中に泳ぎで出た。ずっとこちらの様子を見ていた「狭い水槽ともさよなら・やれやれこれで自由の身だ」と思っているのか。今夜からすっかり自由だけど体には気をつけるんだよ。また会える事を願いつつ、さよなら。Photo:2015/07/13 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

2015年7月12日日曜日

第七百四十二夜/ウラギンヒョウモン

 アザミの花を求めてやって来たウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe。時おり、飛び去ったかと思えば、すぐに戻って来る・・・種類を見ようと目を凝らすが、なにかおかしい? つまりウラギンヒョウモンとギンスジヒョウモンが交互に来ていたのだった。ある時、同時に2頭が一つの花に来たのでわかった。Photo:2015/07/08 @広河原能見、京都市

2015年7月11日土曜日

第七百四十一夜/オニヤンマの羽化殻

 小学校のプログラムで初夏の森歩きを行う。歩きはじめに見つけたオニヤンマの羽化殻、同じ場所に3個並ぶ。子ども達に説明すると半数が「気持ち悪い」と言う、、、そうかな? 僕らの頃は、オニヤンマ(Anotogaster sieboldiiは夏の昆虫の中でも3本の指に入るあこがれの種類、幼虫から成虫のイメージがないからかな。Photo:2015/07/08 @花背、京都市

2015年7月10日金曜日

第七百四十夜/谷戸の風景

 現代の谷戸の風景。アマガエル、ナツアカネ・・・そしてシカ避けネット。この3点セットはどこへ行っても変わらない。シカ避けネットがなければいい風景なんだがね。Photo:2015/07/08 @広河原、京都市

2015年7月9日木曜日

第七百三十九夜/スジグロシロチョウ

 ネズミモチの花にやってきたスジグロシロチョウ(Pieris meleteモンシロチョウと間違われていることも多いが、スジグロという名のとおり、翅に黒いすじがあることで見分けられる。こちらの方が、比較的うす暗い環境を好み、林のまわりや、木が良く茂った公園などで多く見られる。幼虫の食草は、イヌガラシなどアブラナ科の植物。ダイコンなど栽培種も食べる。花背の谷ではこちらの方が一般的。ネズミモチは、小さな白い花を沢山つけ甘い香りが周囲に漂わせる、色々な昆虫がやって来る、そして秋に付ける黒紫色の実には、沢山の野鳥がやって来る。Photo:2015/07/08 @花背別所、京都市

2015年7月8日水曜日

第七百三十八夜/マムシのニオイ?

 思い込みは危ないと言う事を再確認。マムシ(Gloydius blomhoffiiは竹やぶ、石垣や水辺によく見る。どころがどうだろう、今日は石積みの上にある低いツツジの刈り込みの上で日光浴をしていた。最初にこちらが気付いて良かった、こんなところにはいないだろうと思う油断は禁物。最初頭を隠していたので小枝でつつくとご覧のとおり臨戦態勢になった、マムシは他のヘビと違いすぐには逃げずにシッポをふるわせる、次に軽く頭で飛びつく様な動作をするのでまだまだ大丈夫。これ以上関わらなければ何事も無い。彼らとていたずらに人を噛む事はしない。ああっこんな場所にもいるのだなと思い、近くをみると50cmと離れていないところに2匹も同じ様に日光浴。また別の所には、大きなアオダイショウ。こちらは人を見るとたちまち逃げ去っていく。地元の人にマムシのことを話すと「マムシはニオイが強いので、いる場所はそのニオイで判る」という。でも僕はマムシのニオイをかいだ事が無いのでそのニオイそのものが判らない。Photo:2015/07/08 @広河原能見、京都市

2015年7月7日火曜日

第七百三十七夜/林のステルス機?

 雨の降る中、林の下草でアミガサハゴロモ(Pochazia albomaculata)が休んでいた。形は、ベッコウハゴロモと瓜二つだが、体色は戦闘機のステルス機のようなツヤの無い暗褐色~黒褐色で、前翅の前縁中央部にはっきりした白紋を持つハゴロモの仲間。一見地味だが、翅脈を見ると非常に美しい。

2015年7月6日月曜日

第七百三十六夜/ハシボソガラスとシジュウカラ

 樹林地を歩けば巣立ちのひな鳥がよく目につく。トビやカラスのヒナ鳥と言うにはあまりに大きすぎるものから、イカル、ヒヨドリ、ムクドリ、コゲラ、スズメ、シジュウカラ・・・などの小型の野鳥まで、巣立ちヒナが鳴きながら親鳥の後をついている。今日観たのは、そのようなシジュウカラの巣立ちビナを食べるハシボソガラス(Corvus corone。カラスが巣立ちビナを狩ったのか、それとも落ちていた死体を拾ったのかは判らないが、かなり新鮮な死体で、カラスが飛び立った場所から少しはなれたところからはシジュウカラの声がしていた。カラスは最初、羽毛を抜き取り、体を二分して食べてしまった。その間、5分。食べるのに一生懸命なのか、興奮していたのか約3mの真下で見ているこちらを一向に気にしない。普段は、地面を歩きながらミミズや植物質の餌を好むハシボソガラス、英名では「Carrion Crow」と言い、その意味は「死肉を食うカラス」なるほどだな。Photo:2015/07/05 @京都御苑、京都市

2015年7月5日日曜日

第七百三十五夜/オトシブミの1種

 小さな虫の造形はなかなか興味深い、今日見つけたオトシブミの1種。上翅の中央の大きな突起と体色からヒメゴマダラオトシブミ(Paroplapoderus vanvolxemiと思われる。調べてみると「山地に生息。体色は個体変異が多く、地色が赤褐色で黒紋のある型から全身黒色の型まである。上翅中央に1対の円錐状のコブを持つのが特徴的。触角と脚は全体的に黄色で、後脚腿節の半分ほどは黒色となる傾向にある。」京都御苑で見つかるのは稀なのか、今後調べてみる事にする。Photo:2015/07/05 @京都御苑、京都市

2015年7月4日土曜日

第七百三十四夜/マユタテアカネ

 夏はもう少し先だと思っていたら、すっかり夏の気配でいっぱいだ。マユタテアカネ(Sympetrum eroticum 写真は♂)も現れた。スマートで可憐なアカトンボ、顔に眉にような黒い紋があるのでこの名がついた。でも眉というよりは、ヒョビヒゲみたい。平地や丘陵地の、樹林で囲われた池や湿地で発生する。Photo:2015/06/30 @京都御苑、京都市

2015年7月3日金曜日

第七百三十三夜/キマダラカメムシの幼虫

 最近、観る機会の多くなったキマダラカメムシ(Erthesina fullo 写真は幼虫)。比較的大型の外来性のカメムシ、幼虫の姿は一度覚えると忘れない。Photo:2-15/06/30 @京都御苑、京都市