2012年6月24日日曜日

第三百五十七夜/ヌートリアの餌付けは OK?

 鴨川でこんなシーンに出会った(写真上)。子ども達がパンを与えるのは巨大ネズミのヌートリア(Myocastor coypus、川岸からパンを求めて上陸し、子どもが手から差し出すパンを食べている。付近をみるとこの大きなネズミが1、2、3、4・・・全部で10頭、大きな個体が2頭(鼻先から尾の付け根までが約45cm程度)、それ以外の8頭は一回り小さく鼻先が白い、今年の子どもらしい(鼻先から尾の付け根までが約30cm程度)。家族の一群のようである。パンを与えていた(人間の)子どものお母さんに聞くと、ここのヌートリアは3年程前から居て、今来ている子どもネズミ達はこの前までは15〜20cmほどだったと言う。子ども達が与えるパンをもらいにくるのは、ネズミばかりではなくハトやカモ(実際は合鴨)、コイもいるがなかでもこのネズミ達は特に慣れている様子で鳥達は遠巻きに餌のおこぼれを狙っている。ヌートリアはさほど視力がよくないらしく、カメラを構えているとレンズに鼻先が触れんばかりに、においを嗅ぎにやってきた(写真下)。
 自分が子どもの頃、動物に餌を与える事は楽しいと感じた、また餌を食べる彼らをかわいいと思った。だから餌を与える人間側の気持ちも理解できるが、人間の子ども達が「ヌーちゃん」と呼ぶネズミの子ども達、今後彼らは人から餌を与えられることを習慣とする。餌を与えられることで繁殖頭数も増加するだろう・・・いずれ新しい問題が起こる事は明らかだと思う。Photo:2012/06/24 @鴨川、京都市

ヌートリアの話題:
第百八十二夜 2010年1月11日
第二百四十七夜 2010年9月24日

*1:原産地:南アメリカの中・南部(チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ブラジル南部)。日本には1907年に上野動物園に初めて 輸入された。その後、1939年(昭和14年)に軍用の毛皮獣として150頭が輸入された。第二次世界大戦中は、防寒用の毛皮を採り、肉は食用とするため に多数飼育されたが、第二次世界大戦が終わると需要がなくなり、放逐されたり屠殺されたりした。生き残ったものが野生化し、各地で帰化した。毛皮はカワウ ソのように上質で、カワウソの毛皮と称して売買されたため、カワウソのスペイン語<ヌートリア>がまちがってこの動物の呼び名になったという。

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