2012年6月18日月曜日

第三百五十一夜/蛇の目を持つ蝶

 やっと梅雨らしいお天気となってきた、梅雨と言えば「傘」が手放せない季節である。こんな少し薄暗く湿っぽい季節に似合うのがジャノメチョウの仲間。
 写真は「ヒメジャノメ」(姫蛇目、学名 Mycalesis gotama)。薄暗い下草のなかを消極的に飛んでいる。消極的というのはあまり連続して飛ばないと言う事、けっして飛ぶのが嫌だとか苦手と言う訳ではない。このジャノメチョウの仲間の特徴は、翅の紋様に蛇の目(じゃのめ)を持つものが多い。この蛇の目とは、名のごとくヘビの目から名づけられた同心円を基調にした模様のことである。
 僕が学生の頃は、ジャノメチョウの仲間は「ジャノメチョウ科」として科を与えられていたが、最近では「タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科」に属するチョウの一種となっている。
 この蝶の仲間は、薄暗いところを好むのと、茶色の地味な体色などから間違って部屋に入ろうものなら「蛾だ!」なんて新聞紙ではたかれるか、すぐさま追い出されるが、そもそも蝶と蛾の区別なんて明確に出来ないのである。大変に気の毒である。

  他にも「蛇の目」と言う言葉は、よく耳にする。例えば、使った事は無いけれど、蛇の目傘、ジャノメミシン 。
  ウィキペディアで調べてみると・・・・
蛇の目傘:畳んだ状態が細身の和傘である。本来は蛇の目に見えるように紙を張り付けたものをいった。
蛇の目の砂:相撲で、土俵際の判定のために整備される土俵のすぐ外に撒かれる砂のこと。かつて土俵が2重であったときの名残である。 蛇の目猪口:酒や醤油の品質を確かめるために用いられる猪口には、濁りをみるために底に青色の輪の模様が入っている。利き猪口ともいう。
蛇の目紋:正式には弦巻紋(つるまきもん)と呼ばれる日本の家紋の一種である。

・・・と言う訳でこの蝶、けっこう和のテイストに満ちている気がする。
Photo:2012/06/12 @京都御苑

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