2009年6月21日日曜日

第百三夜/これは地球外生物か? コウガイビル



 雨上がりの午後、御苑の森で長い(大きな?)コウガイビルを見つける(写真上)。幅は5mm程度だが、長さは45cmぐらい。この生きもの一見ヒル似で、名前にもヒルと付くが、人の血を吸うヒル(環形動物)ではなく、中学校の生物の授業でおなじみ(?)のプラナリア(扁形動物)の仲間。英名は「Land Planaria=陸のプラナリア」という。ヒルに比べ筋肉や神経系の発達がはるかに劣るため、運動もはるかにゆっくりとしており、ゆるゆると這うだけである。種数は日本に数種以上いるが、詳細は不明であるという。今日見たのは、大型の「オオミスジコウガイビル」(中国からの外来種)。名の通り、黄色い体に三本の黒い筋がある。体の前端は頭部であり、扇形に広がっている。コウガイビルの「コウガイ」は、「郊外」とか「公害」、もしくは「喉外」と思っていたら、昔の女性の髪飾りである笄(こうがい)に、その形を見立てたものであるという(コウガイなんてはじめた聞いた)。陸上生活ではあるが、乾燥には弱いので、湿った土壌、石の下、朽ち木の中などにおり、雨上がりや夜間に野外をミミズ、ナメクジ、カタツムリなどの食べ物を求めて徘徊する。庭の植木鉢の裏なんかにも同じ仲間が住んでいる。この生きもの不思議なことに体の中央腹面に口がある、肛門はない。獲物を見つけるとそれに絡まり、腹面の口から吻を伸ばし、肉を消化しつつ飲み込む。体を半分に裂かれても再生する。ほんと不思議な生きものだ。さて、このコウガイビルは、自転車に引かれていた大きなミミズを見つけ草むらから這い出して来たらしく、はやくも食べ始めた(写真下)。
オオミスジコウガイビルの学名「Bipalium nobile」にnobile(ノービル)と付くが、コウガイビルは驚くほど伸びるのだ(ただし学名のnobileとはまったく関係ありません)。


Photo(上)オオミスジコウガイビルの頭部、イチョウの葉っぱの様な形。
Photo(中)草むらから這い出てきたコウガイビル(下が頭)、その先にあったものは→???
Photo(下)→自転車に引かれた大きなミミズだった。するとコウガイビルはミミズに絞め・絡まる様に食べ始めた。
2009/06/21 @京都御苑(テニスコート横の森)、京都市

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