雑木林に春が来た、ヤマザクラは咲き、エノキの新芽に越冬から覚めたゴマダラチョウの幼虫が登ってきた。そんな花や新芽をひとつずつ丹念にめぐるヤマガラ(Parus varius 英:Varied tit)の姿を見る、彼らの狙いはまさにこのような蝶や蛾の幼虫。「ムームー」という甘えたようなヤマガラの鳴き声が林のあちこちから聞こえて来る。彼らもそろそろ巣作りにとりかかるだろう。Photo:2015/03/31 @京都御苑、京都市
2015年3月31日火曜日
2015年3月29日日曜日
第七百十夜/ハリスホーク
手にタカを止まらせて外出の訓練をする男性に出会う。写真を撮らせて頂く。話を聞くと、このタカは生後1年のハリスホーク(=モモアカノスリ Parabuteo unicinctus 英:Harris Hawk)だった。特に鷹狩りに使うと言うことではないらしく、ペットとして飼っているようだ。話をしている間も時おり表情が険しくなる、近くで鳴いているスズメやヒヨドリに反応しているのかと思いきや、車やバイクの音に敏感だということだった。成鳥になると名前のとおり、モモ部の羽が赤褐色になり美しいと言う。Photo:2015/03/29 @近江八幡市、滋賀県
2015年3月20日金曜日
第七百九夜/美雲に鴨群れ飛ぶ
豪雨が去り、夕焼けが空を照らす、ダイナミックで美しい雲が生まれ、流れていった。雲を背景にカモ達の群れが翼の鋭い風切り音と共に飛び去る。こんなシーンを見れたことだけでもフィードを訪れた価値がある、幸せに尽きる時間。カモ達の北帰行も近い。カモ類は、カルガモ、マガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、コガモ、ヒドリガモなど。Photo:2015/03/19 @西の湖、近江八幡市
2015年3月19日木曜日
第七百八夜/アメリカザリガニの春がやってきた
いつものヨシ原の散歩道、何匹ものアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)が畦の孔からはい出し歩いている。これから湿地にいくのだろうか、どのザリガニも♀でお腹には沢山の子エビを蓄えている。卵はふ化して、子エビとなりしばらくはお母さんのお腹の下にくっついている。今日初めて出会ったザリガニは左のハサミが無かった。急いで湿地に行かないとアオサギがやって来るぞ。Photo:2015/03/19 @西の湖、近江八幡市
2015年3月18日水曜日
第七百七夜/モズのペリット
枝に休むモズの♂を観察していると、口からぽとりと何かを落した。きっと捕らえた甲虫類の頭かなにかと思い、地面を探す。「ブツ」を見つけるにはそれほど時間は必要なかった。長さ2.5cm、太さ8mmほどと意外に大きかったからである。しかもそれは甲虫の頭部ではなく、まだ湿り気のあるペリット(pellet)だった。ペリットとは、鳥類が獲物などを食べたあと消化できない羽(翅)や脚部、骨などを吐き出したものである。モズのペリットを拾えるなんてラッキーである。拾い上げよく見ると、カメムシやゴミムシの前翅らしいものが沢山含まれていた。アルコールに漬け、細かくするとなにが含まれているかが判る。つまりモズの食生活が判るのである。ちなみに匂いを嗅ぐが無臭だった。Photo:2015/03/17 @京都御苑、京都市
2015年3月17日火曜日
第七百六夜/クヌギカメムシの孵化
冬の寒い間、クヌギの樹皮で翡翠色に輝いていたクヌギカメムシ(Urostylis westwoodii)の鎖状につながった卵塊、周りにはゼリー状のもので覆われている。この卵の色の変化があり、しぼみはじめた。今日、よく見ると孵化の真っ最中だった。この孵化したばかりの幼虫は、卵を包むゼリーのみを摂食して3令まで成長するという。この目立つ卵が野鳥に食されることなく冬を越すわけもこの卵を包むゼリーに秘密があるのだろうか。。Photo:2015/03/17 @京都御苑、京都市
2015年3月2日月曜日
第七百五夜/ヨシ原とダイサギ
葭原の水路をゆっくり歩くダイサギ(Ardea alba 英:Great Egret)。風になびくヨシから時々、こちらを見ている鋭い目と目が合う。ゆったりと歩く姿は白く美しい。同じ大型のサギでもアオサギよりも本種の方がよく歩き、目立つ。Photo:2015/02/28 @蛇砂川、近江八幡市、滋賀県
2015年3月1日日曜日
第七百四夜/オオジュリンとヨシ
いよいよヨシ刈り作業が本格的になってきた。ヨシ原で冬を越した鳥たちも北帰行となる。オオジュリン(Emberiza schoeniclus 英:Reed bunting)がヨシの茎中の虫を食べている。見てると面白い、あてずっぽうにヨシの茎を割って探しているのかと思うと、そうではないらしい。確実に茎中にいる虫の動く音かなにかを手がかりに探しているようである。これだけヨシがあると、エサの虫は得易いかもしれないが、計算してエサを獲らないとあまりにも不経済であることは確かだ。あまり人を恐れないので近くでゆっくりと観察できるのが良い。彼らももうしばらく経つと北方へと帰って行く。Photo:2015/02/28 @西の湖、近江八幡市、滋賀県
2015年2月28日土曜日
第七百三夜/水田のタゲリ
なかなか距離をつめさせてくれないタゲリ(Vanellus vanellus 英:Northern lapwing)、大型のチドリで、夏季にユーラシア大陸の中緯度の広範囲の地域で繁殖し、冬季はアフリカ大陸北部やユーラシア大陸南部等で越冬する。もっぱらひらけた水田で一日をエサ獲りで過ごすが、警戒心がとても強く、不用意に動くと飛び去ってしまう。圃場整備が進んだ今の水田は、冬期乾田のところがほとんどだが、このタゲリは乾田には寄り付かないようだ。この時、タゲリは29羽の群れ。この地域では唯一、冬場も水を張る不耕起栽培の田んぼであるここは、毎年、確実にタゲリの群れが越冬に訪れる。後頭部の冠羽が特徴的である。Photo:2015/02/28 @中主町、滋賀県
2015年2月26日木曜日
2015年2月25日水曜日
第七百一夜/モズのはやにえ
久しぶりに京都御苑で見るモズ(♂ Lanius bucephalus 英:Bull-headed shrike)。彼は、何やら地面ばかりを見ている、きっと昆虫類でも探しているのだろう。時おり地面に降りるが獲物は捕れず、今度はクサギの幹に狙いをつけ移動、すると幹から5センチメートルほどの褐色の昆虫を捕らえた。捕らえた獲物を食べるのかと見ていると、地面から高さ4mほどのモミジの枝の又にそれをきっかけた。モズのはやにえである。以前は真夏にセミを竹に刺すところを目撃した。この「はやにえ」は貯食かどうかはしばらく様子を見てみよう。このモズ、近くの枝で、つぶやくようなメジロにも似た愛らしい声でひとしきり鳴いた後、飛び去った。捕らえた獲物を双眼鏡でみると、なんとか昆虫らしき触覚と翅、そして腹部が見える。今の季節、この獲物の昆虫は、クビキリギリスが妥当な判断。Photo:2015/02/24 @京都御苑、京都市
2015年2月24日火曜日
第七百夜/春近し、旅に備えるツグミ
足元近くからこちらを見る一羽のツグミ(Turdus eunomus 英:Dusky thrush)。それほど人なれする鳥ではないが、今日の個体は違っていた。決して弱っていたり、餌付けされている個体ではないけれど、1mほどまで近づくことが出来た。彼女(彼かな?)は、地面に聞き耳を立てる様にじっとたたずんでいたかと思うと、時おり落ち葉を除けてエサを探していた。それの繰り返し、おそらく彼らには地面で動く昆虫類やミミズの音が聞こえているのだと思う。約15分、1m前後を付かず離れず、このツグミを観察できた。前から後ろから、右左、ほぼ上からといろいろな角度から写真を撮らせてくれた。しかしこれも長くは続かなかった、それを見ていた他の男性が僕の背後に近寄ってきたのでツグミは樹の上に逃げてしまったからである。僕がカメラを構えながら近づいてもほとんど気にすることなくエサを探していたのにである。なにが彼らをそうさせるのか。不思議なものである。このツグミ達もしばらくすると群れをつくり、北帰の旅につく。Photo:2015/02/24 @京都御苑、京都市
2015年2月18日水曜日
第六百九十九夜/クヌギカメムシの越冬卵
今までこんなにあっただろうかと思うほど、今冬はクヌギカメムシ(Urostylis westwoodii)の卵塊を目にする。不思議なことは、今の時期は鳥たちの食糧難の時期でもある、小鳥達を見ていると枝や幹から昆虫類やクモ類をしきりに探している、一日のほとんどをエサ探しに費やしている。カマキリの卵やイラガのマユ等は、必ず食べられてしまう・・・がこのカメムシの卵塊は食べられる気配が無い。なにか食べない理由があるのか、それともいずれは食べられるのか、これから観察しよう。Photo:2015/02/17 @京都御苑、京都市
2015年2月17日火曜日
第六百九十八夜/ヒドリガモ
鴨川で冬を越すカモ類(*1)で近年、一番個体数が多いヒドリガモ(Anas penelope 英:Eurasian Wigeon)。他のカモ類がもっぱら水面に浮かびエサを摂るのに対して、こちらは河川敷の公園まで上がって来てエサを摂る。それもそのはず主食は草類で、芝の新芽を一生懸命に食べている。水辺から歩いて芝地までやって来て、人が通るたびに水辺の方に戻る。誰もイタズラしないので飛んで逃げることも滅多に無い。写真の学生さんは、ヒドリガモの20羽ほどの一行が通り過ぎるのを気長に待っている。オスが口笛のような「ピュー、ピュー」という甲高い声で鳴き合う様子はなんとも愛らしい。Photo:2015/02/17 @鴨川、京都市
*1:カルガモ(留鳥)、マガモ、コガモ、オナガカモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、カワアイサ(稀)、カルガモ×マガモの雑種など
2015年2月16日月曜日
第六百九十七夜/ネズミモチを食べるヒヨドリ
肉食性意外の鳥の食性を理解するのは結構大変である。季節や、子育ての状況により変化するものである。特に今の時期は、もっとも食料を得るのが厳し時期である。秋の木の種子や実は、食べ尽くし、早春の花や蕾はもう少し先である。昆虫類も見つけにくい。今回、ヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis 英:Brown-eared Bulbul)がネズミモチの葉を食べている行動を観察できた。枝に止まり、手当たり次第、近くの葉をついばみ食べる。ヒヨドリにとってネズミモチの実は好物ではあるが、さてこの硬い葉のお味はいかがなものか? さてこのヒヨドリ、食べ物のバリエーションは広く、昆虫類、果実、木の実、蕾、野菜(キャベツなどの葉もの)、花びら、花の蜜、はたまたお供えの献花(菊など)まで食べてしまう。Photo:2015/02/10 @京都御苑、京都市
2015年2月14日土曜日
第六百九十六夜/春はすぐそこ・ハイイロチュウヒ
西の湖周辺のヨシ刈りも最盛期に入った、もうすぐ刈り取った後のヨシ原焼きが始まる。あと2週間、この辺りのヨシ原焼きが始まる頃には、ハイイロチュウヒ(Circus cyaneus)も北に向かい旅立った後だろう。今冬も元気に小雪舞う強風の中を舞ってくれた。写真は水田に休む♀個体。Photo:2015/02/13 @近江八幡市、滋賀県
2015年2月13日金曜日
第六百九十五夜/夕闇にたたずむモズ
仕事帰りにいつものフィールドに立ち寄る。雪混じりの強風で体が凍る様に冷たい、厚めのフリースの手袋をしている指先もじんじんと痛む。川岸のブッシュにモズ(♂ Lanius bucephalus 英:Bull-headed shrike)を見つける。ほとんど同じ枝から動かず、時おり飛び去るがやはり近くに戻って来る。川面を背景にシルエットが印象的。この季節、エサを獲るのが難しいだろうに、さて雪ふりの今夜はどこで過ごすのだろうか。Photo:2015/02/13 @西の湖、近江八幡市、滋賀県
2015年2月11日水曜日
第六百九十四夜/ルリビタキ
ジョウビタキと入れ替わるように現れるルリビタキ♀(Tarsiger cyanurus 英:Red-flanked Bluetail)。なかなかすばしこいが、人をさほど恐れないので観察は問題ない。捕食者や競合する他の鳥を気にしているのだろうか、背後にブッシュがあると落ち着いている。Photo:2015/02/10 @京都御苑、京都市
2015年2月10日火曜日
第六百九十三夜/ジョウビタキのお気に入り
ジョウビタキ♀(Phoenicurus auroreus 英:Daurian Redstart)のお気に入りは杭の上。杭の上から時おり地面に降りてエサを摂っている。面白いことに気付く、ジョウビタキはあまり高枝にはとまらず地面に近い杭や、枝に止まることが多い。時おりやって来るルリビタキも同じような場所が好きで、よく見ているとその止まる枝がかなりの確率で同じもの。僕らが見ればどれでも同じようなものなのだが、彼らは彼らの基準があることが判る。この♀がとまる杭も糞の跡が沢山残っているのでお気に入りの一本だろう。興味深い。Photo:2015/02/10 @京都御苑、京都市
2015年2月4日水曜日
第六百九十二夜/闇に消えるホンドギツネ
写真の明るさを調整してもあまりにノイズが生じて人にお見せできる写真ではない。でも一応、ホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)の姿。双眼鏡で見るとまさにこんな感じである。長くふんわりとした尾の先が白く、遠くからでもはっきりとよく判る。このマークは、仲間とのコミニュケーションに使われるのだろうか。キツネの通り道にいた僕を迂回する様に田んぼの畦を歩き出した。Photo:2015/02/03 @西の湖、近江八幡市
2015年2月3日火曜日
第六百九十一夜/キツネとタヌキ
すっかり暗くなった葭原(よしはら)近くでホンドキツネ(Vulpes vulpes 英:Common Fox)を観察していた。大きな個体で僕の20mほど前の農道に座っていた。双眼鏡で目が合う、向こうもこちらを見ていた。彼はさあどうしようかなと考えあぐねているよう。多分、彼が通りたい道上に僕がいるのだろう。カメラをカバンから取り出し、キツネを見ると既にいない、一瞬のことである。こちらの動きを良くみていることに驚く、僕を避ける様にして田んぼのあぜ道を通り、再び農道に戻る、僕を避けて通ったことになる。なおも双眼鏡で追うと、彼は川の堤防を歩き、途中でおしっこをし、下手の橋を渡り、やがて町の方角に消えて行った。近くの中華料理店のゴミ捨て場にでもいくのかな? 肉眼ではもう見えないが、双眼鏡で見るとシッポの先の白毛が目立つので暗くても判り易い。さてキツネが去ったすぐ後、今度はホンドタヌキ(Nyctereutes procyonoides viverrinus 英:Japanese Raccoon Dog)が葭原から騒がしく現れた、2匹がじゃれ合う様に歩いてる。最初の1匹は僕の存在をまったく知らない様にすぐ足先1mを駆け抜けて行く。それを追ってきた後の1匹は僕に気付き、目の前で葭原に引き返して行った。さて先にすり抜けて行ったタヌキはどうしているかと見ると、少し先で後の1匹を待っていた(写真)。キツネとタヌキ・・・どちらも同じ時間に、同じ道を歩いて来たことは興味深い。Photo:2015/02/03 @西の湖、近江八幡市
2015年2月1日日曜日
第六百九十夜/メジロとミカン
以前から庭の灌木にエサの昆虫を探しメジロ(Zosterops japonicus 英:Japanese White-eye)のペアが来ていた。灌木の間を動き回り、昆虫類やクモ類を食べていた。昨年夏〜秋は、ガ類の幼虫が少なかったことは彼らの存在が大きかったかもしれない。そのお礼と言う訳ではないが、今年になってミカンを灌木の枝先に刺しておいた、案の定、ミカンも食べに来た。野鳥の餌付けはするもんじゃないが、今回は限定的にすることにした。こうすればメジロの習性が判る。その後もメジロ達は、ミカンも食べるが、相変わらず昆虫類も獲っていた。
今朝は今年になって3回目の少しまとまった雪日、こんな朝は早くからメジロ達はやって来て、普段よりも少し大きめの小声で鳴き交わす「早くミカン下さいな」と言っているようである(多分そうなのだろう)。メジロ達は多くの場合、ミカンを複数置いたとしても2羽同時に食べることはしない、緩やかな縄張り行動でパートナーを追い払い1羽で食べる。一方、追い払われた1羽は近くの枝に止まり周囲を警戒している。先に食事を済ませた1羽が枝に移ると、それまで見張りをしていた1羽が食事をする。なかなか上手くしたものである。しかし、今朝のような積雪日はよほどお腹が減っているのか、2羽同時にミカンを食べることが多い。ミカンの後は、灌木の小枝で昆虫探しである、やはりミカンだけではダメなのである、動物性蛋白や脂肪も必要。メジロが去った後、やってくるのはヒヨドリ、うっかりすると彼らはミカンごとくわえて飛んで行ってしまう。庭にやってくるのは、メジロ(ペア1、単独1)、ヒヨドリ(ペア1)、ジョウビタキ(♂ こちらはミカンは食べない)。時々、キジバト、スズメ(ただし彼らが好む種子系のエサは置いていないので常時来ない)和名の「メジロ」は「目白」の意だが、実際は「目の周りの羽が白い」のである。Photo:2015/02/01 @京都市
2015年1月15日木曜日
第六百八十九夜/スズメの香り
野鳥写真マニアの人からは「スズメ〜?」って言われそうだが、よく見ればなかなか興味深く、僕たちは実のところ良く知らないことに気付く。僕が好きな鳥でもある。子どもの頃は、いつもスズメが家にいた。これは大学生になっても変わらなかった。なぜか、どこからか、誰かが僕のところに持ち込むのだった。持ち込まれたスズメは、ほとんどは丸裸に近いヒナから巣立ちに満たないものだった。自作の保温機に入れ、定期にすり餌と水を与えた。そんなスズメ達は、とても良く馴れ、部屋の中を我が物顔で飛び回っていた。食事の時は肩に止まり、直接僕の口にエサをねだった。そして僕の枕の上で寝ていた。僕が何より好きなのは彼らの体の香りで、それは太陽に布団を干した後の香りだった。一方で父親に連れられて正月の神社の参道で味わったスズメの焼き鳥もおいしいと思った。
今日、出先からの帰り道、夕暮れのなか畑の横の物干竿に彼らが並んでいた。エサを食べたり、羽づくろいをしたり、小声で鳴き交わしたり、転がる様に地面に降りたかと思うと、ねぐらへと飛び去った。なにを話していたのだろうか。スズメを見るといろいろなことを思い浮かべる。Photo:2015/01/15 @大和西大寺、奈良市
2015年1月7日水曜日
第六百八十八夜/落ち葉をめくってエサを探すシロハラ
声や姿に特徴も派手さも無いが、なかなか味わい深い美しさを持つシロハラ(Turdus pallidus 英:Pale Thrush)。今の季節、雑木林の落ち葉を勢い良くめくり昆虫やミミズなどのエサを探す姿を良く見る。Photo:2015/01/07 @京都御苑、京都市
2015年1月6日火曜日
第六百八十七夜/風に舞うハイイロチュウヒ
黒く重い雪雲、時おり細かな雪が顔に当たる、ヨシ原に強い寒風が吹く。ねぐら入りの前にハイイロチュウヒ(Circus cyaneus 英:Hen harrier, Northern harrier)が数羽舞う。風に舞い飛ぶ姿に寒さも忘れそうである。トビ、オオタカ、ノスリ、チョゲンボウに対してはカラスは、モビング(擬攻撃)を激しく行うが、チュウヒ類にモビングをしている場面には出会わない、気のせいだろうか。英名の「Harrier」日本車のメーカにあったような。Photo:2015/01/06 @西の湖、近江八幡市
2015年1月5日月曜日
第六百八十六夜/アオジ
このカナリア似のスズメほどの大きさのアオジ(Emberiza apodocephala 英:Black-face Bunting)はもっとも身近な冬鳥かも知れない。まとまった樹木がある緑地や公園でもやって来る。しかも人をあまり怖がらず、地面に落ちている草や木の種子を小さな群れで食べているので、こちらが驚かない限り足元までやってくる時もある。観察するにはもってこいである。地味ながらも、胸の黄色はとても目立ち美しい。Photo:2015/01/03 @吉田山、京都市
2015年1月4日日曜日
第六百八十五夜/積雪の跡のアカゲラ
今年正月2日間の京都は、61年ぶりの記録的な積雪だったらしい。散歩で近くの吉田山に行くとその影響は確かにあった。コナラの太枝が着雪で折れている姿を随所で見た。ただこの程度の着雪で折れることは、そもそも枝に何らかの問題があることも事実。その折枝に目をつけたのはアカゲラ(Dendrocopos major 英:Great Spotted Woodpecker)だった。このアカゲラは折れた枝の断面をつついていた、しかも別の木に変わりながらも折口ばかりでエサを獲っていた。折れた箇所を観察するとどれもが内部が空洞もしくはスカスカの状態で、おそらくカミキリムシの幼虫かなにかが入っていると思われた。これでは着雪の重さに耐えきれず折れてしまう。降雪は鳥たちにとって大きな環境圧にもなるが、食べ物を得る機会にもなりうると言うことがわかった。ちなみに吉田山でアカゲラを見たのは今回が初めて。今日であった野鳥:アオジ、クロジ、カワラヒワ、スズメ、ジョウビタキ、ウグイス、メジロ、ソウシチョウ、シロハラ、アオバト、ヤマガラ、コゲラ、アカゲラ、ハシボソガラス、トビ。Photo:2015/01/03 @吉田山、京都市
2015年1月3日土曜日
第六百八十四夜/カゴ抜け鳥のソウシチョウ
自宅近くの吉田山を散歩中に見知らない小鳥の群れを見つける。遠くから見て、その群れの鳴き声や行動に違和感あり。静かに待っているとブッシュの中から現れたのは、ソウシチョウ(Leiothrix lutea 英:Red-billed leiothrix )だった。全部で15羽以上の群れ。ブッシュの下でエサをさがしている。時おり鳴く声は、ウグイスの様な「ジェッ、ジェッ」やヒタキ類の「カッ、カッ」のように聞こえた。この鳥の野外での繁殖は聞いたことがあったが、まさか身近な場所でこれほどの個体がいるとは思っても見なかった。確実にここでも繁殖しているのだろう。この小鳥は、外来生物法で特定外来生物に指定されており、「日本の侵略的外来種ワースト100」の選定種の1種となっている。かつてはペットショップで売られていたが、今では愛玩、観賞目的での飼育は禁止されている。Photo:2015/01/03 @吉田山、京都市
2015年1月2日金曜日
第六百八十三夜/コサギの小技
コサギ(Egretta garzetta 英:Little egret)の脚は、指部分だけが黄色く、靴下を履いたようである。彼らの餌の獲り方はユニークである。前に出した足先を水底でぶるぶると振る。この指の揺れに驚いた小魚やヤゴ等が飛び出てくるのを狙うのである。足先をぶるぶるとしながら静かに一歩ずつ歩く。コサギのぶるぶるに驚き浮き上がって来る魚を側でカワセミが狙う。冬期のように深みに魚が溜まっている時は、カワウが水に潜り追う魚が浅瀬に逃げてくるのを待つ。結果としてカワウの行動につきまとうコサギが現れたり、なかなか面白い異種間交流(?)である。さてこのコサギの足先だけ黄色い特徴的な色と魚を捕る行動「ぶるぶる」はなにか関係があるのだろうか。つまり魚が驚く様に足先だけ目立たせているのか、それとも水底にある自分の足先を見やすくするのか? 多分、両方あるのだろうな。Photo: 2015/01/02 鴨川、京都市
2015年1月1日木曜日
第六百八十ニ夜/カワセミと正月
謹賀新年2015年 本年もよろしくお願いいたします。
京都御苑から鴨川方面へといつものフィールドワーク。イカル、ビンズイ、アオジ、カシラダカ、スズメ、モズ、コゲラ、シジュウカラ、メジロ、キセキレイ、ハクセキレイ、シロハラ、ムクドリ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、トビ、アオサギ、コサギ、ダイサギ、カワウ、ユリカモメ、カイツブリ、カルガモ、マガモ、キンクロハジロ、ヒドリガモ、オナガガモ、カワセミ・・・と一通りいつもの面々。そんな中、興味深い場面に出くわす、高野川の河原に造られていた小さな淀みにコサギ10羽、カモ類10羽以上、ダイサギ、カワセミがたたずんでいた。このよどみには川の本流以外にも護岸の石積みからしみ出た地下水が流れ込んでいる。ここの水は本流よりも少し暖かいかも知れない。なかでもコサギは積極的に水底の砂利や落ち葉をいつものように脚でぶるぶるとかき回して飛び出る小魚を狙っている。すぐ横の岸に突き出た小枝では、カワセミ♀(Alcedo atthis)がその行動を一部終始見て、飛び出る小魚を素早く狙っていた。冬は小魚が水底に隠れるのでカワセミにとっては獲物を得にくいのだろう。また別のところでは、カワウが水中で追う魚をコサギが浅瀬で狙っていた。時おり頭の上をトビが舞う、カワセミが顔を向け、カイツブリは水に潜ってしまう。エサを獲る、捕食者への警戒・・・この鳥たちのそれぞれの行動は、単に一羽それぞれの行いではなく、それぞれがかつ種類を超え深く結びついていることに興味が尽きない。Photo:2015/01/01 出町柳、高野川、京都市
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