2013年5月5日日曜日

第四百七十夜/キセキレイの無念の死

 野鳥観察で訪れた山村都市交流の森のトイレの窓にキセキレイ(Motacilla cinereaが抱卵しているが、その様子がおかしいと聞く。早速、キセキレイの巣を見るが確かにおかしい。親鳥に触れるとすでに息絶えていた(写真上)。親鳥は雄(♂)で、巣には5つの卵があった(写真下)。いったい何が起こったんだろうか、想像してみた。
 キセキレイは雄と雌で交代で卵をあたためる(抱卵)。数日前に雄と抱卵を交代した雌は餌を獲りに出かけたがなんらかの事故に遭い(交通事故か、タカに襲われたか?)、雄が待つ巣に戻れなくなった。一方、雄は雌との抱卵の交代をひたすら待つが、雌は巣に戻ることはなかった。長い時間、抱卵をしていた雄も空腹になってきた、しかしここで餌を獲るために巣を離れると卵達は死んでしまう。空腹のまま抱卵を続け、数日前の寒波がやってきた。結果、卵を抱き続け衰弱のまま息絶えた。雄鳥の気持ちを察するまでもない。なんとも無念だったろう。営巣が数日遅かったとしたら、雌鳥が巣に戻ることが出来たら・・・と思う。キセキレイの巣は、外側にスギの葉が丹念に敷かれ、中程はコケ、次に草の葉、そして一番内側には獣毛(多分、シカの毛)が丹念に敷かれていた。Photo:2013/05/04 @山村都市交流の森、花背、京都市

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