2012年7月14日土曜日

第三百七十一夜/謎解きのヤゴ(1)

 トンボの幼虫(ヤゴ)の種類を同定するのはなかなか難しい、生きていればなおさらである。2週間程前に栗東の谷戸にある農道際の水たまりになんとなく異なるヤンマ型の幼虫を見つける。はっきりとここが違うと言い切れない、こんな時はこの何となくが大切だ。謎解きのために2匹を持ち帰り育てる。 なんとなく種類が違うのだから、なんとなく行動もことなる。どこが違うと問われても、やっぱり何となく違うとしか答えられない。
 そのヤゴ達は凄まじい食欲だった、そのヤゴの1匹が3日前から餌を摂らなくなった。複眼と翅部のふくらみも目立つ様になった。昨夜はそのヤゴの様子が違った、水面上をむいていよいよ羽化の頃合いを計っている様子。羽化の場面を見ようと待つがいっこうに水から上がる気配が無い。さて?朝一番に見るとすっかり羽化を終えていた。残念。
 羽化したのは、ヤブヤンマ(♂)(Polycanthagyna melanicteraだった。黒地に黄緑斑があり、複眼から顔面は瑠璃色できれいな大型のトンボ。名前から判る様に藪(ヤブ)の中に潜む、早朝と夕方に活動する黄昏ヤンマの一つ。丘陵地や低山地の植物性沈積物が多い木陰の池沼や小さな水溜りなどに生息、5月中旬ころから出現し9月末頃まで見られる。羽化した成虫は、元の場所に放つ。飛び去る姿はあまりにもきれいで写真を撮ることも出来ず。またまた残念。
 残る1匹もそろそろ食欲が鈍ってきた、今週中には羽化する様子、どのような成虫がみられるのか楽しみ。Photo:2012/07/14

0 件のコメント: